大阪谷町のオフィス街にたたずむ〈山本能楽堂〉(国登録有形文化財)。その建物のなかへ入ったことはありますか?扉を開くと、辺りの喧噪からは想像もつかないような異次元空間が広がり、初めて訪れた方は、大抵驚くのだとか。その能楽堂が大規模改修を経て、今年で90周年を迎えました。

1927年(昭和2年)創設者・山本博之さんが創設した山本能楽堂。

改修の監修・設計を手がけたのは、大阪を拠点に家具、空間、プロダクト食、アートなどさまざまなクリエイティブ活動を展開する〈graf〉。

「ひとりでも多くの人に能を楽しんでほしい」という山本能楽堂の思いを受け、「開かれた能楽堂」をコンセプトに、たくさんの人が行き交う芸術創造の場となるような空間をデザインしたのだそう。

さらに山本能楽堂では、伝統芸能としての能をもっと多くの人たちに伝えるため海外公演や子ども向けワークショップなど、さまざまなイベントを行っています。

ブルガリアで行われた公演のようす。現地の俳優達が稽古を積んで能に出演し、現地でも大きく報道された。(2015年)

山本能楽堂では、創設者の孫・山本章弘さん(現代表理事)をはじめとする能楽師が先生となり、さまざまなイベントを開催しています。

こちらは2015年に開催された、能面の独特な表情を気持ちに置き換えるワークショップ〈能プロジェクトbyグラフようちえん〉。

子どもたちが「どんな顔?」「どんな気持ち?」をテーマにお面を制作し、最後はフォトブースで写真撮影。子どもたちに表情と気持ちの関係性について考えもらい、能の文化を継承し広めていくというねらいがありました。

さらに能楽堂では、通常の演目をわかりやすく噛み砕いた能公演や、レクチャー、見学なども行っています。ぜひ一度行ってみたいですね!

information

公益財団法人 山本能楽堂

住所:大阪府大阪市中央区徳井町1-3-6

TEL:06-6943-9454

Web:山本能楽堂 graf

writer profile

Yu Miyakoshi

宮越裕生

みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。