店の前に白地に大きな家紋を染めた暖簾のかかる「逗子茶寮 凛堂-rindo-」はよりすぐりの茶葉を茶窯で沸かしたお湯で淹れる日本茶の専門店。茶葉に合わせてお湯の温度を整え最後の一滴まで丁寧にお茶を淹れる所作は、まるで一つの物語を見ているかのように美しく流れるように進みます。一服のお茶から日本の文化に触れてみませんか。

茶室をモダンな雰囲気に仕立てたような落ち着いた店内

昼間は日本茶の茶寮、夜は日本酒などの地酒を提供するバーになる「逗子茶寮 凛堂-rindo-」。モノトーンのテーブルや椅子などシックな雰囲気でまとめたお店の奥には、茶釜をしつらえた杉の一枚板のカウンターがありお茶を美味しく淹れる道具が並びます。茶碗や箸置きなどすべて同じ作家さんのもので揃え品のいい統一感も感じられます。

日本の文化とともにあるお茶を“歴史の雫”と表現する亭主

亭主の山本睦希さんはワインのソムリエとしての経験が豊富な一方で、日本人にとってワインのような存在でもある日本茶や日本酒にも目を向け、その味わいを日本の季節感と共に楽しんでほしいという思いからこの茶寮をオープンさせました。
カウンターにある茶葉のサンプルから好みの茶葉をオーダーすると、最後の一滴まで丁寧に旨味を抽出した日本茶に手づくりの季節のお菓子を添えて訪れる人をもてなします。

日本茶をじっくり味わう和風のアフタヌーンティー

このお店のおすすめが3種類のお茶と二十四節気にあわせた軽食と和菓子がセットになった「季節の生菓子のアフタヌーンティー」です。初めに食前茶をいただき次はサンプルから選んだ好きな日本茶、最後は抹茶といった具合にお茶のフルコースのように楽しめます。
暑い季節の食前茶は炭酸水で日本茶を淹れる炭酸茶でした。脚の長いグラスでいただく微炭酸のお茶はまるでおしゃれなカクテルのようですよ。

二十四節気を意識した亭主手づくりの菓子とお茶のペアリング

食前茶と一緒に出される竹籠には地元の練り物、出汁巻き、いなり寿司、香の物が品よく並びます。いなり寿司の酢飯には春は山菜、初夏になると京都・鞍馬の実山椒を炊き込むなど、訪れるたびに楽しみな内容です。

曲げわっぱの2段におさまるのはできたての温かいわらび餅に加えて、京生菓子の「水無月」やアジサイをイメージした錦玉羹仕立ての生菓子、夏ミカンの大福などの節気菓子です。どれも老舗の和菓子屋さんの店頭に並ぶような手の込んだ和菓子で、日本茶との相性を考えて甘さは控えめ。さらに家紋の入った最中にはレーズン・クルミ・バター・はちみつ・クリームチーズを使った自家製餡入りです。日本茶と乳製品を使ったお菓子の意外なペアリングも楽しんで。

旨味から苦みまでじっくり味わう日本茶の三煎

食前茶のあとはサンプルから選んだ日本茶が用意されます。この日は特選玉露「ごこう」を選びました。この茶葉の美味しさを引き出すのに使用したのは宝瓶という種類の急須です。玉露は平たい急須でじっくり蒸すのが良しとされ、お湯の温度は60度で淹れるので取手は必要ないのだそう。旨味たっぷりの一煎目に次ぐ二煎目は香りが立ち、三煎目になるとそこに苦みが加わります。最後はお茶の葉を自家製ポン酢でいただき、最後まで茶葉を味わい尽くします。

涼感漂う琥珀糖でいただく抹茶

お菓子をすべていただくと最後は抹茶を裏千家のお点前でいただきます。気になるお菓子はこちらも手作りの琥珀糖。この時期らしい色合いが清涼感をよびます。

ゆったりとした雰囲気の中で味わうお茶は、山本さんがわかりやすく解説しながら淹れてくれるのでとても楽しいひと時です。ぜひ奥の深いお茶の文化に触れてくださいね。