「集英社 新事業ローンチ発表会」が1日、オンラインにて行われ、同社デジタル事業部の岡本正史氏が出席。“マンガを、受け継がれていくべきアートに”というヴィジョンのもと「マンガアート」作品を制作するととともに、世界に向けた越境EC事業を立ち上げることを発表した。

 新事業は、マンガ作家の画業に新たな光を当て、その作品に「美術品」としての永続的な価値を与える新しい取り組み。「SHUEISHA MANGA‐ART HERITAGE」と題し、最良の印刷技術とマテリアルで、クオリティの高い「マンガアート」作品を制作する。

 今回の会見では、「マンガアート」を「REAL COLOR COLLECTION」「THE PRESS」「THE ORIGINAL」という3つのレーベルで制作・販売することを発表。

 「REAL COLOR COLLECTION」では、カラー作画を耐久性・耐光性のあるインクを使い、保存性の高いコットン100%の用紙にプリントし、原画サイズの作品とA1(またはA2)サイズの作品とセットで販売する。岡本氏は、「細かな髪の毛のタッチやハイライトまで、拡大することで初めて見ることができるディティールが出てきます」と説明。これらは、オリジナルボックスに入れて届けられる。

 「THE PRESS」では、現在はほとんど見られることのなくなった活版平台印刷によって印刷された原画アートを作成する。岡本氏は、『ONE PIECE』の原画を例に挙げ、「ジャンプ誌上においても、コミックスにおいてもフルフレームで絵を見ることはありません。尾田(栄一郎)先生は、本来は切られてしまうところまで絵として描かれており、それを再現するのがこのシリーズです。マンガらしいというところを突き詰めてこの印刷方法になっています」と語った。

 最後の「THE ORIGINAL」は、インクジェットプリントに彩色されたもので、基本的には、ギャラリー等でオークション形式で販売をしていく予定だという。

 また、いずれの作品にも、その価値を保証し、次の世代へと引き継いでいくために、ブロックチェーン証明書を発行し、来歴を永続的に記録していく。

 岡本氏は、「元の原画を上回るクオリティを担保するのがマンガアート」と改めて力を込め、これらの事業を通し、「最初の5年間で100億円、さらに10年間で500億円規模の市場に成長させられればと思っています。僕らだけでなく、いろいろな会社さん、出版社さん、漫画家さん、アートギャラリーが参加してくださると実現に近づくと思います」と展望を語った。