人と人、まちとまちをつなぐギフトボックス

2020年6月、長野県松本から長野の魅力を詰め込んだギフトボックスを届けるプロジェクト〈旅するふるさと便〉が始まりました。

ギフトボックスの内容は〈Confiturier Chez Momo〉の〈梅とウイスキーのジュレ〉や松本ゆかりの染色家、柚木沙弥郎さんのふきん、〈村山農園〉のりんごジュースなどなど、長野で生まれた、素敵なプロダクトがたくさん。

旅するふるさと便まつもと号

企画・制作を手掛けた本柳寛子さん(ページトップ写真)は、コロナ禍による混乱が続くなか、遠くに住む友人や、松本へ訪れることを楽しみにしていた人たちのことを思い、この企画を考えたといいます。

制作課程を綴ったnoteには、次のようなメッセージが載せられていました。

「信州北アルプスをのぞみ、山からのゆたかな水源や健やかな空気をたっぷりとたくわえ、美しい四季がめぐり、民藝運動とともに歩んできた松本より、わたしが個人的な想いから選んだものたちで“ふるさと便”を編みました。また気軽に旅ができる日が訪れるまで、ひととひと、地域と地域をつなぐ、コミュニケーションボックスになることを願って」

春は桜、夏は新緑が楽しめるピクニックスポット、アルプス公園。

春は桜、夏は新緑が楽しめるピクニックスポット、アルプス公園。

ただいまオンラインショップでは、このふるさと便の“春夏号”が販売されています。さっそく、気になる内容を拝見してみましょう。ギフトボックスは〈アルプス公園〉〈あがたの森〉〈女鳥羽川〉の3種。いずれも、本柳さんが好きな松本のスポットへトリップするような、ピクニックをイメージした構成になっています。

アルプス公園には、オーガニックハーブを使用したアロマオイルやハーブビネガーなどをつくっている〈issou〉の水出しブレンドティーや〈Confiturier Chez Momo 〉の「梅とウィスキーのジュレ」、〈村山農園〉のりんごジュースなどが入っています。

旅するふるさと便 まつもと号 2020SS〈アルプス公園〉3,550円(税込)

旅するふるさと便 まつもと号 2020SS〈アルプス公園〉3,550円(税込)

〈issou〉この春、松本で育ったハーブや野草を丁寧にブレンドした水出しブレンドティー(2種)。

〈issou〉この春、松本で育ったハーブや野草を丁寧にブレンドした水出しブレンドティー(2種)。

南仏でジャム作りを学んだコンフィチュール職人、蒔田友之さんが開いた〈Confiturier Chez Momo〉は、魅力的な店が点在する松本のなかでも、草分け的存在なのだとか。

〈Confiturier Chez Momo〉の「梅とウィスキーのジュレ」梅の酸味にウィスキーの苦みをほんのり効かせた、深みある味わい。

〈Confiturier Chez Momo〉の〈梅とウィスキーのジュレ〉梅の酸味にウィスキーの苦みをほんのり効かせた、深みある味わい。

「蒔田さんのつくるコンフィチュールには、いつも遊び心とその取り合せの奥深さに、ひと口すると小躍りしてしまいます」と、本柳さん。

また、ふるさと便には、市内にある印刷会社〈藤原印刷〉の藤原隆充さんが制作協力したラッピングテープ〈HOME TO TAPE〉が入っています。デザインを手がけたのは、松本市出身のデザイナー、清水貴栄さん。

「HOME TO TAPE」ふるさと便のラッピングにも使用されているテープです。サイズ: 幅5cmx10m巻 660円(税込)

「HOME TO TAPE」ふるさと便のラッピングにも使用されているテープです。サイズ: 幅5cmx10m巻 660円(税込)

藤原さんは本企画の相談役でもあり、本柳さんの思いをかたちにする手助けをしてくれた方です。コロカル でも子どもたちに“おおきな紙”を配るプロジェクトや、『to go MATSUMOTO 』をご紹介したので、記憶に残っている方もいるのでは?

