陸と海のアクティビティ満載の三宅島は、島の散策も楽しい。

ひょうたん山や新鼻新山(にっぱなしんざん)など、火山による地形変化の景観が美しく残る三宅島。

雄大な自然に囲まれており、ドルフィンスイムやダイビング、トレッキングにサイクリングと、海と陸のアクティビティが満載だ。

もちろん、それだけじゃない。特産品を使ったメニューが味わえるおしゃれなカフェや、雨の日でも楽しめる三宅島ならではの体験など、地元の人とふれあいながら楽しめるグルメとスポットがたくさんある。三宅島の魅力を存分に味わいつくそう。

1.【観る】アカコッコ館絶滅危惧種のアカコッコを間近で観察

日本固有の野鳥・アカコッコは、国の天然記念物。丸くてぷっくりしたフォルムに、つぶらな瞳が愛らしい。黒い頭とオレンジのお腹が特徴的な、三宅島を代表する野鳥である。

アカコッコは絶滅危惧種に指定されている野鳥。2016年に行われた調査では、島内での生息数を約7800羽と推定した。

アカコッコは絶滅危惧種に指定されている野鳥。2016年に行なわれた調査では、島内での生息数を約7800羽と推定した。

三宅島は別名「バードアイランド」とも呼ばれており、世界中のバードウォッチャーから愛されているスポットだ。

〈三宅島自然ふれあいセンター アカコッコ館〉は、アカコッコはもちろん、さまざまな野鳥たちを見ることができる。日本野鳥の会のレンジャーが常駐しているため、野鳥の特徴なども教えてくれる。

はかりに乗っているのは、実物大のアカコッコのぬいぐるみ。大きさはスズメとハトの中間くらいで、体重は約70グラム。

はかりに乗っているのは、実物大のアカコッコのぬいぐるみ。大きさはスズメとハトの中間くらいで、体重は約70グラム。

同館には、野鳥が水浴びできる水場があり、アカコッコをはじめとした野鳥が、餌を探したり水浴びをしたりする様子を、間近で見ることができる。

アカコッコは通年生息しているが、観察しやすい季節は3〜6月。双眼鏡の貸し出しもあるので、心ゆくまま野鳥の観察をしてみよう。

information

三宅島自然ふれあいセンター アカコッコ館

住所:東京都三宅島三宅村坪田4188

TEL:04994-6-0410

営業時間:9:00〜16:30

定休日:月曜(祝日の場合は翌日)

Web:http://park10.wakwak.com/~miyakejima/

2.【食べる】Gallery Cafe Canon〜ギャラリーカフェ カノン〜 三宅島の風景画を眺めながら、のんびり過ごす

三宅島の休憩スポットといえばここ、〈Gallery Cafe Canon〜ギャラリーカフェ カノン〜〉。高い天井と大きな窓による開放的な空間で、旅の疲れを癒してくれる。

日差しがたっぷり入る窓辺でのんびり過ごしたい。

日差しがたっぷり入る窓辺でのんびり過ごしたい。

ウッディ調の温もりある店内には、いたるところに絵画が飾られている。どれも三宅島の美しい風景を切り取ったもの。同店のオーナーで画家の穴原甲一郎さんが手がけた作品だ。

かつて三宅島で美術の教員をしていた穴原さんは、自身のギャラリーを持ちたいと常々考えていたという。

2000年噴火の全島避難から帰島後にその穴原さんの想いと、コーヒーを飲めるお店がなかった島にカフェをつくりたいという、娘で現店主の大宜味詩野さんの夢が重なり、2010年にギャラリーカフェというかたちでオープンした。

左から「フローズンフルーツアイス」(500円)、「三宅島産ムロのつみれバーガーセット」(1200円)、「フレッシュスムージー 明日葉ミルク」(470円)。

左から「フローズンフルーツアイス」(500円)、「三宅島産ムロのつみれバーガーセット」(1200円)、「フレッシュスムージー 明日葉ミルク」(470円)。

同店では三宅島の特産品を使ったメニューが楽しめる。一番人気メニューの三宅島産ムロを使用したつみれバーガーは、ふんわりとした魚肉と照り焼きマヨの甘しょっぱいソースが絶妙にマッチ。

明日葉ミルクは、クセのある明日葉をミルクのまろやかさが包み込んでおり、ほのかな甘みもあってとても飲みやすくなっている。アクセントにところてんがゴロゴロと入っているから、飲みごたえも抜群。このところてんは三宅島の天草でつくった自家製。なんと穴原さんが採ってきたというから驚きだ。

