工事完成までの過程や 普段は見られない美術館の裏側を発信中!

広島県広島市にある〈広島市現代美術館〉(通称・ゲンビ)は、1989年に公立として初の現代美術を専門とする美術館として開館しました。

ゲンビは、広島市内を一望することができる比治山の丘陵、桜の名所としても人気の比治山公園内に位置し、先端的な表現を紹介する特別展や、所蔵品から選りすぐりの作品を紹介するコレクション展、ワークショップなどで来館者を魅了してきました。

美術館の建築設計は建築家・黒川紀章氏が手がけ、広島を代表するポストモダン建築のひとつ。建物の素材が地面から高くなるに従って、自然石、磨き石、タイル、アルミと現代的な素材へと軽やかに変わっていく特徴的な外観も人気です。

広島市現代美術館の外観。写真:花田ケンイチ

広島市現代美術館の外観。写真:花田ケンイチ

美術館を象徴するスポットのひとつ、アプローチプラザ。

美術館を象徴するスポットのひとつ、アプローチプラザ。

そんなゲンビは、昨年2020年12月より、改修工事に伴って長期休館中。再オープンは2023年3月を予定し、休館期間は2年3か月間と長期にわたります。

今回のリニューアルは、設計者である黒川紀章氏の思想と意匠を受け継ぎながら、美術館として必要な基本的機能の回復とともに、一部デザインの変更やスペースの新設を行うことで、来客者の多様なニーズに対応していくことが目的とのことです。

事務所を移転して改修工事を行う美術館があるなか、ゲンビは改修工事中も変わらず美術館内で事務機能を継続。スタッフは工事の様子を毎日間近で見ているそう。

この貴重な機会を多くの人たちに共有できればとの考えから、スタッフが工事の様子を記録・撮影し、Instagram(@2021_23_hiroshimamoca)にて発信スタート。「#ゲンビの工事日記」として、日々改修工事の様子をアップしています。

2021年1月18日。工事日記22日目。岡本太郎氏の彫刻作品《若い夢》が移動中。

2021年1月18日。工事日記22日目。岡本太郎氏の彫刻作品『若い夢』が移動中。

2021年1月25日。工事日記29日目。作品たちが大移動中。

2021年1月25日。工事日記29日目。作品たちが大移動中。

お馴染みの所蔵作品たちがクレーン車などの重機によって運ばれていく様子は、まるで新しいアートを見ているかのようです。

2021年2月16日。工事日記51日目。宙を飛ぶ、藤本由紀夫氏の『ECHO(HIROSHIMA)』。

2021年2月16日。工事日記51日目。宙を飛ぶ、藤本由紀夫氏の『ECHO(HIROSHIMA)』。

 

また、普段は入ることができない作品収蔵庫など、美術館の裏側も見ることができるのも注目したいところです。

2021年3月17日 。工事日記80日目。収蔵庫の清掃、点検しながら埃を吸い取っている様子。

2021年3月17日 。工事日記80日目。収蔵庫の清掃、点検しながら埃を吸い取っている様子。

2021年3月17日 。工事日記80日目。収蔵庫の清掃、点検しながら埃を吸い取っている様子。

 

2021年12月現在は、休館からもうすぐ1年。いよいよ館内にも足場が組まれて、スタッフもヘルメットを被り通行しているとか。

2021年12月16日。工事日記353日目。アプローチプラザにもいよいよ足場が組まれた様子。

2021年12月16日。工事日記353日目。アプローチプラザにもいよいよ足場が組まれた様子。

 

残すところ工事の日程はあと1年ほど。2023年3月のリニューアルオープンまで、発信が楽しみです。

Instagramのほかにも、公式noteで、休館中限定ニュースレターも配信中。現在は4号分までまとめて読むことができ、休館中の活動に携わるアーティストらのインタビュー記事も随時公開されています。

また、休館中のPR活動のために誕生した新キャラクター「無題さん」も各所で活躍中。デザインを手がけたのは、地元・広島市育ちの漫画家・イラストレーターである西島大介氏。

休館中の活動をPRするキャラクター「無題さん」。

休館中の活動をPRするキャラクター「無題さん」。

併わせて、美術館ロゴも今だけ変化していたり、休館中ならではのユニークな試みが目白押しです。

工事中の標識をモチーフにしたデザイン。

工事中の標識をモチーフにしたデザイン。

広島市各所で、 展示やワークショップの開催も!

さらに、広島市内の街なかや広島城などで、ゲンビが企画した展示やインスタレーション、ワークショップなど、さまざまなイベントを開催中。

現在開催中のなかでも注目は、ユニークなキャラクターたちが繰り広げるナンセンスな会話が「ネオ漫画」として人気を集める漫画家・横山裕一氏の屋外展示『横山裕一:「実施しろ」「何をだ」』。

作品は、美術館がある比治山公園をはじめ、広島市内中心部の商店街などさまざまなスポットに登場し、2022年3月ごろまで展示予定。インパクトのある大きな媒体で、持ち前のナンセンスな会話を楽しむことができます。

比治山公園編、展示の様子。写真:越智正洋

比治山公園編、展示の様子。写真:越智正洋

比治山公園編、展示の様子。写真:越智正洋

比治山公園編、展示の様子。写真:越智正洋

また、まちなかを走る運送会社のトラックにも漫画作品が! お近くの方は神出鬼没のこの作品も含めて、楽しんでくださいね。

トラックに掲載される巨大漫画。写真:越智正洋

トラックに掲載される巨大漫画。写真:越智正洋

休館中にしかできないさまざまなコンテンツで、楽しませてくれる広島市現代美術館。リニューアルオープンまで残すところあと1年強、今後の活動にも期待が高まります。

もちろん、リニューアル明けも楽しみです!

information

広島市現代美術館

2020年12月〜2023年3月まで、改修工事のため休館中。

住所:広島県広島市南区比治山公園1-1

Tel:082-264-1121(平日10:00-17:00)

Web:【館外で活動中】広島市現代美術館

Instagram:@2021_23_hiroshimamoca

Web:公式note

writer profile

Riho Abe

阿部里歩

あべ・りほ●栃木県出身。「出身は群馬だっけ?それとも茨城?」と覚えてもらえないことが悩み。好きな観光地は四国と別府。旅先での楽しみは、その街の人と話しをすること・伝統工芸品を買うこと。ガイドブックに載っていないようなものを見つけるのも密かな楽しみ。