江戸時代の風情が残る「ひがし茶屋街(ちゃやがい)」。目抜き通りの一番西側の裏通りに、白い暖簾がかかる町家のお店が向かい合うようにあります。右側にあるのが、地元産の苺を使ったスイーツ専門店「苺菓子りつか(いちごがしりつか)」、そして、左側は和栗スイーツで人気の姉妹店「和栗白露(わぐりしらつゆ)」です。

町家の風情を残す2階建ての一軒家

「苺菓子りつか」のエントランスから靴を脱いで入ると、1階は格子の入る丸窓など和の設えが美しく、そこから客間となる2階へ通されます。
手前の板間はテーブル席で、白いモダンな椅子がカジュアルな雰囲気。
メインとなる奥の畳の部屋は座敷席で、朱色の土壁が茶屋町ならではの華やかさを感じさせながら、とても落ち着きのある空間になっています。

苺を主役にしたスイーツのメニューは、すべて日本の伝統色の名前になっていて、紫がかった深い赤色の「深緋(こきあけ)」は、苺のパフェのこと。また、やや黄色みのある鮮やかな赤色の「緋(あけ)」は、苺と和栗のモンブランパフェのことです。

スイーツとセットで頼むと150円引きになるドリンクは、加賀棒茶や抹茶ラテ、柚子スカッシュなどに、七尾市しら井の昆布に抹茶と塩を合わせた自家製昆布茶、ビールよりもライトな低アルコール飲料のジンジャリカといった個性的な飲み物も用意されていますよ。

目の前で仕上げる苺のショートケーキ「白練」

お店の代名詞ともいえるのが「白練(しろねり)」です。主役の苺を引き立てるために考えられたデザート盛りの苺のショートケーキは、下から濃厚なカスタードクリームに、ふんわり生クリームを混ぜ合わせたディプロマットクリーム、苺の輪切り、マスカルポーネ入りのスポンジケーキ、ベリージャム、軽いアイスクリームのようなパルフェ。もう一度マスカルポーネのスポンジとジャムとパルフェがのり、最後にしっとりとしたホイップクリームに、大きな苺を一粒のせます。

そして仕上げは、オーダーした人の目の前で仕上げられます。粉糖をさらさらとかけて、小さなベルローズの花びらを散らすと出来上がり。思わずため息が出る瞬間です。

苺は、県内産を中心にその時おいしいものを使うので、「本日の苺」について書かれた紙が必ずメニューに挟まれます。この日は、石川県小松市の本田さんの紅ほっぺでした。

お店のルーツとなるのは「氷菓子」=かき氷

実は「苺菓子りつか」は、2021年12月にリブランド化してオープンしました。その前は「氷菓子りつか」という店名でかき氷の専門店でした。
このかき氷のお店をすることになったのは、能登産の和栗を扱う姉妹店の「和栗白露」がきっかけです。お店のオーナーは、地元食材を扱ううちに生産者との縁がどんどんと広がり、石川県内各地の農家さんが手掛けるこだわりの農産物がたくさんあることに気づいたといいます。
それで、かき氷専門店を開きましたが、なかでも苺という存在に注目。収穫時期や個性による違い、魅力を発信できるよう、苺が主役の専門店にリブランドしてオープンすることになったそうです。

もちろんかき氷も季節問わずオーダーが可能。シュワシュワ食感がある苺のスパークリングエスプーマがかかっている「銀朱(ぎんしゅ)」は一番人気です。

今まで味わったことのない苺スイーツを

白山市鳥越にある「苺ファーム白山」、七尾市中島町「のとひかりっ娘」など、お店に伺うと、石川県内には苺農家がたくさんあることに気づかされますが、もちろんシーズンオフのこともあるので生の苺を扱うお店としては、全国のおいしい苺を常に追い求めているそうです。

ここにくれば「今まで味わったことない苺体験」ができることがコンセプトという通り、農家の方々のおいしい苺を食べられる機会。写真に収めたくなる素敵なビジュアルとともに楽しみたいですね。