俳優の松山ケンイチが主演を務め、ムロツヨシが共演する荻上直子監督の最新作『川っぺりムコリッタ』が、2021年に公開されることが決まった。

 本作は、大ヒット作『かもめ食堂』や、多くの国際映画祭で受賞を果たした前作『彼らが本気で編むときは、』で知られる荻上監督による完全オリジナル脚本作品で、孤独な主人公が社会との接点を見つけていく姿を描く。荻上ワールドおなじみの「おいしい食」と共にある、ささやかな幸せの瞬間(=仏教用語で“ムコリッタ”)に包まれる、笑いと涙の温かい物語が紡ぎ出される。撮影は9月上旬から10月上旬にかけ富山で行われた。

 山田(松山)は、北陸の小さな街の小さな塩辛工場に働き口を見つけ、社長から紹介された「ハイツムコリッタ」という古い安アパートで暮らし始める。無一文に近い状態でやってきた山田のささやかな楽しみは、風呂上がりの良く冷えた牛乳。そして、お米が買える給料日を心から待ち望んでいた。

 ある日、隣の部屋の住人・島田(ムロ)が風呂を貸してほしいと上がり込んできた日から、山田の静かな日々は一変。できるだけ人と関わらず、ひっそりと生きたいと思っていた山田だったが、なぜだかハイツムコリッタの住人たちと関わりを持ってしまう。少しずつ友情のような感情が芽生え始める山田と島田。そんな楽しい日々の中、山田が北陸の町にやってきた「秘密」が、島田に知られてしまい―。

 主演の松山は「脚本読んで今も思っていますが、この作品を人にうまく説明できません。言葉や文章で説明できる作品ではありませんでした。荻上監督とは撮影現場では会話というよりもお互いに何を感じていたかという話が殆どで他人に対してどう見えているかではなく自分が自分をどう見ているのかを大事にして現場にいました」と話す。

 ムロは「今までの自分はいらない、と。今までの自分を捨てて、荻上さんが作られた世界に飛び込んでおります。経験してきたこと、してしまったこと。身についたもの、身についてしまったもの。全てを捨てないと、その世界で生きられないのです。しかしながら、そう簡単に捨てられる訳もなく、捨てられているのかどうか、考え動き、考え考え動き考えてます」と吐露。

 2人とタッグを組んだ荻上監督は「松山さんの隣の部屋にムロさんが住んでいる。想像しただけでオカシイけれど、その撮影は想像以上にシアワセなひとときでした」とコメントを寄せた。

 映画『川っぺりムコリッタ』は2021年公開。