東京2020組織委員会(以下、組織委)は、2021年8月17日(火)、東京2020パラリンピック聖火リレー
(以下、パラ聖火リレー)を静岡県にて開催しました。当日の様子をお伝えします。

【静岡県集火式の様子】

2021年3月25日福島県双葉郡樽葉町のナショナルトレーニングセンターJヴィレッジを出発する
東京2020オリンピック聖火リレーグランドスタート聖火ランナーのなでしこジャパン Photo by Tokyo 2020

2021年3月25日(木)〜2021年7月23日(金・祝)に行われた東京2020オリンピック聖火リレー。
聖火は全国47都道府県巡り、10,515人(開会式内走行ランナーを含まず)の聖火ランナーが
聖火を繋ぎ、開会式にて最終聖火ランナーのプロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手が聖火台に点火。
約4か月に渡った聖火の旅を終えました。

そして約2週間のオリンピック開催期間を経て8月12日より、8月24日に東京都新宿区の
オリンピック・スタジアム(国立競技場)にて行われる東京2020パラリンピックの開会式までの
移行期間に行われるのがパラ聖火リレー。
「ShareYourLight/あなたは、きっと、誰かの光だ。」をコンセプトに行われる14日間に渡り
行われるこの一大イベントは、8月12日より全国各地の880ヵ所超の市区町村にて
(早い所では7月後半より実施)独自の方法にて聖火リレーの炎を作り出す「採火式」が行われ、
その炎を各都道府県の一か所に集結させて一つにまとめた火を自治体の聖火とする「集火式」や、
各都道府県の聖火を開催都市の東京都へと送り出す「出立式」が行われています。

東京2020パラリンピックの競技開催都県である静岡県。8月25日〜8月28日には、
伊豆市の伊豆ベロドロームにて自転車のトラック競技、そして8月31日〜9月3日には、
小山町/富士スピードウェイにて自転車のロード競技が開催される、
自転車競技の聖地がパラ聖火リレーの最初の開催地となりました。

17日の午前10時30分より、静岡市清水区の日本平夢テラスにて集火式が行われました。
会場にはこの日の朝方に県内の全35市町にて採火された炎納められたランタンが
各地の代表者と共に関係者エリアに鎮座しています。
最初に7月3日に熱海市内にて発生した大規模土石流災害の被害者を哀悼し黙祷が捧げられます。

次に出席者を代表し、川勝平太静岡県知事が挨拶。
川勝知事「今日ここで集火されるのは静岡県における希望の火であります。
この希望の火を見ながら世界中のパラリンピアンが自らの訓練と努力と精進の証を
パラリンピックにおいてお出しになられます。それは世界中の、そして静岡県の
障がい者の方々に大きな大きな希望と励ましを与える事は間違いありません。
健常者も障がい者も同じ様に生きられる共生社会を象徴するイベントが東京パラリンピック大会です。
この希望の火が静岡の火として世界中の人々の希望の火に繋がります様に祈念いたします。」

そしてステージ上の川勝知事を中心に35市町の代表者が大きなUの字型に整列し、
各人が胸の前にランタンを掲げると、ステージ上の聖火皿に聖火(静岡県の火)が点火されます。
聖火がランタンに収められるとスペシャルゲストとして、地元静岡市清水区出身の落語家、
春風亭昇太さんが登壇。川勝知事よりが納められたランタンが昇太さんへと手渡され、
昇太さん「静岡県内35の市町から集められましたこの火を県民の心として
パラリンピックの成功を願いながら出発していきたいと思います。」と挨拶し、
県内各所をで展示を行う「聖火ビジット」へと出発していきました。

【LIXIL 東京2020パラリンピック スペシャルイベント】

17日午後からの静岡県内パラ聖火リレーの開始に先駆け、今回のパラ聖火リレーの
最上位スポンサーであるプレゼンティング・パートナーを務める住宅設備機器メーカーのLIXILが
静岡市駿河区のLIXILショール―ム静岡にてイベントを開催しました。

