本日公開のスペイン・フランス合作映画『おもかげ』より、本編映像と場面写真が解禁。本編映像は、ヒロインが、10年前に失った息子の面影を持つ少年と初めて言葉を交わす、運命のターニングポイントとなる場面を収めている。

 幼い息子を失ったひとりの女性の希望と再生の旅路を描いていく本作は、スペインの新鋭ロドリゴ・ソロゴイェン監督が2017年に製作した18分の短編映画『Madre』が出発点。同作は、第91回アカデミー賞で短編実写映画賞にノミネートされたほか、世界各国の映画祭で50以上もの賞を受賞し世界的な注目を集めた。

 ソロゴイェン監督は、本作で、緊迫感あふれるワンシーンで作り上げた『Madre』を映画のオープニングシーンとして採用し、息子を失った女性エレナの<その先>の物語を描いた。スペイン出身の女優マルタ・ニエトが前作に続き主人公エレナ役を務め、女性の繊細さと迫真さが共存する圧倒的な演技を披露。2019年の第76回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門に選出され、ニエトが女優賞を受賞したほか、スペインで4つもの主演女優賞を獲得した。

 エレナの幼い息子が、旅先のフランスの海辺で失踪してから10年。彼女は地元のスペインを離れてフランスへと移り、その海辺の町ヴュー=ブコー=レ=バンにあるレストランで雇われ店長として働いていた。そんな夏のある日、エレナはその海辺で息子の面影を宿す少年ジャンと運命的に出会う。

 今回解禁された本編映像は、後日、エレナの仕事中にジャンが突然レストランに現れるシーン。店に入ってすぐコーヒーを注文するジャン。コーヒーを入れながら、エレナは窓際に座るジャンを見つめ、ジャンのくちびると目が大きく映し出される。ふたりが言葉を交わすのはこの日が初めてだが、ジャンは遠慮なく「料理はおいしい?」「自分なら客として来る?」などとしきりにエレナに話しかける。それに対して、努めて冷静に振舞おうとするエレナ。それには理由があるのだが…。

 息子が失踪して以来、長い間暗闇から抜け出せずにいたエレナだったが、この会話から始まるジャンとの交流がようやく一歩を踏み出すきっかけとなっていく。ソロゴイェン監督は「息子を失ったエレナが、今になってその面影を鮮明に蘇らせるような少年と出会ったらどうなるでしょう。それが自分の息子ではないことを彼女は分かっています。実際、その少年はフランス人で、彼女の息子であるはずがないのです。それでも彼女は一緒にいたい。彼を知るために」とエレナの心情を語る。

 ジャンを演じるのは、11月6日より日本で公開される映画『PLAY 25年分のラストシーン』にも出演しているフランス出身の19歳の新鋭ジュール・ポリエ。映画出演3作目となる本作で初めてのメインキャストを務めたジュールは、初めて脚本を読んだ当時を振り返り「とても心を動かされました。ストーリーと登場人物たちにものすごく魅了されたんです。読み終わって、正直とても混乱もしましたよ。でもひとつだけ確かだったのが、僕がこの作品を好きだということへの確信でした。脚本を読んだあと、すぐにやりたい! と思いました。ジャンというキャラクターにとても魅力を感じたし、この役を演じたらとても面白いに違いないと思えました」とコメント。

 場面写真は、エレナとジャンが共に過ごす様子を切り取ったもの。手をつなぎ見つめ合う姿、笑顔で共に食事する姿、同じイヤホンで何かを聴く姿、寄り添うように海辺を歩く姿など、どれも2人がまるで恋愛をしているような、親密な雰囲気が漂う写真となっている。

 映画『おもかげ』は公開中。