『五千五十水玉紋様皿(動図)』野老朝雄|Asao TOKOLO 2019

野老氏が表現する「青」を用いた有田焼

コロカルでも何度もご紹介している有田焼。17世紀の佐賀県有田町でつくられた日本初の磁器であり、透明感のある白磁の上に、花や草木などの図案が藍をはじめ、赤や緑、黄、紫など色とりどりに、美しく表現されているのが特徴です。高温で焼き締めるため丈夫で、長年人々の間で親しまれてきました。

今回、そんな有田焼と、美術家・野老朝雄(ところ・あさお)氏がコラボレーション。現在、有田焼誕生の地にある〈佐賀県立九州陶磁文化館〉で、野老氏がデザインした有田焼が展示されています。

野老氏は「つなげる」をテーマに、紋様の制作をはじめ、美術、建築、デザインの境界領域で活動している美術家。

単純な形から核となるピースをつくり、それをつなぎあわせたり増殖の法則を考慮したうえで組み立てていく手法で紋様を形成。そのようにつくられた作品には、“ものや人をつなげていきたい”という野老氏の想いが込められています。

主な作品は、大名古屋ビルヂング下層部ファサードガラスパターン、大手町パークビルディングのための屋外彫刻作品、そして言わずと知れた、来年開催の「東京2020オリンピック・パラリンピック」公式エンブレムなど。

オリンピック・パラリンピックのエンブレムとなった作品も、日本の伝統色・藍色を基調に市松模様をアレンジしたもの。野老氏の表現に深く関わってくる色、それが「青色」なのです。

お皿からタイル、立体作品など表現方法はさまざま

『ARITAYAKI RHOMBUS WORKS UNIT』

『ARITAYAKI RHOMBUS WORKS UNIT』

『BABEL』

『BABEL』

『色即是空タイル』

『色即是空タイル』

『福福紋様皿』

『福福紋様皿』

『有田焼瑠璃百段階卍(陰)』

『有田焼瑠璃百段階卍(陰)』

そして今回の展覧会では「青」を主題に、野老氏が新たな有田焼の可能性を探求。

丸い有田焼のお皿の上に紋様を散りばめたものや有田焼でつくったキューブでグラデーションを表現したものなど、シンプルななかに、緻密に計算されたデザインの奥深さを感じられる作品が展示されます。

野老氏の作品は、展示会などで見られる機会も少なく、この[有田×野老]展は非常に貴重な機会となっています。コンセプトの立て方、作品の構築のしかたなど、その丁寧に考察された過程は、私たちに多くの気づきをもたらすことでしょう。

有田焼と野老朝雄、両者がどのように交わったか、ぜひその目で確かめてみてください。

information

[有田×野老]展

開催期間:2019年9月20日(金)〜11月24日(日)

場所:佐賀県立九州陶磁文化館 第1・第2展示室

住所:佐賀県西松浦郡有田町戸杓乙3100-1

営業時間:9:00〜17:00

定休日:月曜日 ※月曜が祝日の場合開館、翌日休み

Web:特別企画[有田×野老]展|九州陶磁文化館

writer profile

Kanae Yamada

山田佳苗

やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。