梅田から大阪メトロを乗り換えて約20分、朝潮橋駅2B出口を出て八幡屋公園の中を抜け、徒歩6分の場所にある「dessert place SHIKISAI(デザートプレイス シキサイ)」。数々の星付きレストランで腕を磨いた平山信行シェフが2020年12月に独立開業した、デザートのテイクアウト専門店です。フルーツやナッツ、スポンジ、クリームなどを重ねた、断面が美しい地層ケーキが注目を集め、瞬く間に人気店となりました。

コース料理の最後に出る“デセール”をテイクアウトできる店

緑いっぱいの大きな八幡屋公園がすぐ目の前。静かな住宅地に佇む「dessert place SHIKISAI」。

オーナーパティシエの平山信行さんは、ケーキ屋さんのスイーツではなく、レストランで食事の最後にいただくデザートを作りたいと、名だたる星付きレストランでキャリアを積み渡仏。帰国後、ハイアット リージェンシー 大阪で商品開発に取り組み、2020年12月に独立。軽井沢で働いていた際に、自然の中で創作する心地よさを知り、自然を感じられる場所で店を開きたいと、公園のそばを選んだと言います。

店名である「シキサイ」は“四季”、“色彩”、奥様のお名前の“彩苗”が由来。「毎日のくらしに彩りを」をコンセプトに、四季の食材の彩りと香りを大切にお菓子づくりに取り組んでいます。

商品は四季のうつろいで変化していきますが、店内は「季節に左右されない自然を表現したい」と、木と石をうまく組み合わせたシックな空間。自然の素材にこだわり、ショーケース内に敷いたプレートは、コーヒーの豆と土を練り込んで作った特注品。すみずみまで平山さんのこだわりが光り、ケーキへの期待が高まります。

重ねることで生まれたハーモニーを楽しむ地層ケーキ

ショーケースの中でまず目を引くのが、看板商品である地層ケーキ。地層ケーキは常時4〜5種。スポンジや生クリーム、ソース類はもちろん、生地に混ぜ込むシロップやコンフィチュール、トッピングのプラリネなど、細部まで手作りにこだわり、理想の味を追求。そのときどきの主役素材に合わせてフルーツやハーブ、スパイスを使い分け、香りの広がりや食感、余韻まで計算した満足度の高いデザートに仕上げています。

たとえば、キャラメルマキアートは、アーモンド生地、コーヒーのジュレ、キャラメルのムース、自家製のプラリネクリーム、生クリームを重ねて5層に。キャラメルソースとアーモンドをトッピングしています。アーモンドの生地にオレンジで香りづけし、夏でも食べやすいよう工夫されています。

トレンドのバターサンドはキリッと冷えたアイスバージョン

バターサンドは「クッキーもクリームも固めが好き」だという平山さん。バターやイタリアンメレンゲ、砂糖の量を調整して冷やすとパキッと固まりつつ、口のなかでやわらかく溶けていくというアイスバターサンドを考案。

冷たくても主役素材の味はきちんと伝わるよう、イチゴは旨味を凝縮させたジャムに、抹茶は本来の苦みがわかるほど贅沢に抹茶の粉末を使用。アーモンドは糖化させてカリッと香ばしい食感を高めてからバタークリームと合わせています。

シンプルを極めた焼き菓子も多彩

シンプルに生地のおいしさだけで勝負した無重力カステラも注目のスイーツ。台湾カステラが流行る前から、老若男女に愛されるスイーツとしてオリジナルのカステラづくりに力を入れていて、50回近くの試作の末、開業直前に完成させた渾身の作だそう。

北海道産の小麦粉のうち、焼き上がりが軽くなる粉を厳選。通常より多めのメレンゲを使って、くちどけの良く仕上げているので、ふんわりやわらかい生地は口の中でスーッと消え、後口にメープルの優しい甘さを感じます。

焼き菓子は、香りがよく理想の食感になるようフランス産と北海道産の小麦粉をブレンド。ガレットブルトンヌやサブレなどのクッキー、マドレーヌやフィナンシェなどが常時15種ほど揃います。

今年の夏は「花火」をテーマにしたパフェ三部作を発表。訪れるたびに、新鮮な驚きのあるデザートケーキが見つかります。

店の目の前は広大な芝生広場がある八幡屋公園。外で過ごすのが気持ちい季節には、地層ケーキやパフェをテイクアウトして、公園の木陰でプチピクニックするのもおすすめです。