葵祭、時代祭と並ぶ京の三大祭のひとつ「祇園祭」が7月1日からいよいよ始まりました。無数の提灯がともる美しい宵山や、「動く美術館」と称される17日と24日の山鉾巡行が人気絶大ですが、見どころや楽しみ方はさまざま。初めての人でもわかる祇園祭の楽しみ方をご紹介。
祇園祭は祇園にある八坂神社の祭礼で、平安時代の869年に悪疫退散を願って執り行われた神事がルーツ。7月1日の神事始め「吉符入」から31日の厄祓いの神事「疫神社夏越祭」まで約1か月にわたって毎日のようにさまざまな行事が繰り広げられます。

そのハイライトとなるのが、絢爛豪華な山鉾が都大路をゆく「山鉾巡行」。前祭(さきまつり)の17日には23基、後祭(あとまつり)の24日には10基が巡行するので、2度楽しむチャンスがあります。
櫓の屋根の上に高さのある「真木(しんぎ)」と「鉾頭(ほこがしら)」が立っているのが「鉾(ほこ)」、屋根の上に松が立っているのが「曳山(ひきやま)」、櫓の上の舞台にご神体人形などが飾られているのが「舁山(かきやま)」、台車に傘が立つ「傘鉾」、これらを総称して「山鉾(やまほこ)」と呼んでいます。
どれも大切に受け継がれてきた華麗な美術品で飾られていることから「動く美術館」とも称されます。
見どころは、重さ10tを超える巨大な鉾が、音頭取りの合図で一気に方向転換をする「辻廻し(つじまわし)」。四条河原町、河原町御池、新町御池の3か所で見ることができます。
巡行をすぐ目の前で見たいなら、道幅が狭く臨場感が味わえる新町通がおすすめです。
京情緒をたっぷり味わいたいなら、山鉾巡行の前夜祭である「宵山」へ。地下鉄四条駅や阪急烏丸駅から西側の一帯を中心に山や鉾が立ち並び、提灯の明かりに浮かび上がります。
山や鉾が立つ各町内には大切に受け継がれてきた華やかな懸装品が、伝統を継承する町家には屏風が飾られ、この日だけは普段は目にすることができない品々を眺めることができます。
前祭の宵山(14〜16日)のうち、15・16日には夕刻から歩行者天国になり、露店も軒を連ねて大にぎわい。
後祭の宵山(21〜23日)は昔ながらの静かな祭りの趣を感じることができます。
各山鉾には縁むすびや厄除け、商売繁盛から迷子除けまで(!)故事にちなんだいろいろなご利益があり、言い伝えにちなんだ祇園祭限定の厄除け粽(ちまき)や絵馬、おみくじなどがお目見えします。また、各山鉾の前には御朱印が用意されているので、スタンプラリー感覚で御朱印集めをしてみるのもいいかも。


限定グルメにもご注目。小豆を使った冷たいドリンクやかき氷、はもカツバーガー、豚まんなど、鉾町周辺のお店が趣向を凝らしたフードやスイーツを販売。行列ができることも多いので、比較的すいている昼間のうちに行くのが秘訣です。
前祭の10〜14日、後祭の18〜21日には、釘をいっさい使わず、縄だけで組み立てる「山鉾建(やまほこたて)」の様子を各山鉾町内で見ることができます。
おすすめは、前祭の12・13日と後祭の20・21日に行なわれる山鉾の試運転「曳初(ひきぞめ)」。巡行本番とは異なり、一般の人も自由に参加して綱を引くことができます。ギシギシと音を立てて動く山鉾のスケールの大きさを体感でき、引くと一年間厄除けのご利益があるとか。
街が熱気で包み込まれる「神輿渡御(みこしとぎょ)」も見逃せません。17日の前祭巡行のあとに、八坂神社の神様が3基のお神輿に分かれて四条寺町の御旅所(おたびしょ)に渡る「神幸祭(しんこうさい)」、24日の後祭巡行のあとに、お神輿が再び八坂神社へと戻る「還幸祭(かんこうさい)」が行なわれます。
八坂神社西楼門前や御旅所にそろった3基のお神輿を、「ホイットーホイットー」の勇ましい掛け声とともに、高く持ち上げたり、持ち上げたまま回したり、とダイナミックな神輿さばきが見られるのが魅力です。

祇園祭一色に染まる京の7月、事前にポイントをおさえておけば、楽しさはぐんとふくらむはず。駅周辺や観光案内所などで無料のマップが配布されているので、入手すれば重宝しますよ。ぜひ満喫してくださいね。