1973年に発表された『飛龍伝』は1974年青山・VAN99ホールで(平田満、故・三浦洋一、等)の出演者3人のみで上演され、80年には紀伊國屋ホールで、つかこうへい3部作の中の1本として上演され、つかこうへいの隠れた名作として愛されています。そして1990年、当時、銀座セゾン劇場のプロデューサーであった岡村俊一との出会いによって、大劇場用にショーアップされた群衆劇へと変貌し上演され、その年、読売文学賞を受賞し、つかこうへいの代表作となりました。

それ以降、『熱海殺人事件』『幕末純情伝』と並ぶ、つか氏の代表的な作品として愛され、これまで幾度となく上演され続けています。これまで『飛龍伝』の神林美智子といえば、名立たる女優たちが憧れ続けてきた大役。そして今回、8代目神林美智子を演じるのは、今、最も活躍するアイドルグループ欅坂46のキャプテン、菅井友香。

また共演には、2016年『新・幕末純情伝』で坂本龍馬役を演じ、2018年19年と『熱海殺人事件』に連続出演したお笑いコンビ「NON STYLE」の石田明。2017年、史上最年少24歳で『熱海殺人事件』の木村伝兵衛の大役を演じ、3年連続の主演を務め、2020年フジテレビ開局60周年ドラマ『教場』では教官と対立する重要な生徒役を演じるなど、期待の実力派味方良介そして、近年のつかこうへい演劇には欠かせない2人に加え、細貝圭、小柳心、久保田創、小澤亮太、須藤公一、大石敦士、吉田智則 などが揃踏み。
2020年新春、再び、つかこうへいの嵐が吹き荒れます。

2020年1月14日(火)、東京都内某所にて稽古場公開が行われました。

【稽古場公開の様子】

定刻になるとつかこうへい舞台作品では御馴染の口上からスタート。
稽古場下手後方から一気に出演者達が雪崩れ込む、怒涛の幕開け。

全共闘のトップとなった委員長、菅井友香さん演じる神林美智子を中心につか作品ならではの、猛烈な熱量で約7分半の嵐のような公開稽古に報道陣も圧倒されました。

公開稽古の後、演出を務める岡村俊一さんより、「つかこうへいさんがお亡くなりになったのが2010年。丁度10年前の事になりますが、正に「飛龍伝2010」という作品を新橋演舞場で上演する稽古の途中に癌が発覚して、稽古の間に治療をしながら病院から稽古に通ってらっしゃったという事がございました。2010年の7月10日にお亡くなりになり、それからあっという間に10年の月日が流れてしまいました。その頃、つかさんはニッポン放送のラジオCMをやってらっしゃった事がありまして、その頃のお仲間や優しい仲間達が集まって、没後十年なんだからつかさんのお祭りをやろうという所から始まっているんです。」と作品の説明がありました。

続いて、出演者によるご挨拶へと進みます。

菅井友香さん「神林m○△□Ф+…すいません。」
石田明さん「神林”噛んだ”???」

菅井さんは「偉大なるつかこうへいさんの歴史ある名作「飛龍伝」で神林美智子を演じさせて頂ける事を本当に嬉しく思います。お稽古を重ねるにつれて、素晴らしい感情と沢山出会っています。その中でこの「飛龍伝」という作品を通して皆さんに何かを感じて頂ける様に精一杯、全身全霊で務めさせて頂きます。」とコメント。

石田さんは「ムードメーカーの石田です。今までにつかさんの作品、「新・幕末純情伝」「熱海殺人事件」「銀幕の果てに」と携わって来まして、ずっと岡村さんに打ち上げの場で「飛龍伝をやらせてくれ!」と言い続けまして、それが念願叶ったという事で、
今年芸歴20周年になるんですけども、その集大成をここでも見せられたらなと思います。」とコメント。

味方良介さんは「石田さんの仰る通り、「新・幕末純情伝」「熱海殺人事件」「銀幕の果てに」を経て、打ち上げの場で「飛龍伝がやりたいんだ!飛龍伝がやりたいんだ!」と岡村さんに言い続けて実現した事もありますし、今ここに並んでいるメンバーは岡村以外、誰もつかさん本人に会った事が無くて、会った事の無い人間達でつかこうへいの演劇というものを蘇らせて亡くなってから10年という時間を経てまた、次の10年に繋がるこの「飛龍伝」という作品でスタートを切れたら良いなと思っております。全力で頑張ります。」コメント。

細貝圭さんは「個人的に6〜7年前に岡村さんを通じて初めてつかさんの作品に出会わさせて頂いたのが「飛龍伝」という作品で、時を経てこの作品に参加出来る事を本当に嬉しく思っております。」とコメント。

小柳心さんは「”小柳心”役を演じさせて頂きます小柳心です。没後十年という事で、以前、「リング・リング・リング」という作品にも携わらせて頂いたんですけども、憧れのつかこうへいの舞台にもう一度立てるというのは本当に誇りに思っています。作品の”奴隷”としてもっと良い作品に仕上げていければなと思います。」とコメント。

