アニメ『ルパン三世』のテレビスペシャル全27作品から視聴者投票で第1位に選ばれた『ルパン三世 ワルサーP38』(1997年)が、今夜『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にて放送される。ルパンの声を務める栗田貫一が収録当時の思い出を語った。

 本作は、歴代テレビスペシャルの中でも随一と言われるシリアスなストーリー。暗殺集団タランチュラのアジトに潜入したルパンは、組織の一員であるヒロイン・エレンが抱える悲しみと、ルパン自身の“忌まわしい過去”と向きあい、決死の戦いを挑む。

 栗田にとっては、亡くなった山田康雄さんからルパン役を引き継いで3作目のテレビスペシャル。当時は毎回大変なプレッシャーの中収録に臨んでいたという。

 「当時は、そもそもやりようが分かってないから。だってさ、横をみたら納谷(悟朗)さんや(小林)清志さんが立ってしゃべってる、どうしたらいいんだみたいな。山田(康雄)さんがやってるところ見たことないんだから」と栗田。「よしんば僕が昔山田さんの現場を見てて、ああやってこうやってしゃべるんだなって分かってれば…と思うけどさ、とにかくしゃべるのでいっぱいいっぱいだし、そういう意味では緊張っていうか、余裕ないですよ」と当時を振り返り、「高校野球やってたらいきなり大リーグのマウンド立たされて、大谷の後守ってくれって言われたみたいなものですよ」と語った。

 さらに、「あの頃は、アフレコの前に一回山田さんになって、山田さんからルパンになって、それでやっていた感じ。自分っていうのはないわけだよね、山田さんにならないとできない」とした上、「実は今でも、毎週アフレコの時は、家出る前に『カリ城』の名シーンをまとめたのを見て、“山田さんの音”を入れていくんです」と明かした。

 本作の出来栄えについては「この頃は声優の皆さんも一番艶が出てると思うし、どこをとってもルパン三世みたいな作品だからね」と話し、最後に「僕は33年3月3日生まれで、平成3年3月3日に33歳、今年・令和3年3月3日に63だから、3にまつわってずっと…。で、ルパン“三”世。アニメ化50周年、大塚明夫も入ってきた。これは絶対なんかあるんだと思っています。これからもルパンにご期待ください!」とメッセージを寄せた。

 一方、当時のプロデューサーだった中谷敏夫氏(日本テレビ)は本作について、「TVSPや劇場映画は、『壮大なお話にしたい』、『盗むものもデカいものを』という流れになりがちですが、本作では、企画の当初から『一番大切なもの』ってなんだっけ?と考え、ワルサーP38でなにか考えようとなったように記憶しています」と回顧。

 当時の栗田については「『亡くなった山田康雄さんのピンチヒッター』として自分がやっている、というスタンスで参加してくれていたように思います」と語った上、栗田がルパン役を引き継ぐことになったきっかけについて、「山田さんがまだご存命の時に、親交のあった栗田さんが、山田さんの留守番電話にふざけてルパンのモノマネで吹き込んだのが何かのご縁。山田さんご本人から『俺の次は栗ちゃんだな〜』と洒落っぽく『任命』されたという裏話があるんです」と明かした。

 アニメ『ルパン三世 ワルサーP38』は、『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にて今夜10月22日21時放送。