ジンジャーエールってどうやってつくるか知ってますか? それこそ私は小豆島に引っ越してくるちょっと前まで、ジンジャーエールの「ジンジャー」が生姜ってことにさえ気づきませんでした。気づかなかったというか、ジンジャーエールが何でできているのか気にもならず、ただ少し辛めのおいしい炭酸ドリンクとして飲んでました。
普段何気なく飲んでるジンジャーエール。実は生姜の飲みもの。
実はジンジャーシロップをつくりたくて生姜の栽培を始めました。
いつの頃からか、自分たちが口にするものがどうやってできているのか、どんな素材を使っているのか気になるようになり、できるものは自分でつくってみるように。いまはなんでもかんでも完成品が売られているので、あまり気にせずそういうものとして食べている。
でも考えてみたら、はじめからジンジャーエールっていう液体が世の中に存在してるわけもなく、カレーだって、お味噌だって、いくつかの食材を加工してつくりあげたもの。
ひとつひとつの素材を知って、自分の手でつくるのっておもしろいんですよね。手間と時間はかかるけど、そうやってつくることを楽しめるっていいなと思うんです。
さて、話は戻って「ジンジャーエール」はどうやってつくるか。ジンジャーエールの主役はジンジャー! そう、生姜です。生姜、砂糖、スパイス、レモンなどの柑橘果汁、水を合わせて煮て、ジンジャーエールの素とでもいうようなシロップをつくります。それを炭酸水で割ればジンジャーエールの完成!
ジンジャーシロップの材料。生姜とレモンとカルダモン、ブラックペッパーなどのスパイス。
素材さえそろえれば、つくるのはそんなに難しくないんです。素材の分量や、使う砂糖やスパイスの種類、生姜の切り方などによって味が変わってくるので、それがまた自家製ジンジャーエールの楽しみだったりします。
うちでは生姜を細かくカット(フードプロセッサー使用)してシロップをつくってます。
生姜と水、各種スパイスを鍋に入れて煮ます。
ちなみにイギリスでは1700年代中頃から「ジンジャービア」とよばれる、砂糖、水、生姜、唐辛子などにジンジャー・ビア・プラントという微生物を加えてビンの中で発酵させる飲みものがつくられていて、これがジンジャーエールの原型とも言われています。
生姜の辛味が強い味わいの微炭酸ドリンクで、健康飲料として子どもから大人まで飲んでいたそう。これもいつかつくってみたいなと気になってます。
ジンジャーシロップづくり。レモンなどの柑橘果汁はお好みの量を加えます。
煮た材料をふきんなどを使ってこします。ぎゅっと生姜エキスが出てきます。
できあがったシロップを煮沸した瓶に入れて保存します。いい香りのうちに飲みきりましょ。
この冬、私たち〈HOMEMAKERS〉では、おうちでジンジャーシロップをつくれる〈ジンジャーシロップメイキングキット〉をつくりました。2年くらい前からこういうセットをつくりたいねと話していて、今年ようやく実現。
小豆島で育てた生姜とレモン、それからいつも私たちが使っているオーガニックスパイスが入っています。オリジナルのレシピカードもつくりました。
HOMEMAKERSの〈ジンジャーシロップメイキングキット〉。11月末頃まで販売してます。
オリジナルのレシピカードもつくりました。
このセットでシロップをつくってくださった方から、さっそくこんなメッセージをいただきました。
「ジンジャーシロップつくりました。調理段階からとってもいい香りですでに幸せで。でき上がりはとってもスパイシーでとってもおいしいです。(レモンの)皮がもったいなかったのでシロップ煮込んでいる間にレモンカードつくりました。目も心も幸せな時間でした。ありがとうございました」
つくる時間を楽しんでもらえたらいいなと思っていたのですが、もうまさにそれ以上な感じで、なんだかとてもうれしくなりました。
オリジナルのラベルをつけて自家製ジンジャーシロップ完成!
自分の手でつくることの楽しさや喜びを味わう。あらためて私たちが大切にしたいことだなと感じました。
information
HOMEMAKERS
住所:香川県小豆郡土庄町肥土山甲466-1
営業時間:金曜、土曜のみ 11:00〜17:00(L.O. 16:00)*当面の間は土曜日のみ営業
https://homemakers.jp/
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。https://homemakers.jp/