義足装着の実演をする佐藤圭太選手

イベントには布村幸彦組織委副事務総長と、この日のパラリンピック聖火リレー最終区間の
浜松市で行われる出立式に静岡県代表として出席する、藤枝市出身でリオ2016パラ大会にて
男子4×100mリレー(T42-T47クラス)にて銅メダルを獲得し、T66クラスでの100mおよび200mの
アジア記録保持者である陸上短距離のパラリンピアンの佐藤圭太選手が登壇。
自身が使用する義足に関するエピソードやLIXILが全国の230を超える小中学校で行っている
スポーツ義足体験授業(ユニバーサル・ラン)の講師として佐藤選手が訪れた訪問先の1校である
東京都足立区の千寿本町小学校の児童からの寄せ書きが披露されました。
続いて、東京2020パラリンピックマスコットのソメイティがパラ聖火リレーの聖火ランナーが使用する、
LIXILが原材料提供社となった桜ピンク色のトーチを持って登場。佐藤さんを激励します。
そして、集火式で川勝知事よりランタンを預かった春風亭昇太さんが登場。
パラリンピック聖火リレーの聖火ランナーへの応援メッセージとして
「パラリンピックの成功を願いながら、夫々の思いを乗せて走って頂ければと思います。
一応、私も走りませんか?というお話をいただいていたんですが、諸事情で走れなくなりまして。
なので僕の思いも乗せて走って頂ければと思います。頑張って下さい」とエールを送られました。

イベント終了後の囲み取材において、佐藤選手は自身の出場種目以外に注目している競技は?との問いに
「オリンピックがあれだけ多くのメダリストを輩出して、とても良い成績を収められていて、
僕自身もテレビで見ていて凄くカッコいいなと思いましたし、日々スポーツを楽しませて頂きました。
パラリンピックもこれまでと違い、どんどんと競技性が上がっていて一スポーツとして楽しめる部分というのは
とても多くなってきているかなと思います。そういう意味で、またオリンピックの時の様な
「楽しいな」という日々をまたこれから2週間ほど続くと思うと凄い楽しみですし、
僕のやっている陸上競技という物に特に注目して観ていきたいなと思います。」とコメント。

(左から)LIXIL東京2020オリンピック・パラリンピック推進本部長佐竹葉子さん、佐藤圭太選手、春風亭昇太さん、
布村幸彦組織委副事務総長、東京2020パラリンピックマスコットのソメイティ

35市町の思いが詰まった静岡の火を手にした感想を問われた昇太さんは
「多くの町や市の皆さんが灯したこの火が一つになって、川勝知事がらお預かりしたんですが、本当に責任を感じました。」
と話され、東京2020パラリンピックはどんな大会になって欲しいか?との問いには
「パラリンピックは見ているだけで競技の種類関係無く、背筋が伸びる感じがするんですよ。
パラアスリートの皆さんを見ていると、なんというか、見ているだけでも素晴らしいなと
思ってしまうので、普段の自分を凄く反省しているんですよね。
皆さん、自分の実力を発揮出来る様に頑張って貰いたいなと思います。」と思いを語られました。

【東京2020パラリンピック聖火リレー静岡県 点火セレモニー&聖火リレー、出立式】

14時より、浜松市の四ッ池公園陸上競技場にてパラ聖火リレーの点火セレモニーが、
19時45分頃より県内最終区間となる第4区間の浜松市の聖火リレーが行われました。

今回のパラ聖火リレーが東京2020オリンピック聖火リレーと最も異なる点が、
リレー当日に初めて出会う3人の聖火ランナーが3人一組となって走行をするという事。
事前応募したランナーは組織委によって3人一組へとマッチングをされ、
各区間を3本のトーチと共に聖火を繋ぎます。パラリンピック聖火リレーでは、
最初のリレー開催地となる静岡県。当初、熱海市・静岡市・御前崎市/菊川市・浜松市の5市内、
約6.9㎞の公道区間と約600mの競技場内の計約7.5㎞の道のりを127人の聖火ランナーが走行を予定していましたが、
熱海市は7月3日に発生した大規模土砂災害の被害を鑑み、静岡市内は新型コロナウイルス感染症の
感染拡大状況を鑑みて公道を使用してのリレーが中止となり、公道走行に変えて第4区間の
浜松市のリレー会場である四ッ池公園陸上競技場にて聖火ランナーが100m程走行し、
聖火皿までのトーチキス(聖火の受け渡し)を行って聖火を繋ぐ点火セレモニーが行われました。

陸上競技場入口にはポルトガル語と日本語が併記された看板が。

走行後に記念集合撮影をする第2区間の静岡市を走行予定だったランナーの皆さん

浜松市は東京2020パラ大会におけるブラジル代表選手団の事前合宿地として、
全国の自治体でも最多となる14種目約400人の選手・関係者を受け入れており、
四ッ池公園陸上競技場も陸上競技のが合宿会場として100人を超えるブラジル代表パラ選手が
練習を行っています。その競技場の400mトラックを4つのスロット(走行区間)に区切り、
熱海市、静岡市内を走行予定であった15スロット50名の聖火ランナーが家族関係者の
観客スタンドからの応援を背に聖火を繋ぎます。3名の聖火ランナーが一緒に並走し、
またトーチキスも3人が同時に行うという東京2020聖火オリンピックリレーとはまた違う、
ダイナミックな走行が印象に残る点火セレモニーとなりました。

