スイーツプロデューサー・磯崎 舞が、日常に寄り添うおやつから贈り物にも選びたくなる焼き菓子を紹介する連載『#焼き菓子部』。第6回目は、秋の味覚といったら外せないお芋や栗の焼き菓子をご紹介します。

滋味深い焼き菓子の味わいにお芋や栗は相性がよく、ほくほくした食感や甘さが引き立てられ、“食欲の秋”を満たしてくれますよ。代表的な生産地の素材を使った商品も含む、6種を厳選しました。

小布施の栗の甘露煮と栗餡を詰めた幸福のバウムクーヘン

長野県松本市のシンボル的存在の松本城から徒歩10分、観光客でにぎわう中町通りにある「信州松本バウムクーヘン工房 てまりや」。手みやげや贈り物としても人気の「てまりん®」は、長野県松本市の民芸工芸品である“松本てまり”をモチーフにしたバウムクーヘンです。幸福を招くてまりと、年輪のような見た目が縁起の良いバウムクーヘンをかけ合わせていて、食べると幸せが舞い込んできそうですね。

生地には佐久産のコシヒカリを使った米粉、松本産の濃厚なノニタマゴを使用。中心部には、希少な小布施の栗の甘露煮となめらかな栗餡が詰められています。ふんわりしっとりした生地にこっくり風味豊かな栗餡が絡まり、ひと口食べれば幸福感でいっぱいに。

しっとりふわっ♪ シェフの技が光る和栗と安納芋のケーク

埼玉県志木市にある「Shinfula(シンフラ)」は、中野 慎太郎シェフがオーナーを務めるパティスリー。フレンチレストランの「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」や「レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ」(現NARISAWA)などの名店で修業した経験を発揮し、素材の持ち味を引き立てるマリアージュや感性の光るスイーツが多くの人を引きつけています。和栗と安納芋を使った「プチケーク 」は志木銘菓として愛され、秋に人気が高まる商品です。

フランス産マロンペーストを生地に入れた「プチケーク 綾(和栗)」は、中に熊本県産の栗が丸ごと一粒入っていて贅沢。種子島産安納芋の生地に安納芋の蜜煮を入れた「プチケーク 日南(安納芋) 」は、数十秒オーブンで温めるとさらに甘味がアップします。

ねっとり甘い茨城県産の焼き芋が口福なサクサクパイ

「CINARIS(シナリス)」のオーナー・吉成 隆宏シェフは、埼玉県さいたま市にある有名パティスリー「ACACIER(アカシエ)」でスーシェフを務めた腕利きのパティシエ。地元・茨城県に戻り、2021年10月に水戸市に開業を果たしました。茨城県の素材を取り入れて四季折々さまざまなスイーツを展開し、「焼き芋のガレット」は茨城県産の⁡紅はるか、茨城県産の小麦粉・ゆめかおりを使っています。

フランス伝統菓子のガレット・デ・ロワを独自にアレンジ。サクサクのパイの中には、焼き芋にして甘味を凝縮させた紅はるかとアーモンドクリームが入っています。バターの芳醇な香りと、ねっとり濃厚なお芋が合わさると幸福感は絶頂に。

鳴門金時のクリームに和む、レストラン考案のサブレサンド

徳島県鳴⾨市島田島の頂上にある「フレンチモンスター瀬戸内フードアート」は、東京・西麻布の「レストラン フレンチ モンスター」がプロデュースする菓子工房。瀬戸内海や四国連山を一望できる絶景カフェとして話題で、多くの観光客が訪れます。徳島銘菓として愛されているのが、徳島名産の鳴門金時を使った焼き菓子「月へ鳴門へ」です。

専用の貯蔵庫で熟成させた鳴門金時を焼き芋にしてペースト状に加工し、自家製生キャラメルを入れてなめらかなクリームへ仕立てます。サブレの塩味がお芋のやさしい味わいを引き立ててほっこり。日が経つにつれてサブレがしっとりとした食感になり、クリームとの一体感を味わえますよ。

栗と黒豆の丹波素材が織りなす焼き菓子セット

1912年に創業し、「一番大切な人に食べてもらうお菓子づくり」を信念に和洋菓子を展開する「中島大祥堂」。栗・黒豆・大納言小豆など、丹波素材を活かしたお菓子作りを通して“丹波里山”の魅力を発信しています。実りの秋を連想させるのが「丹波焼菓子詰合せ 7個入」です。

ていねいに裏ごしした丹波栗と鳴門金時芋を合わせ、口当たりなめらかに仕上げた「いもくり」のほかに、栗のお菓子2種と黒豆のお菓子1種が入っています。日本茶と合わせると、ほっこりと心和むティータイムに。

国産和栗がゴロッと中に入った贅沢なカヌレ

石川県金沢市の観光のメインスポットともいえる、ひがし茶屋街にあるのが和栗専門店の「和栗 白露」。能登半島出身の店主が地元素材の魅力を発信するとともに、和栗農家の継続的な支援を目的として2020年11月に誕生しました。お取り寄せできる商品の中で人気なのが、大粒の国産和栗を入れたカヌレの「呂(ろ)」です。

蜜蝋と銅型を使用した伝統的な製法で表面はカリッと焼き上げ、地元産の米粉を使うことで内側はもっちり。そこにホクホクとした和栗が加わって、食感の三重奏に心奪われます。あえて洋酒は使わないことで、栗の風味と香りを存分に味わうことができますよ。

気になる芋栗スイーツをお取り寄せして、おうちでゆっくりとティータイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。