第70回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(最優秀女優賞)と国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)をダブル受賞したクリスティアン・ペッツォルト監督最新作『水を抱く女』より、本編映像が解禁。後に激しく惹かれ合う、ヒロインと潜水作業員の男性の衝撃的な出会いのシーンを収めている。

 本作は、ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)受賞作『東ベルリンから来た女』(2012)など社会派で知られるドイツの名匠クリスティアン・ペッツォルト監督が、“水の精・ウンディーネ(オンディーヌ)”の神話をモチーフに描くミステリアスな愛の叙事詩。「愛する男に裏切られたとき、その男を殺して水に戻る」という切ない宿命を背負った女の物語が、官能的なバッハの旋律にのせて、現代都市ベルリンで幻想的に蘇る。

 今回解禁されたのは、数奇な運命に導かれ激しく惹かれ合うことになるウンディーネ(パウラ・ベーア)とクリストフ(フランツ・ロゴフスキ)が初めて出会う、衝撃的な場面を切り取った本編映像。恋人ヨハネスから別れを告げられたカフェに戻り、彼を探すが、もう姿はなく茫然とするウンディーネ。そんな彼女の耳に「ウンディーネ…」と水槽からささやく声が。はっとする彼女の前に、潜水作業員のクリストフが現れる。

 クリストフはウンディーネをお茶に誘うが、なぜかウンディーネは黙ったまま。あきらめて帰ろうとした瞬間、クリストフは戸棚にぶつかり、その反動で音をたてて水槽が揺れ出す。危険を感じたウンディーネがとっさにクリストフに飛びつき助けた瞬間水槽は割れ、二人は砕け散った水槽の水を浴びて、びしょ濡れで床に倒れこむ。

 ウンディーネのシャツの胸の部分が赤く染まり、ガラスの小さな破片が刺さっているのを見つけたクリストフは「動かないで」と諭し「痛みます?」と刺さった破片を丁寧に取り除く。そんなクリストフを見つめるウンディーネ。そして、初めて見つめ合う二人。どこか官能的な雰囲気が漂う、彼らの衝撃的な出会いを収めた場面となっている。

 ペッツォルト監督の前作『未来を乗り換えた男』にも出演し、本作が2度目の共演となるパウラとフランツ。ペッツォルト監督は「『未来を乗り換えた男』の撮影中、映画に出てくるピザ屋でのランチタイムに、私は二人にまだ初期段階の本作の企画を話したんだ。私も楽しかったし、二人も物語を楽しんでくれていることに気づいたよ」と秘話を明かしている。そんな名匠から全幅の信頼を受け、再タッグを組んだパウラとフランツが紡ぎだす、濃密で官能的な映像世界をスクリーンで堪能したい。

 映画『水を抱く女』は3月26日より全国順次公開。