〈藤原印刷〉の藤原隆充さん。

〈藤原印刷〉の藤原隆充さん。

このテープが同梱されているのは、受けとった方がこのテープを使って次の相手へふるさと便を贈ってほしいという願いからだそう。たしかに、誰かにプレゼントを贈ってみたくなりますね。

まつもと号 2020SS〈あがたの森〉5,500円(税込)

まつもと号 2020SS〈あがたの森〉5,500円(税込)

〈あがたの森〉は毎年5月に〈クラフトフェア〉が開催される場所。97歳にして現役染色家の柚木沙弥郎の母校があり、戦後民藝運動とともに歩んできた、松本の文化の発信地でもあるそう。

このボックスには、柚木沙弥郎さんのふきんや、〈栞日〉店主による松本探訪記録集『masterpiece』、田所真理子さんの絵が素敵なポストカード、〈issou〉の水出しブレンドティー、〈Confiturier Chez Momo〉の「梅とウィスキーのジュレ」などが。

松本ゆかりの染色家・柚木沙弥郎さんのふきん「花びん」。

松本ゆかりの染色家・柚木沙弥郎さんのふきん〈花びん〉。

松本探訪記録集「masterpiece」

松本探訪記録集『masterpiece』

「masterpiece」を手がけた〈栞日〉店主、菊地徹さん。松本のまちの空気をつくってきた諸先輩たちを訪ね、聞き書きしました。

『masterpiece』を手がけた〈栞日〉店主、菊地徹さん。松本のまちの空気をつくってきた諸先輩たちを訪ね、聞き書きしました。

〈女鳥羽川〉は、松本の市街地を流れる女鳥羽川を中心とした“水巡り”をテーマにしたギフトボックス。

まつもと号 2020SS〈女鳥羽川〉BOX  6,600円(税込)

まつもと号 2020SS〈女鳥羽川〉BOX 6,600円(税込)

松本には井戸や湧水スポットがたくさんあり、ペットボトルを片手に水を汲みにいくことが日常なのだそうです。

このボックスには、女鳥羽川をイメージして調合された〈issou〉のルームスプレーや、〈RITOGLASS〉のグラス、柚木沙弥郎さんのふきん、湧水マップ「みずまきあるき」などが入っています。

〈RITOGLASS〉の高台グラスと柚木沙弥郎さんのふきん、「まつもと水巡りマップ」(みずみずしい日常)。

〈RITOGLASS〉の高台グラスと柚木沙弥郎さんのふきん、「まつもと水巡りマップ」(みずみずしい日常)。

ふるさと便には、どのセットにも〈HOME TO TAPE〉と“松本のおすすめ”メッセージシートが入っています。メッセージシートや「まつもと水巡りマップ」「みずまきあるき」には「松本旅行のインスピレーションになれば」という思いが込められているのだそうです。

田所真理子さんによるポストカード 活版「雷鳥」。※〈あがたの森〉〈女鳥羽川〉に同梱。

田所真理子さんによるポストカード 活版「雷鳥」。※〈あがたの森〉〈女鳥羽川〉に同梱。

オンライン上のコミュニケーションが増えていくなかで、手触りやぬくもりのある、時間をかけたコミュニケーションを求めるようになったという本柳さん。noteには、次のような言葉が綴られていました。

「このふるさと便プロジェクトを通して、会いに行けない代わりに、想いを贈りあったり、季節のものや自分の住む地域のものを選ぶ時間やプロセスをたのしむきっかけになればうれしい限りです。この世の中、選択肢は無限にあるけれど、そこに“そのひとがいる感じがするもの”とどれだけ出逢えるか、選び取れるか、がモノと向きあうときのわたしなりの指針でもあります。そして、よーくこの先を見据え、ビルドとメンテナンスのバランスを考えながら、健やかな暮らしをめざすことのよろこびのようなものです」

松本がお好きな方、いつか松本に行ってみたいなあという方は、ぜひチェックを。松本がぐっと近くなりそうです。

information

旅するふるさと便

ECサイト:https://home-to-home.stores.jp/

note:https://note.com/hiroco_yanagi

writer profile

Yu Miyakoshi

宮越裕生

みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。