東京2020オリンピック聖火リレー開催114日目、2021年3月25日(木)に福島県のナショナルトレーニングセンターJヴィレッジを
スタートしたオリンピックの聖火が、47都道府県を繋ぎきり、2021年7月23日(金・祝)、遂にゴールの地となる
東京都新宿区の東京都庁都民広場へと到着しました。同地にて行われた東京都オリンピック聖火リレー到着式の模様をお伝えします。

【東京都オリンピック聖火リレー到着式の様子】

2021年3月25日福島県双葉郡樽葉町のナショナルトレーニングセンターJヴィレッジを出発する
グランドスタート聖火ランナーのなでしこジャパン Photo by Tokyo 2020

2021年3月25日(木)に福島県をスタートした東京2020オリンピック聖火リレー。約3ヵ月半をかけ、全国46道府県、
約800の市区町村を巡り、約9200人の聖火ランナーが繋いだ聖火。途中、開催地の半数となる
24の道府県で公道での聖火リレーの中止や実施内容変更、走行ルート変更等がありながらも、
2021年7月9日(金)に東京都世田谷区の駒沢オリンピック公園運動場へと到着。
15日間に渡る東京都内での聖火リレーが行われる予定でした。

2021年7月9日東京都町田市の町田シバヒロにてトーチキスを行った東京都第1ランナーの松岡修造さん

しかし7月6日、東京都は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の為、島しょ部を除く
都内全区町村での公道での聖火リレーの中止を発表。公道走行に変えて各実施日のゴール会場である
セレブレーション会場にて点火セレモニーを開催すると発表。
その後各地のセレブレーション会場にてランナー同士のトーチキスで聖火を繋ぐ点火セレモニーが実施され、
公道を走る事が出来ないながらも精一杯点火セレモニーを楽しむ約1200人の聖火ランナー等により
14日間の炎のリレーが脈々と行われ、遂に開催15日目、東京都内最終開催地にして
東京2020オリンピック聖火リレーのゴール地点である東京都庁都民広場へとオリンピック聖火がやってきました。

会場となった東京都庁都民広場

スチール、ムービーを合わせると100台を超える各社のカメラが聖火を待ち構えます

午前中から気温が30度を優に超える真夏の西新宿には、同日20時からに迫った東京2020オリンピック開会式を
目前に東京都内の最終点火セレモニーを伝えようと、駒沢オリンピック公園運動場で行われた
聖火お披露目式に負けず劣らずの77媒体122名が来場。そして聖火ランナーの家族関係者が
待ちに待った晴れ舞台を応援しに駆け付けました。ステージ上や都民広場の側溝部分には
復興のシンボルとして福島県から贈られたという向日葵が配置され、夏らしい雰囲気に。

開式時刻になると、ウエルカムプログラムとして東京消防庁音楽隊約30名による生演奏がスタート。
作曲家、古関裕而の「オリンピック・マーチ」を筆頭に名曲が演奏され、
途中からは東京消防庁音楽隊の女性職員で構成されたパフォーマンスグループ「カラーガーズ隊」が
一糸乱れぬ見事なフラッグパフォーマンスを披露。来場者を沸せます。

T-TR1を活用し、遠隔地から映像参加した第9ランナーの鳥居日万里さん

舞台転換後、いよいよオープニングへ。
MCの合図と共に会場後方の東京都議会棟より新宿区を走行予定であった39名の聖火ランナーが
一列になり名前を呼ばれながら入場。家族関係者からの声援に応えます。
そしてランナー全員が出揃った所で自治体代表者として吉住健一新宿区長より挨拶が。
吉住区長「人と人が心を合わせ力を合わせる事が大きな素晴らしい力を生み出す。
オリンピックは私達に大きな教訓を伝えてくれました。
聖火ランナーの皆様、聖火には多くの人の思いが詰まっています。皆さんの思いが籠った聖火を
皆さんのトーチキスによってアスリートに届けて下さい。アスリートの皆さんが東京2020大会で
人間の限界に挑戦するその姿は新型コロナで困難な状況にある世界中の人々の心に必ずや
光を当ててくれると確信をしています。」

