俳優の神尾楓珠が主演する映画『20歳のソウル』の追加キャストとして、女優の尾野真千子の出演が発表された。奇跡の応援曲を残した主人公の青年・浅野大義(神尾)の母親を演じる。

 本作は、千葉県船橋市立船橋高校に代々受け継がれている応援曲「市船soul」を作曲した一人の青年・浅野大義さんと、市船吹奏楽部の絆が生んだ奇跡をたどった小説『20歳のソウル 奇跡の告別式、一日だけのブラスバンド』(小学館)および『20歳のソウル』(幻冬舎文庫)の映画化。

 応援曲「市船soul」は、「ソウルが流れると点が入る!」「市船のチャンステーマ」など、市船を勝利へ導く神応援曲としてSNS上で話題になった。そしてその名曲誕生の裏側には、がんにより20歳の若さで短い人生の幕を閉じた浅野大義(たいぎ)さんという青年がいた。

 生前、市船の吹奏楽部員だった大義さんは、野球部を応援する曲を作りたいと「市船soul」を作曲。完成したその楽曲は、運動部員たち、一緒に青春を過ごした吹奏楽部の仲間たちを勇気づけ、さらには病に侵された彼自身にも生きる力を与える曲になった。

 大義さんの告別式には、吹奏楽部顧問・高橋健一先生の「大義のために演奏しよう」という呼びかけに、164名もの市船吹奏楽部OBが集まり、1日だけのブラスバンドを結成。「市船soul」を演奏し、大義さんを送り出した。大義さんの母・浅野桂子さんは、告別式での出来事を新聞に投稿。記事を読んだ原作者・中井由梨子は、桂子さんに直接取材をし、大義さんの物語を小説化。そして映画化につながった。

 尾野真千子が演じるのは、大義さんの青春を支え、また息子の闘病を最期まで明るく勇気づけた母・浅野桂子役。実在の女性を演じた尾野は「やはり実在する母というのはとてもやりにくいものです。ですが、とてもやりがいを感じました。本当の話に失礼のないように、当時を思い出して辛くさせるだろうとわかっていましたが家族の方に当時の事を質問し、撮影に挑みました。おかげさまで息子を全力で愛し、物語に向き合う事ができたように思います」と話している。

 原作者であり、本作の脚本も担当した中井は「尾野真千子さんが桂子さんの役をお引き受けくださったと聞いたときは、朗らかな明るい笑顔と笑い声、そして何よりさっぱりとした気丈な雰囲気が、桂子さんと強く共通していると感じました。撮影現場で尾野さんと今回の役についてお話させていただいた時、『どのシーンを読んでも涙が出てくる』と仰っていました。その言葉通り、尾野さんはスクリーンの中で、笑顔の下に常に涙を湛えている桂子さんの繊細さを丁寧に汲み取りながら存在してくださいました」とコメントしている。

 映画『20歳のソウル』は、2022年全国公開。