(左から)第3区間御前崎市/菊川市の第1スロットを走行する飯塚翔太選手、鹿島紳一郎さん、大澤信陽さん Photo by Tokyo 2020

そして、18時10分頃からは第3区間となる御前崎市と菊川市での聖火リレーがスタート。
静岡県内では熱海市が土石流災害により、静岡市が新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、
そして他の東京2020パラリンピック競技開催地の千葉県、埼玉県、および開催都市の東京都が
新型コロナウイルス感染症感染拡大よる非常事態宣言の発令に伴い、予定されていた
公道を使用してのパラ聖火リレー開催を断念した為、御前崎市と菊川市に跨る約4.1㎞のルートが、
今回のパラ聖火リレーで全国唯一となる公道走行での実施となりました。

第2スロット走行ランナ―の沖瑞葵さん(左端)、佐川毅さん(左から3人目)、青柳忍さん(左から5人目)と
トーチキスポーズを取る第1スロットランナーの3人 Photo by Tokyo 2020

日中から断続的に降っていた雨も上がり、67名の聖火ランナーが第3区間を駆け抜けます。

組織委スタッフより自身のトーチに聖火が点火される飯塚翔太選手 Photo by Tokyo 2020

第1スロットとなる浜岡福祉会館前には御前崎市出身でリオ2016大会の男子4×100mリレーで
銅メダルを獲得し、ロンドン2012大会より夏季3大会連続出場で東京2020オリンピックでは
男子200mの代表となった陸上競技のオリンピアンの飯塚翔太選手が登場。

(左から)第3区間最終第23スロットを走行するランナーの牧野優子さん、翠川恵さん、佐々木隆志さん Photo by Tokyo 2020

走行後の囲み取材において飯塚選手は「この状況の中で公道を走らせて頂いて本当に有難く思います。
競技場で走られている方もいるので、その方の分も気持ちをもって走らせてもらいました。
今日は本当に御前崎も地元の地元で、自分が育ったこの町で、地元で聖火リレーをさせて頂いて
有難い気持ちでいっぱいですね。特別な思いを持って走らせて頂きました。
僕の人生でも掛け替えのない宝物の時間になりました。」と語っていました。

第四区間の走行開始前にステージにて披露された実行委員会プログラムの静岡県立横須賀高郷土芸能部の「三社祭礼囃子」

19時50分頃からは県内最終区間となる第4区間浜松市のリレーがスタート。
3組9名の聖火ランナーが日が落ち、照明やピンスポットが照らし出す四ッ池公園陸上競技場の
トラックをゆっくりとした足取りで駆けていきます。スタンドで観覧する家族関係者、
及び事前応募に当選した観覧者にはLIXILより光る応援グッズが手渡され、ボンボンと叩く音が観客席から聞こえていました。

第1スロットランナーのトーチへと点火される聖火

(左から)第一スロットを走行するランナーの早瀬紀美子さん、中村英倫さん、河合恵斗さん

第一スロットランナーの3名を応援する家族関係者

(左から)第2スロットランナーの小松紗季さん、袴田裕之さん、松江ガブリエリさん

僅か3スロット、距離にして約600mという短いリレーですが、県内最終区間という
大役を背負う9組は笑顔の中にも緊張が隠せない様子。

第2スロットランナーとのトーチキスをする直前の第3スロットランナーの3名

そして静岡県内127名の聖火ランナーの最後を飾るのは、浜松市出身で障害者施設を設立し活動されている家入久志さん、
菊川市出身で視覚障害者伴走を15年以上務めてパラ大会へも出場したキムさん、
大阪府池田市出身で元ボクシングスーパーフェザー級アジアチャンピオンであり、
妻の好川菜々さんとは日本初のボクシングチャンピオン夫婦という野上真司さんの3名。

公式カメラに向かってトーチキスポーズをする第2・第3スロットランナーの6名

ステージ前のトラック上に一列に並んだ3名は第2スロットのランナーより
3人同時にトーチキスを行い、スタンドの声援報道陣のスチールカメラのフラッシュを浴びながら、
トラック上をひた走ります。そしてフィールド内のルートを通り、ステージ上に設置された、
桜ピンク色の聖火皿へと、登壇者の出野勉静岡県副知事や、鈴木康友浜松市長、
そして観覧席の家族関係者が見守る中、20時5分過ぎにパラ聖火リレー初の聖火皿への点火が3名により行われました。

