「古津軽」の物語を探しに

青森県西部に位置する津軽地方。中でも、「津軽富士」と呼ばれる岩木山周辺には、鬼にまつわる伝説や、豊かでもあり厳しくもある自然とともに生きてきたからこその手仕事や食文化が受け継がれています。

津軽地方のシンボル「岩木山」。

津軽地方のシンボル「岩木山」。

「岩木山」に守られるように暮らす、南西部の弘前市・黒石市・平川市・西目屋村・藤崎町・大鰐町・田舎館村、北西部の板柳町・鶴田町で伝えられてきた物語の世界は「古津軽」と名づけられ、これまでもウェブサイトなどで紹介されてきました。

たとえば鬼伝説。津軽平野には、鳥居に「鬼コ」が鎮座している神社が40以上あると言われています。

〈弘前市石川八幡宮〉の鬼コ。後ろ姿のお尻もかわいらしいのでお見逃しなく。

〈弘前市石川八幡宮〉の鬼コ。後ろ姿のお尻もかわいらしいのでお見逃しなく。

津軽では鬼は災いを払う神様のような存在。天災や疫病が集落に入り込まないように守ってくれていたのでしょうか。水害の多かった岩木川流域にこうした神社が見られます。

名刺入れやポーチなど、近年は小物などにもその技術が取り入れられる「こぎん刺し」も「古津軽」の物語のひとつ。

〈弘前こぎん研究所〉とコラボしたオリジナルのこぎんアイテムが揃う弘前市のセレクトショップ〈green〉。

〈弘前こぎん研究所〉とコラボしたオリジナルのこぎんアイテムが揃う弘前市のセレクトショップ〈green〉。

江戸時代、綿の着用を禁じられた津軽の農民が、厳しい冬を少しでも温かく過ごせるよう、麻の布目を埋めるために施したとされる刺し子から生まれた手仕事の賜物で、貴重な古作こぎん(当時の野良着)を実際に手にとり羽織ることができる施設もあります。

弘前市の〈佐藤陽子こぎん展示館〉で、美しい古作こぎんを羽織ることができます。佐藤陽子さんはこぎん作家の第一人者。2010年に施設の展示館を開設しました。

弘前市の〈佐藤陽子こぎん展示館〉で、美しい古作こぎんを羽織ることができます。佐藤陽子さんはこぎん作家の第一人者。2010年に施設の展示館を開設しました。

また、西目屋村が有する世界遺産・白神山地は、「目屋マタギ」と呼ばれるマタギが、自然とともに生きてきた場所。世界遺産登録により、猟や山菜採りができる場所が減っていることから設立された〈白神マタギ舎〉により、マタギ文化や自然とともに生きる知恵を伝えるためのツアーが開催されています。

しきたりを守りながら山からいただく四季の恵みでつくられるマタギの「山のごはん」。〈白神マタギ舎〉のツアーでいただくことができます。

しきたりを守りながら山からいただく四季の恵みでつくられるマタギの「山のごはん」。〈白神マタギ舎〉のツアーでいただくことができます。

「鬼コを探せ!」「マタギの暮らしぶりをたどれ!」「お気に入りのモドコ(こぎん刺しの基本模様)を探せ!」など、こうした「古津軽」を体感できるミッションをクリアすると「オニー」がもらえ、抽選で特産品や「鬼コ」グッズが当たるキャンペーンが、2022年9月16日(金)〜10月23日(日)に開催される〈古津軽ウィーク〉です。

「オニー」とは、「鬼コ」を模したオリジナルのポイント券で、対象の施設で体験や購入を行うともらえます。全部で17種類。「1000オニー」集めると特産品や「鬼コグッズ」が当たる抽選に応募できます。

「オニー」には「古津軽」の「鬼コ」が描かれています。

「オニー」には「古津軽」の「鬼コ」が描かれています。

鬼コ、マタギ、こぎん刺しのほかにも、りんごや温泉、こけしなど、「古津軽」の物語にまつわるミッションが盛りだくさん。より深くまちを知るガイドツアーも企画されています。

この地の守り神でもある愛らしい「オニー」を集めながら、古くて新しい「古津軽」の物語を探しに出かけませんか? ミッション(イベント)の詳細は〈古津軽ウィーク〉のホームページをチェックしてください。

information

古津軽ウィーク

会期:2022年9月16日(金)〜10月23日(日)

web:古津軽ウィーク

web:古津軽

writer profile

Haruna Sato

佐藤春菜

さとう・はるな●北海道出身。国内外の旅行ガイドブックを編集する都内出版社での勤務を経て、2017年より夫の仕事で拠点を東北に移し、フリーランスに。編集・執筆・アテンドなどを行なう。暮らしを豊かにしてくれる、旅やものづくりについて勉強の日々です。