作家・安部公房の戯曲を加藤拓也の演出で上演する舞台『友達』の東京公演が、本日9月3日、新国立劇場小劇場で幕を開けた。初日にあたり、キャストの鈴木浩介、山崎一、林遣都、有村架純がコメントを寄せた。

 本作は、主人公の「男」が見知らぬ「9人家族」に訳の分からないまま自分の部屋を占拠されていく不条理劇。安部の傑作戯曲に、劇作家・演出家の加藤拓也と15人の俳優陣が挑む。

 不条理な状況に追い込まれていく鈴木浩介演じる「男」に迫るのは、安部公房スタジオ出身の浅野和之演じる祖母を筆頭に、父母(山崎一、キムラ緑子)、3人兄弟・3人姉妹(林遣都、岩男海史、大窪人衛、富山えり子、有村架純、伊原六花)の9人家族。そこに、内藤裕志、長友郁真、手塚祐介、西尾まり、鷲尾真知子が加わった盤石の布陣が小劇場空間に登場する。

 ある夜、ひとりの男(鈴木)の日常に忍び寄る、見知らぬ「9人家族」の足音。祖母(浅野)、父母(山崎、キムラ)、3人兄弟(林、岩男、大窪)、3人姉妹(富山、有村、伊原)から成る9人家族は、それぞれに親しげな笑みを浮かべ、口々に隣人愛を唱えながら、あっという間に男の部屋を占拠してしまう。何が何だか分からないまま、管理人(鷲尾)、警官(長友、手塚)、婚約者(西尾)、弁護士(内藤)と、次々に助けを求め、この不条理な状況を解明しようと試みるが、らちがあかない。しかも、彼らは、どんどん「家族の論理」に加勢していく…。

 鈴木浩介は「この戯曲は、僕がかつて所属していた劇団青年座で初演された伝説的な戯曲です。今、こうして『男』という役を演じる機会をいただけるなんて、不思議なご縁を感じています」、山崎一は「加藤さんの稽古の進め方から言葉、指示に至るまで初めてのことばかりの稽古場でした。この新世代の”得体の知れなさ“に出会えたこと、探求できたことに、ずっとワクワクし続けている自分がいます!」とコメント。

 林遣都は「今回の作品は、自分の価値観とは違う次元で生きている役で、加藤さんは自分では到底到達できない視点を提示してくださいました」、有村架純は「何度台本を読んでも、私の頭だけでは到底理解には辿り着けないだろうと思いながらの稽古でしたが、そんな時間も心底楽しく、カンパニーの皆様と一緒に、無事に初日を迎えました。とても幸せです」と話している。

 シス・カンパニー公演『友達』は、東京公演が新国立劇場小劇場にて9月3〜26日、大阪公演がサンケイホールブリーゼにて10月2〜10日上演。