米国の仮想通貨推進団体であるデジタルコマース協会は、米国に拠点を置く投資家の利益のため、米証券取引委員会(SEC)に対し、ビットコイン上場投資信託(ETF)を承認するよう求めている。

「クリプト・コナンドラム」と題したレポートの中でで、デジタルコマース協会は、米国では市民がビットコインETFを含む仮想通貨投資手段にアクセスにおいて他の国に遅れをとっていると指摘する。

デジタルコマース協会は、海外でリリースされたビットコインETFでは「ハッキングや盗難の報告例はなく、市場操作の兆候もない」と付け加え、ETF申請を拒否してきたSECの理由が「見当違いで逆効果だった」と強調する。

「SECが妨害し続けているため、米国は他国から遅れをとり続けている。米国で投資されたはずの資本が、イノベーションを受け入れているほかの国へと流れてしまっている」とデジタルコマース協会は言い、イノベーションを推進している国としてカナダ、ドイツ、スウェーデン、スイス、オーストラリアといった国を具体例として挙げている。

SECがビットコインETFの承認を拒否する際に投資家保護を理由にしたわけだが、デジタルコマース協会は、そのせいで投資家が「よりリスクがあり、規制の緩い外国の環境で(仮想通貨の)エクスポージャーを得ることになる」と批判している。

デジタルコマース協会の創設者兼CEOのペリアンヌ・ボーリング氏は、Fox Businessのインタビューで、「この新しく革新的な資産クラスへのエクスポージャーに対する大きな需要を否定することはできない」と述べている。「規制当局が業界と協力して、個人投資家のために規制された商品を市場に投入すると思うだろうが、過去10年間、あらゆる試みで阻止されてきた」と言う。

デジタルコマース協会によると、SECがビットコインETFの申請を拒否し続ける動機の一部は、政治的なものである可能性があるという。デジタルコマース協会は、SECのゲイリー・ゲンスラー委員長が規制機関の権限を拡大しようと試みているとも指摘する。

現在までに、米国の金融規制当局は16社からの現物型ビットコインETF申請を拒否している。その多くは、取引所が投資商品を上場することを認める規則変更案が「詐欺的・操作的行為および実践を防ぐために設計されていない」と指摘していた。