(左から)野上真司さん、キムさん、家入久志さん

走行を終えた直後の3名にMCが率直な感想を問うと、
家入さん「先程、雨が激しく降った時には前倒ししてスタートしてくれないかなと思いながら。
走り出したら無我夢中で嬉しい気持ちで胸がいっぱいです。今日は機会をお与え頂きありがとうございます。」
キムさん「(拍手の応援が)とても温かくて、トーチは重かったんですけど、
でも皆さんに励まされて、頑張って繋げる事が出来ました。」
野上さん「私的にも、皆さんもそうだと思いますけども、本当に一生に一度の機会だと思いますし、
皆さんで繋いだ尊い炎だと思いますので、皆さんもこの瞬間を噛みしめて楽しんでください。」
と夫々、感想とメッセージを話されました。

家入久志さん

キムさん

走行後の囲み取材にて家入さんは県内最終聖火ランナーという大役を果たした感想として
「正直、ほっとしています」「トーチキスをした瞬間、聖火に重みを感じ、
静岡の火の重さを感じました。」と話し、キムさんは「思ったよりもトーチが重くて、
皆さんが繋いで来た思いもあり、二重の意味で重さを感じていました。
最後に聖火皿へと点火出来て、「これがいよいよ東京に持っていかれるんだな」と思うと、
感慨深いものがありました」と、聖火の重みを感じられていました。
そして東京2020パラリンピックはどんな大会になって欲しいかとの問いには
家入さん「ここに来るまでに並々ならぬ努力をされてきた結果としてこの大会に
出場出来る機会に恵まれたと思います。その努力が花が咲く様に一人一人が輝ける
大会になると良いなと思っています。」
キムさん「色々と情勢的にやるべきかやらないべきかと言われているんですけど、
今回、北京の時に一緒に出ていた仲間も出場するので、そういった選手達の日頃の様子を見ると
ブラウン管には写らない努力というのを感じるので、そこに一生をかけてきています。
なので、彼らの努力の成果が発揮されて、それを皆さんがみて感動して貰えれば、
そんな大会になって欲しいなと思います。」と大会への思いを話されました。

【出立式】

走行後に記念集合撮影を行う第4区間走行の聖火ランナーの皆さん

聖火リレー終了後、ステージ上にて聖火皿に灯された聖火をランタンに格納し、静岡県の火として、
8月20日夜に東京都港区の迎賓館赤坂離宮にて行われる集火式へと送り出す出立式が行われました。

中々ランタンに点かない聖火に悪戦苦闘する佐藤選手と出野副知事

東京2020オリパラ聖火リレー静岡県実行委員会を代表し、出野副知事と鈴木市長の挨拶の後、
佐藤圭太選手が日中のLIXILのイベントに続いて登壇。鈴木市長よりランタンが佐藤選手に手渡され、
聖火皿から聖火を点火棒にてランタンに移そうとしますが…、雨上がりの四ッ池公園に吹き荒れる強風により、
ランタンへの点火が思うようにいかず、出野副知事と佐藤選手は10回以上、時間にして約7分近くも
組織委スタッフや関係者と悪戦苦闘しながら点火を試み、漸く点火に成功。佐藤選手より出立宣言がなされます。
佐藤選手「本日、静岡県内の35市町で生まれ、静岡県民の皆様の思いを乗せたこの東京2020パラリンピックの聖火を
静岡県代表として、開催都市東京都に送る出立を宣言いたします。」

35の市町から採火され、127名の聖火ランナーが繋いだ静岡の火。聖火リレーは18日に千葉県、19日に埼玉県で行われた後、
20日夜に47都道府県の火とイギリス・ストークマンデビルからの火と一つにされ、東京2020パラリンピック聖火となります。

【東京2020パラリンピック聖火リレー静岡県開催概要】

東京2020パラリンピック聖火リレーの公式サイトはこちら

<日時>
2021年8月17日(火)14:00スタート

<会場>
熱海市(※1)・静岡市(※2)・御前崎市/菊川市・浜松市
※1第1区間熱海市は7月3日に市内で発生した土石流災害により市内でのリレーを中止し、
第4区間の浜松市内の四ッ池公園陸上競技場にて点火セレモニーを実施。
※2第2区間静岡市は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、公道でのリレー開催を取りやめ、
第4区間の浜松市内の四ッ池公園陸上競技場にて点火セレモニーを実施。

<ランナー数>
127名(内、車椅子ランナー10名)

<走行距離>
約4.7㎞(点火セレモニーの走行距離を加えると約6.2㎞)

<実施体制>
主催:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
共催:東京2020オリパラ聖火リレー静岡県実行委員会

©Tokyo 2020