小澤亮太さんは「僕が思ったのは勝手事なんですけど、2020年になってねずみ年になったんですよ。僕の役はチュウチュウチューチュー言っていて、何か縁起があるんじゃないかと勝手に思っています。この舞台は絶対に良くなると思います。なので”がんばりまチュウ〜”。」コメント。

石田さん「これ、さっき細貝と彼とで練習していた奴です。」

そして質疑応答の前に菅井さんを8代目神林美智子に起用した理由を岡村さんより解説いただきました。

岡村さん「これは稽古してからの感想になるんですが、普通「真っ白いキャンバス」とかいう言葉を純粋な人に使う事がありますが、菅井さんは”透明”なんですよ。全く色が無い位、透き通る様な透明な人で、演劇とかをやっていると何処か後ろめたい事や、女優さんとかでも色んな背景が有る人がいるんですが、僕は演劇を30年以上やっていますが、本当に透明で純粋なモノを持っている、初めて出会った逸材だと思っていてそれが起用理由です。でそれを、周りのこの凄いヨゴれた奴等が…」

石田さん「ちょっと待って下さい!ウチは”会社が汚れている”だけですからね!」と笑いが起こったところで質疑応答へ進みます。

【質疑応答】

Q:菅井さんはキャスト陣の中で紅一点で、自身にとってこんな状況は
珍しいかと思うが、実際に稽古に入ってどうか?

菅井さん「私はずっと中・高・大と女子校で、欅坂に入ってもやっぱり周りが皆女の子だらけなので、本当に新鮮で、最初は凄く緊張してしまったし、お稽古場の中でのキャストの皆さんの声量とか汗とか、色んな物に動揺している部分もあったんですけど、今はそれが毎日のお稽古の中で落ち着く空間になりつつあって、本当に皆さん優しく色んな事を教えて下さるので今は皆さんから沢山吸収したいなと
新鮮な気持ちで挑ませて頂いています。」

Q:石田さんと味方さんに質問。菅井さんの印象は?

石田さん「誰も言った事無い表現なんですけど、ホントに”透明”なんですよ。神林美智子という役が、一人の女性が凄く変わって行く物語なんですけども、田舎から出て来たばかりの神林美智子そのままやな、という印象というか、何も知らないと言ったら失礼ですが、キレイなままよくココに来てくれたなという感じで。最初は(菅井さんを)見るのも恥かしかったです。照れているのが分かるから。」

味方さん「最初の印象というよりも、稽古を経て「稽古は裏切らない」という事を体現してくれた人かなというのを思っていますね。自分もそうですけど、進化する瞬間って、本番を終えた後や本番中だったりするんですど、ぐっと人が変わった様になった瞬間があって、「この子がアタマにいればこの作品”勝てる”な」と思わせてくれた凄い力強い女性に進化したなという印象です。」

菅井さん、石田さん、味方さん、細貝さん、小柳さん、小澤さんが登壇し、囲み取材へ進みます。

【囲み取材の様子】

Q:8代目神林美智子としての意気込みは?

菅井さん「本当にこのチャンスを頂けると聞いた時には、凄くビックリしたんですけど、偉大な女優さんが演じられて来た大切な役を私も受継いでいける様に精一杯、真摯に向き合って行きたいです。プレッシャーが無いかというと嘘になっちゃうけど、
前向きに頑張りたいなと思っています。」

Q:稽古は大変か?

菅井さん「最初は慣れなくて、皆さんの演技に本当に圧倒されてしまう事が多くて、迫力とか、皆さんが汗や涙を流しながら熱く演じられる姿に私も心が揺さぶられて。その感情を大事に素直に受け止めようと思って挑んでいます。」

Q:殺陣や格闘シーンは?

菅井さん「歌もダンスも格闘も、凄く色んな物が詰まっていて、お稽古は大変な所もあるんですけど、欅坂の活動の中で経験して来た歌や力強いダンスがこの「飛龍伝」に活きている部分もあるので、今までの物を全て舞台に出し切りたいなと思ってます。

Q:菅井さんを見ていてどう思うか?

石田さん「凄く頑張るんですよ。弱音も吐かへんし。日々の進化がえげつな過ぎて、僕等ちょっと焦ってます。一個ヒントを得たらバッコーンッ!!っていって。…そこまでやられたらさ…みたいな。ちょちょちょっ、皆で一緒に行こうという感じ。凄いです。」

味方さん「稽古の序盤では男性陣が引っ張らなきゃという感じが(途中から)引っ張って行ってくれという感じでドンドン先に行っちゃうので、それを僕等が捕まえに行くのが凄く大変だなという。」

石田さん「ギャップが凄いんです。こんなに稽古の事を「お稽古」と言う人が物凄くハードな稽古をするなんてと驚いてます。」

Q:欅坂46のステージと舞台とは何が違う?

菅井さん「今までは与えられた歌詞の中で如何に曲に合わせてダンスで表現していくかという事を一所懸命、学ばせて頂いたんですけど、お芝居は舞台の中で一人の女性をずっと”生きる”というのが、細かい感情を理解するのが凄く難しかったです。稽古をしていく中でまだまだなんですけど、ちょっとずつ、自分の一つの台詞の中に情景とか美智子の過去とかが色々出てくる様になってきて、それを上手く言葉で表現出来る様にしたいなと思っています。」

Q:つかこうへい作品で一番大変な所は何処か?

