空き店舗を活用する新たなサービスデザイン

地方の人口減少や過疎化に伴い、日本各地で増加の一途を辿る空き家。日本の一社会問題ともなるこの問題に、今さまざまな企業や団体が新たなアイデアで解決を試みています。

熊本県のデザイン会社「白青社」が空き家を有効活用しようと無人店舗〈マドカイ〉というユニークなサービスを編み出した。

今日ご紹介する、熊本のデザイン会社〈白青社〉が編み出した無人店舗〈マドカイ〉というユニークなサービスデザインもそのひとつ。このマドカイは、空き店舗のショーウィンドウとECサイトを連動させ、オンライン販売を行うと同時に、まちの発展にも貢献するというもの。

〈マドカイ〉を導入したショーウインドウ。熊本の長崎次郎書店がセンスよく活用しています。a href=

〈マドカイ〉を導入したショーウインドウ。熊本の長崎次郎書店がセンスよく活用しています。

歴史的建物や奥に人が住んでいる建物なども、無人でありながら、まちのにぎわいを創出する店舗として蘇ります。

実店舗の建設より何倍も安価

わずか2坪程度の面積があれば、おおよそのショーウインドウの改装が可能。建築許可といった大掛かりな申請も入りません。施工はお好みの設計事務所や工務店などに依頼するかたちです。

商品の横にはQRコードを設置し、商品詳細へと飛ばします。そのページにはもちろん動画や写真を挿入でき、購入のあった商品は後日発送。

これぞまさしくウインドウショッピングです。ショーウインドウを通してネットでものを買う、というのは今までも実現可能な世界観でしたが、こうしてシステムがパッケージングされると社会全体の空き家活用の視点がさらに広がりそうですよね。

まちづくりやしくみづくりを生業とする白青社はこのマドカイを地方に必要な仕組みと考え、すべてのシステムをオープンソース化。実質、費用は施工費、店舗デザイン費、ウェブ制作費のみで、全国どこからでも〈マドカイ〉のサービスデザインを利用することができます。施工費も一般店舗に比べると安価なので、実店舗の改装を何倍もカジュアルに取り組めるシステムといえるでしょう。

2021年度グッドデザイン賞を受賞

やさしい灯をともす〈マドカイ〉を活用したショーウインドウ。マドカイ説明動画(ヤマノテ)

やさしい灯をともすマドカイを活用したショーウインドウ。

そのようなユニークなアイデアが評価され、マドカイは2021年度のグッドデザイン賞を受賞しました。

「空き店舗のショーウィンドウとECサイトを連動させ、リアルとオンラインをハイブリッド化することで、安価かつ効果的に商店街の賑わい創出を可能にする優れたサービスデザインとして高く評価したい」と審査員はコメント。

手がけた白青社は、この受賞を機に、自治体や商店組合、まちづくり団体などに向け、さらなるまちづくりに関するサービス提供を行なっていきたいといいます。

白青社のやさしさが詰まったサービスデザイン・マドカイ。グッドデザイン賞受賞が追い風となって、これから日本各地にユニークなショーウインドウが増えそうです。

information

白青社

Web:マドカイ 公式サイト

writer profile

Kanae Yamada

山田佳苗

やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。