夏のイメージが強い沖縄の離島ですが、1〜4月は暑すぎず台風の心配もなくて、ドライブや観光を楽しむにはもってこいの季節。日本のいちばん西の端、東シナ海に浮かぶ与那国島にはサンゴ礁のビーチから荒々しい波が押し寄せる海岸線、野生のヨナグニ馬が草を食む牧草地まで、絶景スポットがギュッと凝縮されています。周囲約27kmの小さな島へ、ここでしか見られない景色を探しに出かけてみませんか。
東京から約1,900km、沖縄本島から南西へ約509km離れた与那国島。八重山諸島の中心・石垣島からは約127km離れているのに対し、隣接する台湾までの距離は約111kmと、台湾の方が近いのです。
島の空の玄関口が与那国空港。那覇空港便が1日1往復、石垣空港便が1日3往復発着しています。

レンタカーやレンタルバイク・自転車を利用する場合、事前に予約しておくと到着便に合わせて空港まで迎えに来てくれます。平坦に見えてもけっこう起伏が多い島なので、自転車の場合は電動機付きの方がオススメ。
車の場合、ノンストップで1周すれば約40分、気になるスポットで止まりながらのんびり走っても2〜3時間のドライブコースです。
与那国空港から車で約10分。島の中心である祖納(そない)集落を超え、海沿いの道を走っていくと、草むらの中に小径が見えてきます。この先にあるのが通称「六畳ビーチ」と呼ばれる入り江。路肩に車2〜3台が泊まれる駐車スペースと小さな看板があるだけなので、見落とさないようにしてください。


草むらを進むと突然、視界が開けます。高さ約30mの断崖絶壁の下にある小さな砂浜が「六畳ビーチ」。砂浜の広さが畳6畳分くらいしかないことから、この名が付いたのだとか。島でも1、2の透明度を誇り、エメラルドグリーンの海水に透ける白い砂と沖合のサンゴ礁まで、崖の上からでもくっきり見えます。

崖下までは岩肌を伝うように細い道があり、尖った岩に囲まれているので軽装で降りるのは危険。運動靴、軍手などの装備がない場合、上から眺めて楽しむだけにしておくのがいいでしょう。風が強い日ものあるので、吹き飛ばされないように気をつけてくださいね。

東西に細長く、サツマイモのような形をした島の最東端が東崎。岬の先端に立つ東崎灯台の周りが牧草地になっています。
このあたりにいるのは、町の天然記念物にも指定されているヨナグニ馬。すべて野生で自然繁殖しています。そんなのどかな風景を楽しみながら、灯台を目指して歩いてみましょう。
東崎灯台は海面約100mの高さの断崖絶壁の上に立っています。このあたりからは島の北側の雄大な景色を眺められ、晴れた日には西表島まで望めることもあります。
島で最も早く朝日が見える場所なので、天気が良ければ早起きして日の出を眺めに出かけるのもいいでしょう。爽快な気分で1日をスタートできますよ。
東崎を過ぎて島の南側に出ると、切り立った断崖が海に迫る荒々しい景色に一変します。
海中から隆起して見えるのが、与那国島のシンボルでもある「立神岩」。古来より神が去来する場所とされていたことから、この名が付いたそうです。

また、海鳥の卵を採ろうとして岩に登って降りられなくなった若者が、神に祈りを捧げて眠りについたところ、目を覚ますと無事に戻れていたという伝説も。近くに展望台が設置されているので、休憩を兼ねて訪れてみてください。
与那国島といえば往年のドラマ『Dr.コトー診療所』で、架空の島として登場した場所。島のあちこちにロケ地が点在し、南海岸の比川(ひがわ)浜には撮影のために建てられた診療所の建物が当時の姿のまま保存され、一般公開されています。

待合室、診察室、病室に分かれた内部はセットとは思えないほどのリアルさ。記念撮影用の白衣も用意されているので、ドラマの主人公気分に浸ってみてはいかがでしょう。
与那国空港から西回りで島を一周すると、最初に現れる絶景ビーチが「ダンヌ浜」です。
砂浜に出るには丸い形のゲートをくぐるのが近道なのですが、これは公衆トイレの建物への入り口。

オレンジ色の屋根や白い壁、タイル張りの床はそうとは見えないほどおしゃれなこともあり、丸いフレーム越しに見える景色を写真に撮るため、多くの人が集まってくる場所です。西向きのビーチなので、天気のいい日は美しいサンセットも楽しめますよ。
島の最西端に位置するのが西崎(いりざき)です。ここは日本でいちばん最後に沈む夕日を眺められるスポットとして知られ、岬に立つ灯台の周りには日没の時間に合わせて続々と人が集まってきます。
さらに天気が良く空気が澄んだ日には、台湾の山並みに沈む夕日が見えることもあるのだとか。与那国島を訪れたら、日本最西端のサンセットは必見です。

与那国島へのアクセスは、那覇か石垣島から飛行機を利用するのが便利ですが、週2回、石垣島からのフェリーも往復しています。
断層の隆起によってできた与那国島は、複雑な海岸線に囲まれているのが特徴。白砂の小さなビーチが点在する北側と、切り立った断崖が続く南側、その間に広がるのどかな放牧地など、同じ島とは思えないくらい刻々と変わる景色が印象的。

ここで目にした光景は、きっといつまでも心のなかに刻まれるはずです。