小澤さん「僕の役は結構コロコロと変わる役なので、その変わる瞬間が一番難しいなと思っています。」

細貝さん「つかさんの作品はセットも無く、本当に肉体と声で全てを届けなければならないので、本当に体が資本なので、本当に体力勝負な舞台で、毎日皆でアップをやって体力作りを始めて、ちゃんとした体力が無いと乗り越えられないのが一番大変ですね。」

小柳さん「一番大変なのは体力であり、それは勿論なんですけど、つかこうへいの作品の中にある「大嫌いって言いながら愛してるって伝える」みたいな奥ゆかしさみたいなモノをしっかりと読み取って行く事とかが大変であり、楽しい所でもあるかなと思ってます。」

味方さん「つかさんが作った作品は兎に角、言葉が強いので、その言葉に呑まれないだけのパワー、体力や声の大きさでは無く、精神力だったりとか、一緒に板の上に居る人を信じて何処まで突進めるかという事が、信じられなくなった瞬間につかさんの作品は終わってしまうので、一人だけが突っ走れば良い訳でも無いし、全員で協力して乗り越えて行かなければいけないその信頼関係を築く難しさだったりとか、体力を含め、総合力が無いと出来ないなというのを感じます。」

石田さん「僕に関してなんですけど、終盤、台詞の息継ぎをする場所が無いんです。「…マジで俺死ぬんちゃうかな…」という位、長いシーンが続くんですよ。マジで”潜水”かというようなシーンが続くんですよ。自分で喋って自分で溺れてるみたいな。そこを駆け抜けるのが結構大変です。僕、つかさんの作品何作も出て来ましたけど、今までで、群を抜いて一番しんどいですよ。それは俺が歳とったのもあるかもしれませんけど。」

Q:この先輩方の話を聞いて、菅井さんはどう思うか?

菅井さん「台詞を見た時に真っ直ぐでは無く、あえて強く言っているところだったりとか、最初はそれだけでも難しかったし、今でも声とかもっと出せる様にならなきゃとか、先ずは滑舌が良くならなきゃとか、普段欅坂の中でも滑舌が良くないと言われる事が多いので、
それを改善しなきゃとか、もっと前の段階から頑張らなければいけないなと思っています。つかさんにはお会い出来なかったんですけど、伝えたかった事とか、美智子の周りを信じる力は物語の中で沢山の人と出会って行く中で一人一人を信じて決断していけたので、
それを重ね合わせて私もお芝居の中でこのチームの皆さんを信じて進んで行きたいなと思っています。」

Q:2019年の「熱海殺人事件」で元欅坂メンバーの今泉佑唯さんが出演されていたが、
つか作品経験者として何か話はしたのか?

菅井さん「お話は出来なかったんですけど、先日、今泉さんの次の出演作の「あずみ」の稽古を覗かせて貰って、殺陣が凄くかっこよかったので、観に行けたら嬉しいなと思っております。」

最後に来場者へ向けてメッセージを。

菅井さん「この「飛龍伝2020」は、ずっとつかさんの作品を愛して下さって来た皆さん、つか作品を知らなかった皆さん、今を生きる全ての方に伝えたい事が沢山詰まった作品です。全身全霊で挑ませて頂きますので、皆さん是非観にいらして下さい。宜しくお願いします。」とコメント。

「飛龍伝2020」はまもなくスタート。楽しみですね。

【ニッポン放送開局65周年つかこうへい演劇祭 - 没後10年に祈る -「飛龍伝2020」公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
東京公演:2020年1月30日(木)〜2月12日(水)
※プレビュー公演:2020年1月29日(水)
大阪公演:2020年2月22日(土)〜2月24日(月・祝)

<会場>
東京:新国立劇場 中劇場
大阪:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール

<公演時間>
未定

<料金>
東京:
S席9,500円 A席7,500円
大阪:
9,500円
(全席指定・税込)
※未就学児童入場不可

<出演者>
神林美智子:菅井友香(欅坂46)

山崎一平:石田明
桂木純一郎:味方良介

細貝圭
小柳心
久保田創
小澤亮太
須藤公一
大石敦士
吉田智則

山田良明
友岡靖雅
草野剛(北区AKT STAGE)
うえきやサトシ(劇団4ドル50セント)
和田慶史朗
岩上隼也
河合健太郎
濱田和馬
江浦優大
河本祐貴
米岡孝弘

<STAFF>
作:つかこうへい
演出:岡村俊一
音響:山本熊久
照明:熊岡右恭
音楽:からさきしょういち
映像:ムーチョ村松
舞台監督:中島武
宣伝美術:山下浩介
宣伝写真:神ノ川智早
協力:つかこうへい事務所
企画・制作:アール・ユー・ピー
主催:ニッポン放送/Y&N Brothers/ミックスゾーン/サンライズプロモーション大阪(大阪公演)

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