つかこうへいの命日にあたる7月10日、今年は十三回忌を迎えました。2010年、
演劇界の巨星が宇宙に旅立ってから既に12年の時が流れ、最後の追悼公演となる今年
「つかこうへい Lonely 13 Blues」と銘打ち、ホームグラウンドである紀伊国屋ホールで
「蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く」と「初級革命講座 飛龍伝」の連続公演を上演。
1973年に発表された『飛龍伝』は 1974年青山・VAN99ホールで(平田満、故・三浦洋一、等)の
出演者3人のみで上演され、80年には紀伊國屋ホールで、つかこうへい3部作の中の1本として上演され、
つかこうへいの隠れた名作として愛された作品。そして、1990年、当時銀座セゾン劇場のプロデューサーであった
岡村俊一との出会いによって、大劇場用にショーアップされた群衆劇へと変貌し上演され、
その年、読売文学賞を受賞し、つかこうへいの代表作となりました。

注目のキャストは機動隊員山崎に「新・熱海殺人事件」ラストスプリングで鮮烈な印象を残し、
いまやつかこうへい演劇の中心人物となった高橋龍輝、ヒロイン小夜子に幾多の候補の中から選ばれた
期待の新人佐々木ありさ、そして、元革命家の闘志、熊田に元北区つかこうへい劇団2期の重鎮吉田智則
そして、9期のエース久保田創が追悼公演の最後を飾ります。また、「初級革命講座 飛龍伝」の終演後には、
没後12年を振り返り、毎公演ゲストを迎えてのトークショーを繰り広げます。

2022年7月21日(木)、7月23日からの公演に先立ち、東京都新宿区の紀伊國屋ホールでの通し稽古の取材が許されました。

【あらすじ】

激動の70年、機動隊のジュラルミンの盾を打ち破った伝説の石「飛龍」の投げ手、
元全学連の闘士・熊田留吉は、今は挫折し、国が作った挫折公団アパートに住んでいる。
そして、石売り娘をする嫁が拾ってくる石を磨く毎日である。
その熊田のもとに、今日もかつての敵、元機動隊の山崎監査員が訪れて来る。
山崎は、熊田が今も革命の志を捨てず、国家権力に対する憎しみを鬱積しているのではないかと、
何かにつけてカマをかけてみるのだが、熊田の生活ぶりからは革命どころか、
挫折しざるを得なかった人間としての悲壮感さえも感じられない。
「熊田、お前は優秀な活動家だった。忘れたとは言わさんぞ。
佐世保での、波を包み込まんばかりのシュプレヒコールを。もう見られないなんて、
俺たちは思いたくないからね。フロントの右端は、今でも、おまえのものなんだよ」
山崎の叫びにも、今の熊田には虚しく響くだけである。
熊田には、「飛龍」を継がせると決めた一人息子がいた。
しかしその姿も、今はない。健気に支えていこうとする嫁がいるだけである。
熊田が前線に復帰する日は、果たして来るのだろうか…。
1973年に作品が発表され、続く1974年には青山VAN99ホールにて平田満、三浦洋一、岩間たか子の
3名のキャストにより上演。1974年公演は伝説の舞台と称され、以降、無数の改訂が重ねられ、
「飛龍伝80」「飛龍伝90」等、今日までつかこうへい戯曲の代表作の一つとして
日本演劇界にその名を轟かせる群像劇となった「飛龍伝」の元となったのが本作「初級革命講座 飛龍伝」。
本作の演出を担当した岡村俊一さんは今回の「初級革命講座 飛龍伝」を可能な限り、
1973年の初演当時のものに近づける事に腐心をされたそう。僅か3人のみという出演者数と
並みの俳優であれば燃え尽きてしまいそうな程の超長台詞と早口かつ喉を潰さんばかりの大声な発声、
そして演者の感情を剥き出しにさせる圧倒的なパワーを持つ台詞が描写する
1960年代末の学生運動全盛期の空気感と情景が紀伊國屋ホール内をある種の圧を感じる程充満させます。
元機動隊員の監査員である山崎一平役の高橋龍輝さんは十三回忌追悼公演 つかこうへい Lonely 13 Blues
「蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く」に続く連続出演となりますが、「新・幕末純情伝」や
「いつも心に太陽を」、そして「新・熱海殺人事件 ラストスプリング」等、つかこうへい作品への
豊富な出演経験が、機動隊員でありながら、全学連のカリスマである熊田留吉との
奇妙な友情と、思いを寄せる橘小夜子との気持ちの変化を見せる山﨑の演技に見事に華を咲かせます。
その山崎最大のライバルであり、石投げの名手で全機動隊員を敵に回しても不敵な笑みを浮かべていたという
元全学連のカリスマ革命家、熊田留吉役には元北区つかこうへい劇団2期の重鎮で、つか作品の出演は元より
TV刑事ドラマ等でその活躍が知られる吉田智則さん、そして同劇団9期のエースであり、
今泉佑唯主演の舞台「修羅雪姫」で脚本を手掛ける等の活躍をされている
こちらも「蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く」に続いて連続出演の久保田創さんの二人が臨みます。
そして山崎が思いを寄せるヒロインの橘小夜子と熊田の亡き息子の嫁であるアイ子の一人2役という
難役を演じるのは、NHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリンピック噺(ばなし)〜」や
園田新監督の映画「消せない記憶」等に出演、今作には多数の候補の中から抜擢されたという
神奈川県出身の新人俳優、佐々木ありささん。弱冠22歳という若さからは到底伺い知れない
小夜子とアイ子とのキャラクターの演じ分けの巧さと、高橋さんと久保田さんと対峙しても
一歩も引かない芯の強さを感じる演技力の強さは、是非劇場で確かめて欲しい所です。

【十三回忌追悼公演 つかこうへい Lonely 13 Blues「初級革命講座 飛龍伝」公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
2022年7月23日(土)~7月25日(月)(※)
※7月22日に予定しておりました「初級革命講座飛龍伝」の初日を、公演準備に万全を期すため1日延期し
7月23日とさせていただくことになりました。連続公演のため、作品の準備や出演者の健康状態も含め
関係者一同協議いたしまして、劇場での準備期間をあと1日延期しまして初日を7月23日とさせていただきます。
何卒ご理解の上、ご了承いただけますと幸いです
※全公演終演後にゲストを迎えてのトークショー有

<会場>
紀伊國屋ホール

<上演時間>
約2時間(途中休憩無し)

<料金>
6,500円(全席指定・税込)
※未就学児入場不可

『チケット発売』
一般発売:2022年6月25日(土)

「問い合わせ」
Mitt 03-6265-3201(平日 12:00~17:00)

<出演者>
山崎一平:高橋龍輝
熊田留吉:吉田智則、久保田創(Wキャスト)
橘小夜子/アイ子:佐々木ありさ

※熊田役で出演予定でした吉田智則さんは喉の不調のため、大事をとりまして
23日、24日公演は久保田創が熊田留吉を努めます。25日千秋楽公演には復帰できる予定です。
何卒ご理解の上、応援していただけますと幸いです。

<STAFF>
作:つかこうへい
演出:岡村俊一
提携:紀伊國屋書店
制作:つかこうへい事務所
企画・製作:アール・ユー・ピー