芋けんぴは、サツマイモを細く切って油で揚げ、甘い蜜をかけた素朴なお菓子。スーパーでもよく見かける普段のおやつです。京都の宇多野に店を構える「京甘藷(きょうかんしょ)」の芋けんぴは、極細タイプ。食べ始めると止まらなくなって、アッという間になくなってしまうという声をよく耳にします。手みやげに買って、皆で気軽につまんでみませんか。

仁和寺から高雄へ向かう街道沿いの専門店

「京甘藷」へは京都駅からバスで約50分の福王子で下車し、そのままバスの進行方向へ約5分歩いたところにあります。このバス通りは、京都市内から紅葉で有名な高雄へ向かう周山街道。秋は行楽地に向かう車で混み合うので気をつけて歩きましょう。

サツマイモが美味しいのは春先から初夏!?

店主の家村さんが、自身の地元でもある宇多野で京甘藷をオープンしたのは2019年秋のこと。「京都には多いのですが、ひとつのことに特化した店をしたかったんです。それがサツマイモでした」。

「実は収穫後すぐのサツマイモはそんなに甘くはないんです。熟成させ冬を越した春先あたりから美味しくなるんです。逆に夏を越すと美味しくないので、毎年7月中旬から秋までは店を閉めています」と、すべてがサツマイモを中心に営まれています。

甘い「黄金芋」としょっぱい「塩けんぴ」

黄金芋は、水分の少ないサツマイモを高温でカリカリになるまで揚げて、そこに甘い蜜が絡められた看板菓子。見た目も、食感も、味も、すべてが繊細に感じられます。

それにしても、こんなに細く切られたサツマイモの角が崩れずにピシッと形を保っているのは名人技ですね。料理人でもあった家村さんが、ひとつひとつ包丁で切っているそうです。

「多い日は午後からひたすら芋を切っていますよ。手で切ると太さにバラツキが出て、それが食感を独特なものにしてくれます。それに、なるべく長く切れるようサツマイモの形を見ながらとなると、手で切るのが一番です。」

厨房でパックに詰められているのは「塩けんぴ」。甘味はサツマイモ本来のものだけ、それに宮古島雪塩のかすかな塩気が感じられます。

こちらは、お酒のアテにする方も多いそう。そういわれると、お酒に合う味です。クセのない素朴な風味なので、日本酒にもワインにも合います。もちろん、コーヒーや紅茶、日本茶にも!

京都らしい白味噌風味の大学芋も

サツマイモのお菓子といえば、忘れてはいけないのが大学芋。芋けんぴとは反対に、水分の多いサツマイモを使い、しっとり、ほくほくに仕上げられています。

「べっこう芋」は三度揚げで外はカリカリ、中はねっとり、黒ゴマが香ばしい王道の大学芋。暑い季節は冷蔵庫で冷やして食べるのもおすすめです。冷やされた飴がキャラメル、中はスイートポテトを食べているような風味になります。

また、「ひょうしぎ」は白味噌風味の甘さがやさしい一品。皮を残してカットされているので、サツマイモの風味がふわりと香り立ちますよ。

パックの包み紙もよく見ると細やかな気遣いが。模様はそれぞれのお芋の形がモチーフになっています。

売り切れになることも多い京甘藷は、お取り置きもしてもらえるのが嬉しいところ。近くの仁和寺や、街道沿いの高雄を訪れたら、ぜひ立ち寄りたい一軒です。