『卓』安川慶一

柳宗悦をも心を向けた氏の功績とは?

木工家・建築家の安川慶一。日本民藝館常任理事、松本民芸家具の製作指導・相談役、日本陶芸展審査員などを務め、民藝界に大きく貢献、富山という地に、民藝運動の意識を根付かせた人物でもあります。

民藝運動の父、柳宗悦の集大成『美の法門』を書き上げた場所でもある、富山県南砺市の城端別院善徳寺。ここには空間そのものが民藝を体現する「研修道場」があり、もともと詰所だった建物を安川氏が改修設計を担当。シンプルで質朴な空間は、今も静謐な空気に満ちています。

現在、〈D&DEPARTMENT TOYAMA GALLERY〉では、そんな氏をテーマにした企画展『安川慶一の仕事展』が開催。多くの功績を残してきたにも関わらず、作家作品や記録資料などが乏しく、今まであまり知られていなかった氏について、この企画展では、三方向からクローズアップします。

氏が集めた貴重なコレクションを特別販売!

第1部『つくる』では、つくり手としての仕事ぶりに注目。木工作品、製作指導を行った松本民芸家具、城端別院善徳寺内の研修道場など、設計や改修を手がけた建築物を紹介しています。

また、木工家・建築家として高い審美眼を持っていた安川氏。それは、民藝運動の父、柳宗悦をも高い信頼を寄せるほどでした。第2部『みる』では、そんな氏の国内外の蒐集品の一部を展示。

安川氏が集めた民藝品の展示販売

第3部『つなぐ』は、国内外で民藝品の買い付け、作家への制作依頼、販売会を独自で行っていた氏が集めた民藝品を特別に販売。人間国宝である濱田庄司や島岡達三、小鹿田焼、苗代川焼など約70年前の貴重な品が並びます。売り上げの一部は城端別院善徳寺 研修道場の改修費用に充てられます。

そのほか、会期中に3回の関連イベントも実施。9月12日(土)には、ナガオカケンメイ氏も同行し、城端別院善徳寺をはじめ、安川氏ゆかりの建築物をめぐるツアー+トークが開催されます。

生涯を民藝運動に捧げた安川氏が、富山という地で成し遂げたかったもの、育んだ美意識とは、一体どのようなものだったのでしょうか。それをぜひ、会場で見て、聞いて、確かめてみてください。

安川慶一の仕事展 開催期間は2020年10月25日(日)まで

information

安川慶一の仕事展

開催期間:開催中〜2020年10月25日(日) ※定休日は毎週月・火曜日

会場:D&DEPARTMENT TOYAMA GALLERY

住所:富山県富山市新総曲輪4-18 富山県民会館1F

営業時間:11:00〜19:00

主催:D&DEPARTMENT TOYAMA、一般社団法人 富山県西部観光社 水と匠

キュレーション:有限会社エピファニーワークス

特別協力:城端別院善徳寺、となみ民藝協会、富山民藝協会、北陸銀行、富山市民芸館、安川家、中田佳男、尾久拓二、尾久彰三、みずはし工芸館

協力:STRIDE、ハマ企画株式会社、株式会社山田写真製版所

Web:https://www.d-department.com/item/DD_EVENT_22185.html

writer profile

Kanae Yamada

山田佳苗

やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。