素人から始めた米づくりも3年目に突入

伊豆下田に移住した津留崎さん一家。移住したら叶えたいことのひとつに米づくりがありました。1年目から手植え、手刈りで米づくりに挑戦してきましたが3年目の今年の田植えは、1年目と比べると大きな違いがあったようです。

移住して、ゼロから始めた米づくり

下田に移住してから始めた米づくりも、今年で3年目となります。すでに梅雨入りしていた6月の中旬、集まってくれた友人たちと共に田植えを行いました。

当日の天気予報は80パーセント雨。そりゃそうだよな……と半ばあきらめていたのですが、なんと時折青空が見えるほど天気が回復。気持ちのよい空の下、無事に田植えを終えることができました。

田植えを終えてみんなで記念撮影

横一列に並んで田植え

泥だらけの子どもたち

1年目と比べると、かなり変化があった今年の田植え。いろいろと感じるのことの多い体験でした。

わが家が米づくりを始めたのは、東京から下田に移住した翌年の2018年。移住する目的のひとつとして「自分たちが食べる米をつくりたい」と思っていたものの、米づくりに関してはまったくの素人。さらに下田に知り合いがいたわけでもなく、縁もゆかりもない土地で田んぼもなかなか借りることができないだろうと思っていました。

そんなとき、友人を通じて知り合ったのが〈南伊豆米店〉を営む中村大軌さん。南伊豆米店では田んぼの手配や必要な整備などをサポートする制度があり、私たちもそれを利用して米づくりを始めたのです。

販売目的ではないので大量につくる必要もなく、農薬を使わずに手植え手刈りでやっています。手間はかかるけれど、その時間を楽しみたいと思っています。

稲穂

土鍋で炊いた新米

とれたての新米を家族で一緒に頬張ると、なんとも言い難い喜びに包まれます。

1年目と3年目の田植えを比べると、大きく変わったのは参加してくれる人の数です。

1年目はわが家を含めて3家族で、大人5人と子ども4人でした。昨年は7家族、大人11人と子ども9人。そして今年は10家族、大人14人と子どもが13人でした。1年目からすると倍以上に増えたのです。

田植えの集合写真

1年目の集合写真。

集合写真も人数が増えてきた

2年目の写真。

さらに田植え参加者が増加

今年の写真(このほか、途中から参加してくれた友人も)。集合写真を見比べると、子どもたちが大きくなってる、いい記念になります。

大人数だとこんなに早い!

思い起こせば1年目、初めての田植えということで不慣れで手つきも悪く苦労しました。1反弱の田んぼを手植えするのに、どれくらいの手間と時間がかかるのかもわからない。とりあえずやってみよう! と大人5人で挑戦しました。

朝から始めて終わったのは日が沈む直前。日が傾き始めた頃、「これ、今日中に終わらないかも……」と全員の胸に不安がよぎりながらも黙々と作業を続けた記憶。なんとかその日中にやり遂げたときは、ちょっと涙が出そうな感動がありました。

昨年は人数が増え、「去年に比べて早いねー!」と驚きました。そして今年、なんと昼前におおかた植え終わるというかつてないスピード感。人が集まるってすごい力を生むんだ……とあらためて実感しました。

大人数で田植え中

漁師の飯田竜さんと夫も作業中

いつもお世話になっている漁師の飯田竜さん。海のプロフェッショナルですが、田植えは初めてということで夫にレクチャーを受けながら初体験。参加してくれる友人のなかにも、下田に住んでいたけれど田んぼに入ったことはない、という方も意外と多いのです。

小さな子どももお手伝い

今年は余裕ができた分、私は写真をたっぷりと撮影させてもらい、みんな焦ることもなく終始なごやかな時間でした。若干の辛さを感じた1年目の田植えも、自分たちにとっては経験できてよかったと思っています。手で植えていくことの苦労を実感することができたからです。

そして年々仲間が増えていき、みんなで和気あいあい楽しみながらする田植えもやはりとても楽しいものです。子どもたちも成長して、かなり働き手として活躍してくれるようになったり、米づくりを通じて自分たちの歴史が刻まれていくんだな〜と、感慨深いものがあります。

田植え作業中の子ども

子どもたちもしっかりと植える

お昼休憩

桶に入ったたくさんのおむすび

作業終了。はしゃぐ子どもたち

田んぼで人とつながる

移住してまだ間もない頃、南伊豆米店の田植えイベントに参加させてもらいました。みんなで一緒に米づくりを楽しむことが目的で、地元の人やその友人たちが集まります(今年は新型コロナウイルス感染防止のため、中止となりました)。

最初にそのイベントに参加した当時、私たち家族は移住したばかりで地元に知り合いもあまりいませんでした。けれど、そのイベントを通じていろんな方と知り合い、その後も連絡をとるような間柄に発展し、さらにその方の友だちともつながったり。

南伊豆米店の田植えイベントは、そうしたきっかけをつくってくれたひとつの出来事でした。

南伊豆米店の田植えイベント

南伊豆米店の田植えイベントにて、記念撮影。

わが家の田植えや稲刈りも年々参加者が増えていて、初めて知り合う人もいます。自分たちの田んぼを通じて知り合い、その後いい縁がつながったらおもしろいな〜、なんて想像しています。それは1年目には想像していなかったうれしいことです。

3年目の米づくりが始まりました。

農道で遊ぶ子どもたち

子どもたちは初対面でもすぐになじむ。「ダルマさんが転んだ!」も大勢だから楽しいね。

お姉ちゃんにおんぶされるちびっこ

初対面のお姉ちゃんにおんぶされて、めちゃうれしそうじゃないか少年。

中村大軌さんと漁師の飯田竜さん

中村大軌さんと、漁師の飯田竜さんも初対面。山のオトコと海のオトコがつながることで、また何かが生まれそう。

田植え終了

無事に田植えが終わってホッとした様子の夫と、大軌さん。

文 津留崎徹花

text & photograph

Tetsuka Tsurusaki

津留崎徹花

つるさき・てつか●フォトグラファー。東京生まれ。料理・人物写真を中心に活動。移住先を探した末、伊豆下田で家族3人で暮らし始める。自身のコロカルでの連載『美味しいアルバム』では執筆も担当。