いよいよ東京都内最後となる39名の聖火ランナーによるトーチキスがスタート。
第1聖火ランナーを務めるリオ2016大会で銅メダル2個を獲得したアーティスティックスイミングの
オリンピアン、三井梨沙子さんが吉住区長から点火棒による聖火の点火が行われ、希望の灯が繋がれていきます。

第2聖火ランナーの桑島恵美子さんとトーチキスポーズをする山下会長

第4聖火ランナーの井上福造NTT東日本社長とトーチキスポーズをする山下会長

第3聖火ランナーには山下泰裕JOC会長が登場。自身も選手としてモスクワ1980大会、ロス1984大会に関わった
日本柔道界のレジェンドオリンピアンである山下会長は聖火が灯されたトーチを手にすると嬉しそうな、
そしてまた感慨深そうな表情を浮かべていました。

第9聖火ランナーには中学生の鳥居日万里さんが登場。トヨタ自動車が開発した
遠隔地間コミュニケーションサポートロボット、「T-TR1」により映像参加がなされ、
遠隔地にいる対象者をディスプレイ上に表示し、遠隔地にいながらあたかもその場にいるような
没入体験を叶えるこの装置により、会場に来られない環境でも聖火リレーに参加できる事を実証していました。

第34聖火ランナーの日比野隆司さんとトーチキスをする

ノンストップで39人のランナーにより繋がれていく聖火。ステージ上の聖火皿を背に
10人1グループが扇状に並び、家族関係者に手を振りながら聖火を繋ぎ、思い思いのトーチキスポーズを見せます。

東京都内最終聖火ランナーである中村勘九郎さんのランナー番号

そしてトーチキス開始から約30分後、第4グループに登場したのは歌舞伎俳優の中村勘九郎さん。
新宿区最終第40聖火ランナー、そして1273番目となる東京都内最終聖火ランナーを務める勘九郎さんは、
2019年にNHKで放送された大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」にて、
日本人で初めてオリンピックに出場し、その偉大な功績から「日本マラソンの父」と称された金栗四三を演じ、
称賛を浴びた事は記憶に新しい所ですが、ドラマOA当時の如く、坊主頭に刈上げられたヘアスタイルに
足袋型のシューズを履き、約2年振りに金栗四三が帰って来たと来場者から感銘の声が上がります。
トーチキスポイントに到着した直後の勘九郎さんは組織委スタッフと談笑するなど、
リラックスしていた様子でしたが、いざ、これが16本目となる水素トーチを手にすると
歌舞伎役者の性か、表情が一気に引き締まります。

「私はこれまで歌舞伎俳優として日本の文化・芸能である「歌舞伎」を国内外にお届けできるように
日々取り組んでまいりました。 これからも「歌舞伎」を通じて微力ながら日本の素晴らしい文化や
魅力を世界中へ発信し続けていきたいと思っております。 また昨年、縁あって
日本人初のオリンピアンの一人である「金栗四三」さんの生涯をドラマで演じさせて頂き、
明治から昭和における激動だった日本の歴史、日本のスポーツの起源から変遷、
オリンピックに懸ける方々の熱い想いなど、数多くの事を学ばせて頂きました。
今回、聖火ランナーとして選ばれたならば、この平和の祭典に携わる全ての方々、
そして先人たちへの感謝の想いをもって走りたいです。」
というランナー志望動機を書かれている勘九郎さん。大きな思いを胸に今日を迎えた事が容易に想像できます。

そして第39聖火ランナーで、ブラインドマラソンランナーの八木陽平さんと水素トーチを手にした勘九郎さんが
トーチキスを行い、2人が撮ったトーチキスポーズは「いだてん」のドラマ内で極めて印象的なシーンであった万歳ポーズ。
都民広場に響く大きな拍手を一身に浴びながら一瞬天を仰ぎ、走り出す勘九郎さん。そのランニングフォームは
金栗四三の特徴的な正にそれで、当時、ドラマを見ていたであろう来場者からは”金栗四三の再来”に溜息が漏れていました。