フローズンフルーツアイスは、全体的にやさしい味わい。三宅島のパッションフルーツを使ったアイスに、季節のフルーツが楽しめる。

くつろぎの空間で、すてきな絵画を眺めながらひと息ついてみてはいかが。

information

Gallery Cafe Canon〜ギャラリーカフェ カノン〜 

住所:東京都三宅島三宅村伊豆36

TEL:04994-2-1239

営業時間:11:00〜16:00

定休日:月・日曜(時期によって変動)

Web:http://natu07miyake.blog28.fc2.com

3.【泊る】ペンション サントモ巨大なガジュマルが目印の、アットホームなペンション

通りからも目を引く巨大なガジュマルの木が出迎えてくれる。〈ペンション サントモ〉のシンボル的存在だ。

現在のガジュマルは手入れをしている状態。夏場茂ってくると、サントモの門の上を覆い尽くすほどに。

現在のガジュマルは手入れをしている状態。夏場茂ってくると、サントモの門の上を覆い尽くほどに。

2000年の噴火より前は鉢植えサイズだったガジュマルも、軒先に植えたところ、三宅島の温暖な気候のせいか、今や建物を覆うほど立派に成長した。

1979年にオープンした同ペンションは、食堂と別館が併設された和洋室で構成。庭にはハンモックが設置されており、まるで南国に訪れたかのよう。扉を開けばオーナー手づくりの三宅島の貝殻でつくられたインテリアが施設内のいたるところを彩っている。

窓が大きく日差しがたっぷり入る明るい客室。

窓が大きく日差しがたっぷり入る明るい客室。

食堂では明日葉や里芋、刺身や煮魚、焼き魚など、三宅島の新鮮な食材を中心に、島の郷土料理をアレンジした本格メニューを提供する。長く滞在しても毎回違った料理を振る舞う心遣いがうれしい。

リピーターも多く、食堂では宿泊客との交流が自然と生まれている。ここに来れば、島のおすすめスポットやプチ情報などを知ることもできるそう。

アットホームな空間で、オーナーや地元の人とコミュニケーションを楽しみながら明日の予定を決めるのも良さそうだ。

information

ペンション サントモ

住所:東京都三宅島三宅村阿古575

TEL:04994-5-0532

Web:http://santomo15.com

4.【食べる】飲み屋 リターノ乙な一杯で旅の思い出を語り明かそう

「ここはゲストも島民も一緒になって飲みながら語らう“遊び場”」そう話すのは、店主の菊地健一郎さん。

2000年の噴火避難から4年後の2004年、公務員を辞め帰島した菊地さんは、みんなで楽しめる空間をつくりたいという思いから、〈リターノ〉をオープンした。

3席ほどのこじんまりしたカウンターだからこそ、自然と会話が弾む。

3席ほどのこぢんまりしたカウンターだからこそ、自然と会話が弾む。

いつの間にか観光客も島民に混じって笑顔で話している様子があちらこちらで見て取れる。

おすすめのメニューは、菊地さんの親族が経営する〈菊地農園〉で採れた新鮮野菜を使ったメニューの数々。

ベビーリーフのフワッとした歯ざわりと、しっかり甘さを感じる赤カブ、香り豊かなパクチーに、みずみずしいキウイフルーツ。「菊地農園採れたてサラダ」(1000円)は、岩塩とオリーブオイルといったシンプルな味付けでもおいしいのは、フレッシュな素材の味が立っているから。

「地魚のカルパッチョ」「生春巻」「リターノ丼」「気まぐれパスタ」

手前から時計回りに、「地魚のカルパッチョ」(1100円)、「生春巻」(1000円)、甘辛く炒めた豚肉に島野菜を添えた「リターノ丼」(1100円)、「気まぐれパスタ」(1200円)。

生春巻きはサラダに使用している柔らかな食感のリーフが何層にも折り重なって、ふわふわのミルフィーユに仕上がっている。

パスタには採れたてのスナップエンドウがたっぷり使われており、食感のアクセントに。

三宅島酒造の焼酎〈雄山一〉は、華やかで香りがふわっと鼻を抜ける。

三宅島酒造の焼酎〈雄山一〉は、華やかな香りがふわっと鼻を抜ける。

なかでもお酒が進むのは、「島唐辛子大量 イカの塩辛」(500円)。北海道産のイカの塩辛に、菊地農園の島唐辛子の輪切りを和えたもの。島唐辛子のピリリとした辛味が、塩辛のコクとベストマッチ。程良い噛みごたえがある塩辛に、シャキシャキとした島唐辛子の食感が加わり、普通の塩辛とは一線を画す味わいだ。激辛だけどやみつきになるから、これはお酒が進む。お酒が進めば、会話も弾む。

