女優の池田エライザが原案・初監督を務めた映画『夏、至るころ』より、現役高校生シンガー・崎山蒼志の書き下ろし主題歌「ただいまと言えば」を収めた予告映像が解禁された。

 本作は、10代で東京に出た池田自身のエピソードを原案に、オリジナル・ストーリーとして脚本化した半自伝的作品。福岡県田川市を舞台に、緑あふれる故郷の山々に抱かれながら友情を育んできた男子高校生の翔(しょう)と泰我(たいが)が、夏祭りを前に初めて自分の人生と向き合い、それぞれの一歩を選びとる姿を描く。主人公・翔を演じるのは、本作が映画初主演となる倉悠貴。泰我役には、全国2012人のオーディションから選ばれ、本作がデビュー作となる新人・石内呂依。

 翔と泰我は同じ学校に通う高校3年生。子どもの頃からの親友で、ずっと一緒に和太鼓の訓練をしてきた。だが夏祭りを前にしたある日、泰我が受験勉強に専念するため太鼓を辞めると言い出す。それを聞いた翔はがく然としてしまう。自分は何がしたいのか、どうしたらいいのか分からない。息子の将来を気にかける父と母、やさしい祖父と祖母、かわいい弟。あたたかい家族に囲まれると、さらに焦りが増してくる翔。そんな翔の前に、ギターを背負った少女・都が現れる。

 予告映像は、翔と泰我が力強く太鼓を打ち鳴らす姿からスタート。続いて、泰我から「俺、太鼓辞める。祭は、今年は遠慮するわ」と言われ呆然とする翔が、家族から将来の希望を聞かれ葛藤する様子が映し出されていく。

 映像の後半は、崎山蒼志が本作のために書き下ろした主題歌「ただいまと言えば」が流れる中、さいとうなり、リリー・フランキー、原日出子、高良健吾、安部賢一、杉野希妃、大塚まさじら脇を固めるキャストも登場。最後は、太鼓の音が鳴り響く中、何かを決意したような表情の翔が前に進む姿で終了。青春の意味さえ知らない少年たちの悩みや焦り、人生への希求、人の温もりを求める叫び、また、彼らを見守る親世代の温かいまなざしも繊細に描かれた本作の一端が垣間見られる予告映像となっている。

 予告映像で初解禁された主題歌「ただいまと言えば」の作詞・作曲・歌を担当したのは、リリー・フランキーが「天才です」と賞賛した現役高校生シンガーの崎山。池田たっての希望で今回のコラボレーションが実現した。本作の脚本を何度も読んだという崎山は、10代の震える心で、大切な人や故郷への愛を、登場人物に寄り添って優しく歌い上げている。

 崎山は、主題歌を手掛けることになったいきさつについて「この楽曲は昨年2019年の7月頃、池田監督が司会をしていらっしゃる NHK『The Covers』の収録後に翌日の学校に備えバタバタと品川駅から新幹線に駆け込み、席に座り、すとーんとした気持ちで不意に生まれた『ただいまと言えば〜』というフレーズがベースになっています。その後、有難いことにこの映画の主題歌をやらせていただくことになり、脚本を読ませていただき、『ただいまと言えば〜』というフレーズが頭をよぎりました。そのフレーズを核に、脚本を読んでインスピレーションを受けながら他の部分の歌詞を書き、曲をかき上げました」と説明。本作については「力強く美しく素晴らしい映画です。静かに滾(たぎ)るような、今悩む多くの方々に観てほしいと僭越(せんえつ)ながら思います」と語っている。

 映画『夏、至るころ』は12月4日より全国順次公開。