ランナーエリアを大きく往復し、ステージへと向かう勘九郎さん。15日間をかけて都内全域を巡った
東京都のオリンピック聖火リレーのラストを噛みしめている様子。
そしてMCからの合図により、1273名の大きな思いが籠った聖火を聖火皿へと一発点火。
都庁広場中に響く大きな拍手と共に121日間、10,515人で繋いだ東京2020オリンピック聖火リレーがゴールを迎えました。

万感の表情を浮かべる勘九郎さんを称えながら小池百合子東京都知事が挨拶。
小池知事「オリンピック聖火リレーは今年の3月25日に福島県を出発致しました。
聖火は全国の皆様のお力によって全47都道府県をしっかりと一つ一つ繋がれて
7月9日に都内に入りました。そして15日間をかけまして都内全62の自治体でランナーの皆さん
それぞれの思いで、繋いで繋いで繋いで、遂に今日この都内のリレーのゴールであります都民広場に到着を致しました。
そして最終聖火ランナーの中村勘九郎さんは、今日は足袋ですよね。金栗選手は
第一次世界大戦が終わった直後、スペイン風邪を乗り越えてアントワープ1920大会にも出場された選手なんですね。
数多くのアスリートの夢と努力がいよいよ本日開会式を迎えます、東京2020大会にも繋がっていると
考えますと、感慨も一入でございます。世界中のアスリートの皆さんが素晴らしい競技を
繰り広げて頂ける、そんな大会にしていきたいと思います。」

知事の挨拶終了後、登壇者や参加聖火ランナーの記念撮影が行われます。そしてその最中、
12時40分過ぎに東京都内のオリンピック聖火リレーのゴールを祝して北北東の空から都庁上空に現れたのは
航空自衛隊第4航空団第11飛行隊、通称「ブルーインパルス」のチームアルファ6機の飛行編隊。
隊長機を先頭に見事なデルタ隊形で、新宿新都心の超高層ビル群にエンジン音を響かせながら
都民広場からの大歓声に応える様にオリンピックシンボルの5色のカラースモークの尾を引きながら2度、都民広場上空を通過します。

そして時刻は12時48分過ぎ、1964年10月10日の東京1964大会の開会式以来、約57年ぶりとなる
東京の空、都庁上空にてカラースモークによるオリンピックシンボルが描かれました。

2021年7月21日に行われた都内展示飛行のリハーサルフライト

2021年7月21日に行われた都内展示飛行のリハーサルフライト

都庁直上でオリンピックシンボルを描くブルーインパルスの各機

昨年3月20日、宮城県東松島市の航空自衛隊松島基地にて行われた聖火到着式にて
オリンピックシンボルを描く展示飛行を披露したブルーインパルス。
しかし、当時東北新幹線が一時運転を見合わせる程の強風が東松島市に吹き荒れていた為、
折からの風にカラースモークが流され、無情にも五輪の円が保持できずに成功とはならなかったのですが、
今回はその時のリベンジという意味も大きいのか、都庁上空にチームアルファが差し掛かると
一斉に機体を大きく傾けてカラースモークを噴出。一周約30秒余りで円を完成させました。
今回も無風下では無かった為、五輪の円の描きはじめの部分が少し掠れ気味とはなりましたが、
一周を繋げる事に成功し、都民広場からの大きな拍手が彼等への評価を物語っていました。

都内各所で展示飛行を行ったブルーインパルス 画像提供:コンフェティ読者

都内複数個所にて展示飛行を行ったブルーインパルス 画像提供:コンフェティ読者

都内各所で展示飛行を行うブルーインパルス 画像提供:コンフェティ読者

そしてブルーインパルスは都庁上空の他にも、JR東京駅、東京タワー、東京スカイツリー、
国立競技場の各都内上空で計約15分間の展示飛行を行い、都民から大きな称賛がおくられています。

聖火リレー関係車両が並べられた都庁通り

幾多のランナーを先導したカメラカー

到着式終了後、都庁通りには、114日間に及ぶ東京2020オリンピック聖火リレーで
全国津々浦々を各地の聖火ランナーと共に巡った聖火リレーの関係車両が展示され、
約2000㎞に及ぶ聖火の旅の終わりを感じさせました。

