疫病退散! 博多伝統の縁起菓子で平穏な日々へのご祈念を

博多の夏の風物詩といえば、博多祇園山笠。7月1日から15日の期間で執り行われる山笠は、福岡市内に飾り山(動かない山笠)が公開され、舁き(かき)山(かつぐ山笠)が走り出すと、博多のまちはたちまち熱気に包まれます。

しかし令和2年度は新型コロナウイルスの影響を受け、やむなく延期が決まりました。博多っ子にとって山笠は特別なもの。山笠のために1年を過ごすといっても過言ではなく、無念の夏となってしまいました。

15日のクライマックス追い山の廻り止めの様子。男たちが山を舁(か)く姿は勇しい。

15日のクライマックス追い山の廻り止めの様子。男たちが山を舁(か)く姿は勇しい。

博多祇園山笠は、鎌倉時代(1241年)に博多で疫病が流行した際に、承天寺の開祖・聖一国師が町民の担いだ施餓鬼棚(せがきたな)に乗って、町中を祈祷水をまきながら疫病退散を祈願して回ったことが起源だといわれています。

770年以上続くこの祭りは、福岡市中心部の博多でもごく限られた区域の7つの流(ながれ)を中心として執り行われる、博多総鎮守櫛田神社への奉納神事なのです。

「お櫛田さん」こと櫛田神社に建てられた飾り山。本来は福岡市内に13カ所設置されるが、今年は唯一、櫛田神社境内のみに建てられることに。

「お櫛田さん」こと櫛田神社に建てられた飾り山。本来は福岡市内に13か所設置されるが、今年は唯一、櫛田神社境内のみに建てられることに。

山笠が延期となってしまい、博多のまちはいつになく静かな夏を迎えます。

「祭りのない今年、博多のまちに賑わいや元気を添えたい、山笠見物に全国から来られる予定であった方々へ山笠の気分を味わってもらいたい」

そんな想いから、創業115年を迎える老舗菓子屋〈石村萬盛堂〉では、例年、博多・福岡のみで店頭販売している〈祇園饅頭〉を今年は〈番外・祇園饅頭〉として全国発売することに決定しました。

博多人形師とのコラボで、粋な心づかいも

ほんのりと酒かすの風味が漂う生地で甘さ控えめのこし餡を包んでいる。

ほんのりと酒かすの風味が漂う生地で甘さ控えめのこし餡を包んでいる。

〈祇園饅頭〉は、山笠の時期に博多の各家庭の神棚にお供えされ、家族みんなで食べることで悪事災難を払う風習があります。怪我や病気に打ち勝つための、大切な縁担ぎです。

〈石村萬盛堂〉はこのコロナ禍にある日本全国へ、山笠の起源でもある疫病退散の祈願を込めた縁起菓子を届けます。〈番外・祇園饅頭〉は、現在予約受付中でオンラインストア、または電話注文が可能です。7月1日から順次配送され、15日までの販売期間でなくなり次第終了となります。

今年の〈番外・祇園饅頭〉の包み紙は、特別仕様。〈石村萬盛堂〉に博多人形の名士である中村信喬氏と中村弘峰氏によって描かれた飾り山の下絵をご好意で提供いただき、包み紙に仕立てたのだそう。普段は目にすることのない貴重な下絵を、間近で見られるだけでもワクワクしてしまいます。包みを解いたあと、額装できるようにと、考えられたサイズというところがうれしいですね。手元に置いて、じっくり眺めたいものです。

中村人形三代目 中村信喬氏

中村人形三代目 中村信喬氏

博多人形師によって奉納される飾り山や舁き山の装飾は、言葉にし難い美しさがあります。山笠にみる神聖さは、いつの時代も苦しむ人々の祈りに、山笠の舁き手や職人さん、伝統を受け継ぐ全ての人が寄り添ってきたからなのかもしれません。

〈番外・大黒飴〉8個入:1,000円(税込) “博多の夏の運試し”として、20個にひとつ素焼きの大黒さんの当たり付き。

〈番外・大黒飴〉8個入:1,000円(税込) “博多の夏の運試し”として、20個にひとつ素焼きの大黒さんの当たり付き。

〈祇園饅頭〉とともに紹介したいのが、石村萬盛堂と中村人形とでつくられる〈大黒飴〉。こちらは革新的な博多人形を生み出すことで今注目されている中村人形四代目の弘峰氏デザインによるもので、その親しみやすい絵柄は老若男女の心を和ませてくれます。

「加藤清正・虎・桃太郎・鬼」の飴の絵柄。

「加藤清正・虎・桃太郎・鬼」の飴の絵柄。

こちらは〈番外・大黒飴〉として6月15日より発売を開始しています。

「甘かもんば食べて、元気にならんね!」そんな威勢のいい声が飛んでくるよう。

コロナウイルス感染終息への願いを込めて、博多から全国へ福を広げています。そして博多に再び熱い夏が戻ってきますように。

「おっしょい! おっしょい!」

information

石村萬盛堂

公式サイト:http://www.ishimura.co.jp/

オンラインストア:https://manseido.base.shop/

販売店:石村萬盛堂・お菓子のいしむら各店 ※一部店舗を除きます

電話予約:092-962-5000 

受付時間:9:00〜17:30 日曜・祝日休

writer profile

Mayo Hayashi

林真世

はやし・まよ●福岡県出身。さまざまな職種を経験後、現在はフリーランスのライターとして活動中。デザイン・アートが好きで、作家やアーティストのインタビューを中心に執筆。2020年に地元福岡に帰郷、東京と行き来しながら九州のおもしろいヒトモノコトを掘り起こし発信している。