透明感のある優しい水色の壁紙が印象的なテラスレストラン「LA TERRASSE ZEN 日仏茶室(ラ テラス ゼン ニチフツチャシツ)」。貴族の愛したテリーヌやトロリとした卵のフランス伝統料理などが気軽に楽しめるカジュアルフレンチのお店で、天気や気温にあわせて天井や窓を開閉する心地のいいテラススタイルのつくりです。古都の風を感じながらフレンチを楽しんではいかがでしょうか。

美食の街・鎌倉に登場したカジュアルフレンチのお店

レトロモダンな「ホテルニューカマクラ」の一画にオープンしたフレンチカジュアルのレストラン「LA TERRASSE ZEN 日仏茶室」。日本ではあまり見かけることのないテラススタイルのお店で、オーナーのジャン・ドレイモンさんが、パリジャンらしくキリッとしながらもにこやかな笑顔で出迎えます。

その昔フランスで流行したジャポニズムを鎌倉で

20世紀初めにパリを中心に流行したモダンなアール・デコで統一した店内はイスやテーブル、壁紙にまでそのエッセンスをちりばめています。店内の水色の壁紙は『ひまわり』を代表作とするヴァン・ゴッホの絵画『花咲くアーモンドの枝』の空の色に近づけ、扇をモチーフにしたアール・デコらしい幾何学模様が描かれています。日本の浮世絵はフランスの印象派の画家たちに大きな影響を与えたといわれていて、こうした色使いや扇のモチーフがフランスで流行ったジャポニズムを彷彿とさせます。

カウンターに置いてあるベルを入れたカップは、有田焼の窯元・深川製磁でつくられたアンティークです。深川製磁は1900年のパリ万国博覧会に2mにも及ぶ大きな花瓶を出品し「金牌」を受賞した由緒ある窯元で、これをきっかけにヨーロッパで高い評価を得て各地で扱われることになったのだそう。そうした磁器の中の一つがこのヴィンテージのカップで、竹を描いた日本の情緒あふれる作品です。食後のコーヒーの器で使用することもあるのだとか。

フレンチのいいとこ取りをした華やかなランチタイム

気持ちのいいテラスでのんびり過ごすランチタイムは、フランス人がランチに好むクロックムッシュや燻製して香りづけをしたシャルキュトリーの盛り合わせなどがあり、中でもおすすめはコースの「MENU DE FETE」(メニュー ドゥ フェットゥ)。ワインからはじまるこのコースは、フランスの伝統的なテリーヌと気軽な家庭料理の両方を味わえボリュームも満点。今回はこのランチコースをご紹介します。

明るいテラスのランチのはじまりはワインから

ランチの「MENU DE FETE」では、まずワインを赤・白・発砲ワインから選びます。はじめの一皿はワインとも相性のいい2種のテリーヌ。取材時は発砲ワインを選びました。

ヨーロッパ貴族に愛されたテリーヌが、前菜としてお皿を華やかに彩ります。断面も美しく青々とした野菜と一緒に盛り付けたのは、チキン・ビーフとトロサーモンの2種類のテリーヌです。それぞれにバジルソースとトマトをメインにしたオーロラソースをつけていただくと、塩加減がちょうどよくワインも進みますよ。

日本ではあまり見かけないフランスの国民食

二皿目はフランス人の大好物といわれている「ウフ・アン・ジュレ」が登場します。ウフ・アン・ジュレは、半熟卵とハムにブイヨンで煮詰めたゼリーをまとわせた料理で、パリの街中にあるお惣菜屋さんでも人気のメニューなんだとか。さらにタマネギたっぷりのオニオンスープ、タイムやニンニクで煮込んだラタトゥイユ、さっぱりとしたコールスローを添え、フランスの家庭的な美味しさをじっくり味わえます。

ウフ・アン・ジュレにそっとナイフを入れるとゼリーの中から卵の黄身がトロリと顔を出します。パンと一緒にぜひ味わって。

会話の弾むテラスで過ごす古都のひと時

最後はドリンクとプチデザートで食事の余韻を楽しみます。時間をかけて味わうと、日本を代表する古都にいながらフランスへプチトリップをしていたかの様な気分にもなりますよ。
冬の期間は魚介類たっぷりのスープやジューシーなソーセージのポトフもランチに加わります。ぜひ異国の情緒と日本の風情を同時に感じて過ごしてくださいね。