第72回カンヌ国際映画祭で『レ・ミゼラブル』とともに審査員賞を受賞する快挙を成し遂げた怪作『BACURAU(原題)』が、邦題を『バクラウ 地図から消された村』として、11月28日よりシアター・イメージフォーラムにて公開されることが決まった。

 前作『アクエリアス』(2016)でカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出され、その年の映画界を席巻したブラジルの俊英クレベール・メンドンサ・フィリオ監督が本作で描くのは、現代社会に警鐘を鳴らす暴力に彩られた寓話的世界。片田舎の村 “バクラウ”で起こる不可解な出来事と暴力の災禍―貧困、格差、そして政治によって主導される同胞たちの分断が映し出される。

 再び挑んだカンヌ国際映画祭では、パルムドールこそポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』に譲ったものの、審査員賞を受賞し、ブラジルに初めての栄冠をもたらした。さらにジャンル映画の祭典シッチェス・カタロニア国際映画祭でも監督賞を含む3冠を達成したほか、世界各国の映画祭・映画賞を席巻し、フランスの映画誌「カイエ・デュ・シネマ」2019年ベスト10で外国映画としては『パラサイト』に次ぐ第4位に選ばれた。

 監督の前作『アクエリアス』から引き続きタッグを組むのは、アカデミー賞受賞作『蜘蛛女のキス』でその名を国際的に知らしめた名優ソニア・ブラガ、同じく前作から引き続き出演のブラジルを代表する若手女優バルバラ・コーレン、そしてアンディ・ウォーホルに見いだされて以降、『奇跡の海』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』などラース・フォン・トリアー作品の常連としても知られる怪優ウド・キアほか、国際色豊かな出演陣がエクストリームな物語に確かな説得力を持って彩っている。

 さらに『ゼイリブ』『ニューヨーク1997』で知られる映画監督ジョン・カーペンターの楽曲を使用するなど、ジャンル映画の巨匠へオマージュが捧げられている。

 村の長老である老婆カルメリータの死をきっかけに故郷の村バクラウに戻ったテレサ。しかしその日から村では不可解なことが次々に起こり始める。突然、村はインターネットの地図上から姿を消し、上空には正体不明の飛行物体が現れる。村の生命線である給水車のタンクに何者かが銃を撃ち込み、村外れでは村人が血まみれの死体で発見される。めったに現れないはずのよそ者の来訪、それは血で血を洗う暴力と惨劇の幕開けだった―。

 映画『バクラウ 地図から消された村』は11月28日よりシアター・イメージフォーラムにて公開。