菊地さんは「来てくれたお客さんと関わっていけたら」と話す。カジュアルな雰囲気の中、みんなで気兼ねなく旅の思い出を語らいたい。

information

飲み屋 リターノ

住所:東京都三宅村神着421-5

TEL:04994-2-1245

営業時間:18:00〜(店内の状況次第で変動)

定休日:日曜

Web:https://www.facebook.com/nritano/

5.【体験する】Atelier Fleur Aqua〜アトリエ フルール アクア〜三宅島で咲いた花々をハーバリウムに閉じ込めよう

河津桜が軒先を彩る〈Atelier Fleur Aqua〜アトリエ フルール アクア〜〉では、昨今話題のハーバリウムづくりを体験することができる。

白を基調としたさわやかな外観に、色とりどりの花々が美しく咲き誇る。

白を基調としたさわやかな外観に、色とりどりの花々が美しく咲き誇る。

ジオトレッキングやサイクリングなど、陸の観光は天気によって左右されるが、ここは雨でも楽しむことができるスポットのひとつだ。

店内はカフェスペースも併設しており、花々に囲まれながらほっとひと息つける、居心地の良い空間になっている。

ハーバリウムに使う素材は、三宅島で採れた植物がメイン。春には桜やフリージア、夏はアジサイやブーゲンビリア、秋は島唐辛子やススキと趣向を変えて、冬は海藻を用いる。

どちらもブーゲンビリアで、左が新しく、右が半年以上経ったもの。時間の経過とともに、徐々に色が抜け、葉脈が透けてくるようになるという。変化を楽しめるのもハーバリウムの魅力のひとつ。

どちらもブーゲンビリアで、左が新しく、右が半年以上経ったもの。時間の経過とともに、徐々に色が抜け、葉脈が透けてくるようになるという。変化を楽しめるのもハーバリウムの魅力のひとつ。

ハーバリウムはエタノールで消毒したビンに、ピンセットで素材を詰め、ミネラルオイルを流し込んでつくられるもの。

デザイン性を考慮するうえで大切なのは入れる順番。植物によって浮きやすさが違うためだ。ほかにも素材を絡めるように重ねたり、ミネラルオイルを丁寧に注いだりと、実はいろいろと工夫が必要である。

ちなみに写真左の円柱のビンに入れると素材が大きく見え、四角いビンだと等身大に映るという。ビンの形状選びも重要なようだ。

店の裏で育てているブーゲンビリアを収穫しているオーナーの佐久間通江さん。ピンク色の花びらに見える部分は、花を取り巻く葉(苞葉)。

店の裏で育てているブーゲンビリアを収穫しているオーナーの佐久間通江さん。ピンク色の花びらに見える部分は、花を取り巻く葉(苞葉)。

三宅島の思い出を、三宅島の植物と共にハーバリウムとして詰め込もう。お土産として持ち帰れば、これを見るたび三宅島に想いを馳せることができるから。

information

Atelier Fleur Aqua〜アトリエ フルール アクア〜

住所:東京都三宅島三宅村阿古2185-1

TEL:080-5425-5627

営業時間:10:00〜17:00(土・日曜のみ営業)

Web:https://www.miyakejima.gr.jp/play/atelier-fleur-aqua/

マリンスポーツやバードウォッチングだけじゃない、三宅島のたくさんの魅力に触れたら、自然の恩恵や人との交流のあたたかさを実感できること間違いなし。三宅島をさらに堪能するために、ぜひ参考にしてみて。

information

東京宝島

東京都では、東京の島々が持つすばらしい景観や特産品、文化などの地域資源を磨き上げ、高付加価値化を図ることで、東京の島しょ地域のブランド化を目指す東京宝島事業に取り組んでいます。東京宝島の詳細は、公式ホームページにて。

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Kanami Fujita

藤田佳奈美

ふじた・かなみ●Webデイレクター/編集/ライター。東京生まれ東京育ち、それゆえ地元トークが盛り上がらないのが悩み。『anan web』ディレクター、朝日新聞連載「1万円から始める草食投資」など。現在は『アリシー』で編集長を務める。『新潟のつかいかた』では女子旅の特集担当。Twitter

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Kousuke Matsuki

松木宏祐

まつき・こうすけ●写真家。大阪府吹田市生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、バナナプランテーションに勤務。MOTOKO WORK SHOP2008に参加。木寺紀雄氏に師事し、独立。ファッション、ポートレートなど幅広く活躍するなか、近年はCMやPVなどの映像作品にも参加している。地方の撮影も大好きでいろんな土地に訪れたい。個展『群青』開催、同名の写真集『群青』出版。

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衣装協力:梨凛花