芥川賞作家・今村夏子のデビュー作『こちらあみ子』が実写映画化され、主人公あみ子の両親役を俳優の井浦新と女優の尾野真千子が務めることが発表された。あみ子役はロケ地広島でのオーディションで選考する。

 原作小説は『むらさきのスカートの女』で第161回芥川賞を受賞した今村のデビュー作で、第26回太宰治賞、第24回三島由紀夫賞をダブル受賞した。これを映画化する本作は、7月に原作の舞台でもある広島オールロケにてクランクイン予定。主人公あみ子役をはじめ、あみ子の好きなのり君、同級生の坊主頭、あみ子のお兄ちゃんの孝太など、子どもたちの主要キャストは、純粋さや素直さをなるべく自然体で表現するべく、演技経験の有無を問わずオーディションにて選考する。第2回オーディションは5月下旬にロケ地広島にて開催予定だ。

 井浦はいつも家族を見守る「父」役、尾野は書道教室の先生で、おなかには赤ちゃんがいる「母」役を務め、オーディションで選ばれる子どもたちと共に本作の繊細で色彩豊かな世界観を創り上げる。

 監督・脚本は、大森立嗣監督をはじめ日本映画界を牽引する監督たちの現場で助監督を務めた森井勇佑。自身が映画化を熱望していたこの作品で監督デビューを果たす。

 森井監督は「『こちらあみ子』をはじめて読んだ時、僕はあみ子のことを友達のように感じました。あみ子は面白いヤツです。その面白さをみんなに伝えたい。それは僕が中学生のときに思ったことと、きっと地続きなんだと思います。それ以来、この小説を映画にしたいと強く思い続けてきました。あみ子という存在は、映画で撮るべきだと思ったのです」とコメントしている。

 なお、本作の製作応援を目的としたクラウドファンディング(MOTION GALLERY)の実施も決まった。

■森井勇佑監督コメント
僕がHi8のビデオカメラで遊び始めたのは、中学1年生の頃でした。
友達3人くらいと『男プロダクション』と名乗り、高校を卒業するまで30本ほど遊びで映画を撮りまくりました。
たいていの友達はカメラの前に立つだけで恥ずかしくて笑ってしまいます。でもそんな中でなぜか、ほとんど笑わずカメラ前で堂々と立っていられるヤツがいました。
そいつはぶっきらぼうで、ときどき奇行もするので、学校では浮いた存在でした。でも映画に出るのはすごく好きだったようで、「次は何をとるんや」「映画はとらんのか」としょっちゅう催促されました。今思えば、そういうヤツだったからこそ、存在が面白く、僕らも映画を撮りつづけたのだと思います。
「こちらあみ子」をはじめて読んだ時、僕はあみ子のことを友達のように感じました。
あみ子は面白いヤツです。その面白さをみんなに伝えたい。それは僕が中学生のときに思ったことと、きっと地続きなんだと思います。
それ以来、この小説を映画にしたいと強く思い続けてきました。あみ子という存在は、映画で撮るべきだと思ったのです。
「こちらあみ子」が初監督作品になることは、自分にとっては必然的なことだと感じています。
覚悟を持って挑みます。と同時に、最高に嬉しいです。ワクワクして仕方がありません。