聖火到着式が終了し控室へと戻る聖火ランナー

121日間、全47都道府県を10,515名のランナーが繋いだ東京2020オリンピック聖火リレー。
残すは開会式が行われるオリンピックスタジアム内での走行のみとなりました。

【東京都オリンピック聖火リレー到着式開催概要】

<日時>
2021年7月23日(金・祝)11:10開始

<会場>
東京都庁都民広場

<観覧者数>
非公表

<報道媒体数>
77社121名(ペン記者を含む)

<参加ランナー数>
40名(内、遠隔映像参加者1名)

<登壇者>
小池百合子:東京都知事
六代目中村勘九郎:歌舞伎俳優
山下泰裕:公益財団法人日本オリンピック委員会会長
三宅しげき:東京都議会議長
本橋ひろたか:東京都議会副議長
吉住健一:新宿区長
多羅尾光睦:東京都副知事
清水洋文:消防総監

『演奏・パフォーマンス』
東京消防庁音楽隊:約30名
カラーガーズ隊:14名

MC:円城寺佳子

【東京2020オリンピック聖火リレー東京都開催概要】

東京2020オリンピック聖火リレーの公式サイトはこちら

<日時>
DAY1:2021年7月9日(金)13:00スタート
DAY2:2021年7月10日(土)15:00スタート
DAY3:2021年7月11日(日)14:30スタート
DAY4:2021年7月12日(月)13:30スタート
DAY5:2021年7月13日(火)15:00スタート
DAY6:2021年7月14日(水)13:00スタート
DAY7:2021年7月15日(木)10:15スタート
DAY8:2021年7月16日(金)9:00スタート
DAY9:2021年7月17日(土)14:00スタート
DAY10:2021年7月18日(日)13:00スタート
DAY11 :2021年7月19日(月)14:00スタート
DAY12:2021年7月20日(火)13:00スタート
DAY13:2021年7月21日(水)14:00スタート
DAY14 :2021年7月22日(木)14:00スタート
DAY15:2021年7月23日(金・祝)11:50スタート

<会場>
DAY1:町田シバヒロ
DAY2:富士森公園
DAY3:瑞穂ビューパーク競技場
DAY4:TACHIKAWA STAGE GARDEN
DAY5:国立療養所多磨全生園
DAY6:東京競馬場
DAY7:三宅村・神津島村・新島村(新島)・新島村(式根島)・利島村・大島村(※1)
DAY8:御蔵島村・八丈町・青ヶ島村・小笠原村(父島)・小笠原村(母島)・調布市・三鷹市・武蔵野市(※2)
DAY9:練馬総合運動場公園
DAY10:東京都中央卸売市場足立市場
DAY11:南千住野球場
DAY12:中央区立浜町公園
DAY13:品川区立しながわ中央公園
DAY14:港区立芝公園
DAY15:東京都庁都民広場
※1:DAY7第6区間大島村は公道での聖火リレーに変えて仲の原園地にて点火セレモニーを実施
※2:DAY8第6・第7・第8区間の調布市、三鷹市、武蔵野市は公道での聖火リレーに変えて武蔵野陸上競技場にて点火セレモニーを実施
また、調布市はDAY7第1区間からDAY8第6区間に変更

<ランナー数>
1273名(15日間合計。内、車いすランナー25名(介助者を除く)

<走行距離>
不明

<実施体制>
主催:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
共催:東京2020オリンピック聖火リレー東京都実行委員会

【東京2020オリンピック聖火リレー開催概要】

<実施都道府県数>
全国47都道府県

<実施日数>
114日(移動日を含めると121日)

<総聖火ランナー数>
10,515人(DAY1〜DAY114までの合計人数。開会式内ランナーを含まず)

<総走行距離>
約2,000㎞

<使用聖火トーチ本数>
約1万本(水素トーチ16本を含む。開会式内ランナー使用分を含まず)

©Tokyo 2020