5月2日(日)から5月5日(水・祝)までの4日間、千葉市蘇我スポーツ公園にて開催された音楽フェスティバルJAPAN JAM 2021。2年ぶりに開催された本フェスティバルは、コロナ禍で、厳重な感染防止対策がなされた中で行われた。フェスの初日5月2日(日)の大トリは、2020年に10周年を迎えた[Alexandros]が務め、強い風が吹く中で“ライブだからこその醍醐味”を見せてくれた。(文=西門香央里)

■オープニングから盛り上がる会場

 夕日が沈む頃、突然の雷注意報で一時中断に見舞われたが、SKY STAGEには多くの観客が集まりはじめた。広々としたステージ前では、お互いの距離を気にしながらも、最後のアクト[Alexandros]の登場をいまかいまかと待ちわびる観客の熱気が帯びていた。そんな中、ついにJAPAN JAMのスタッフジャンパーを着た川上洋平(ボーカル&ギター)が、メンバーを率いて登場。割れんばかりの拍手で迎えられた。

 オープニングは「Burger Queen」。徐々にステージのボルテージが上がっていく中で、客席も少しずつ熱が上がっていく。そして、1曲目の「For Freedom」が始まると、一気に盛り上がる。曲の途中で川上が「いくぞ! JAPAN JAM!」と叫び、一斉に客席から手が上がった。演者と観客の相乗効果が生まれてくる瞬間だ。これこそリアルなライブの醍醐味なのだ。

 曲が終わると、客席からは歓声の代わりに大きな拍手が送られる。今回のフェスティバルでは、感染防止対策により、声を一切出すことができないからだ。ライブはコール&レスポンスによるコミュニケーションも1つの楽しみではあるが、今回はそれができない。しかし、それを補うように観客たちは拍手や、手拍子、拳でアーティストたちの素晴らしいステージに応えていた。

■新曲「閃光」を披露!

 「Stimulator」、「Beast」、「Kick&Spin」と立て続けにパフォーマンスした後、川上が「こんばんは、JAPAN JAM! [Alexandros]です!」と挨拶。「デビューしてから一番感動しています」と昨年なかなかライブができなかった悔しさと、フェスへの喜びを滲みだしながら客席を見渡した。「この光景をまた見られると思いませんでした。本当にありがとうね。本当に」とお礼を述べると、それに応えるように客席からは大きな拍手が起きた。その拍手を受け止めると「今日が最高だったと言わせましょう! 最後までよろしくです!」と叫んだ。

 続けて磯部寛之(ベース&ハーモニー)が「みんな本当によく来たね」と、来場してくれた多くの観客たちにお礼を述べた。「この景色が見られることができて、僕たちもありがたさをかみしめています」と一言。再び、客席からは大きな拍手が巻き起こった。

 川上が「彼が入ってから初めての有観客ライブです」と新メンバーであるドラムスのリアド偉武を紹介し、「次の曲は加入後初の新曲です」と新曲「閃光」を演奏することを予告。そして「みんなと一緒に歌うパートがあるのに歌えないのが悲しい。心の中で歌ってください」と告げると、「閃光」で再びステージに戻った。

 疾走感のあるサビが印象的な「閃光」はまさに[Alexandros]印といった感じの楽曲だ。川上の言葉通り「一緒に歌うパート」が用意されていたが今回、客たちは手を振り上げたり、手拍子やジャンプをしたりすることで応えていた。声が出せなくても、ステージのアーティストに返す方法はあるのだ。ライブで感じたことを返す方法はいくらでもある、これも“コール&レスポンス”の形なのだろう。

 続けて「Starrrrrrr」、「風になって」、「Mosquito Bite」と演奏し、「来てくれてありがとう! また遊ぼうね」と川上が叫んだ後「PARTY IS OVER」で[Alexandros]のJAPAN JAMでのステージは終了した。

■コロナ禍で記念となったフェス

 今回のJAPAN JAMは、声を出しての歓声はもちろん、ハイタッチなども禁止、ステージ前方席では人数制限がされるという状況ではあったものの、訪れた観客のほとんどがそのルールを守っている姿が印象的だった。

 [Alexandros]の磯部はライブ中のMCで、「来てくれるみんなにも、ここで変なことを起こさないという気迫があるからこそできるフェスだ」「エンタメがやっていけるきっかけになる記念のフェスになると思う」と話していたが、今年のJAPAN JAMは、客とアーティスト、そして運営スタッフたちの気持ちが一つになった、記念のフェスになったことだろう。

 アーティストたちにとって今まで当たり前でやってきたことがコロナでできなくなり、ライブの大切さを知る機会になったはずだ。久しぶりに開催された有観客での今回のフェスティバルは、彼らにとっても強く心に残るものになったのかもしれない。やはり、ライブは“ナマモノ”だ。このフェスが1つのきっかけになり、コロナ禍でもライブが楽しめる状況になってほしいと、願ってやまない。