1300年の歴史をもつ城崎温泉にあるペイストリーカフェ「PARADI(パラディ)」。
お店は、賑やかな温泉街から少し入った木屋町通、静かに流れる大谿川沿いにあり、扉を開けるとバターの甘い香りが漂い自然とテンションが高まります。
情緒ある景色を眺めながら、窯から出来立てのクロワッサンやフォカッチャ、タルト、キッシュなどのペイストリーと、コーヒーやオリジナルブレンドティーが味わえますよ。

城崎に惹かれた夫婦が営むペイストリーカフェ

お店を営むのは、姫路で築110年の庄屋を改装した茶房「井上茶寮」とアーティスト・イン・レジデンス「M1997」を運営している井上祖人さん、有紀さんご夫妻。
フレンチ料理人でパティシエでもある祖人さんは、和と洋を融合させた「カヌレ羊羹」を考案され茶房で提供していて注目を集めました。このカヌレ羊羹も「PARADI」で販売されています。
有紀さんは、パリの大学院で芸術家の活動を支える「アートマネジメント」を学び、文化芸術の発信に貢献する活動をされています。

そんなお二人が城崎に店舗を構える最初のきっかけは、知人のシェフが城崎でビストロ店をしており、夫婦で通い始めたことから。縁あって「井上茶寮」として、城崎温泉内で何度か期間限定のポップアップストアを出店する機会に恵まれました。回を重ねる度に、デザイナーや建築家が手がける温泉旅館が点在するこの地で「何かしたい」という思いが膨らんでいったそうです。それが、満を持して2022年10月のカフェ開業へとつながりました。

手間ひまかけて作られるクオリティの高いペイストリー

棚には、生地をこねてから休ませる期間も含め3日かけて焼き上げるクロワッサンをはじめ、季節の地元素材を用いたフワフワもちもち生地のフォカッチャ、旬野菜やチョコレート、スパイスなど使ったペイストリーが並びます。

農家で大切に育てられた小麦「鴻巣25号」を練り込んで、より小麦の香りを感じられるように仕上げるクロワッサンは、店で作られる一番シンプルで奥深いペイストリー。だからこそ、日々細かな微調整を繰り返し行われ仕上げているといいます。

オーガニックファーム「sora農園 」のケールなど季節の野菜、果実をたっぷり使った、その時期にしか口にできないキッシュやタルトもおすすめです。

店で使う食材は旬や産地にこだわり、可能な限り生産者の顔が見える素材を用いるように努めていて、時には、使用しているフルーツの生産者を訪ねることもあるそうです。

遅めの朝食にもぴったりな「PARADIオリジナルグラノーラ」。搾りたてのジャージー牛乳を使った「ミルク工房そら」のヨーグルトも味わえます。

甘くてとろりとしたアーモンドクリームをクロワッサン生地で包み込み、カリっと香ばしく焼き上げた「クロワッサン・オ・ザマンド」は、一番人気の甘系ペイストリーです。

旅館のアメニティとしても使われている「井上茶寮」が取り扱う緑茶やほうじ茶、和紅茶など、さまざまなお茶「SAN」も購入できます。城崎温泉のおみやげにしても喜ばれそうです。

城崎でお店を構えて1周年

2023年、城崎で井上さんご夫妻がお店を構えて1周年を迎えました。
クオリティの高いペイストリーが評判を呼び、店内は多くのお客さんでにぎやかです。

井上さんご夫妻は、この町のことを「国内外で様々に活動するクリエイティブな人たちを巻き込み発信する城崎は、ローカルコミュニティの理想的な形を体現している」と評されます。「そんな街の一角にある『PARADI』もその一翼を担う存在でありたい」とのこと。

今後どのように展開されていくのか、注目していきたいですね。