ラブロマンスやラブコメに欠かせない“2番手”の存在。韓国ドラマの中から、主人公よりも気になってしまう、忘れられない印象深いキャラクターをご紹介します。大切な人を心から思う彼らの選択を、最後まで一緒にそっと優しく見届けてあげませんか。(文=ヨシン)

■すっかりファンになるハン・ジピョン

 『スタートアップ:夢の扉』のハンチーム長ことハン・ジピョン(キム・ソンホ)は、クールなやり手投資家である反面、恋にはウブで負けず嫌い。本作が、そんな彼なくしては成立しないドラマになった理由は、いつの間にか「幸せになってほしい」とフィクションを越えた願いを届けてしまうほど、応援できる背景を持っているからです。

 起業を目指す主人公ソ・ダルミ(ペ・スジ)は、会ったことのない昔の文通相手、ナム・ドサンを忘れられずにいました。実はドサンは架空の人物で、ジピョンの恩人であるダルミの祖母の頼みで、ジピョンがドサンになりきって手紙を書いていたのです。ところが、大人になって再会した二人の前に実在するナム・ドサン(ナム・ジュヒョク)が現れ、ダルミに真実を隠したまま三角関係になってしまいます。ジピョンは、ダルミ率いるスタートアップチームに投資家として意見する時はカッコよく頼れる存在なのに、ダルミ個人のことになるとドサンとバチバチに競う少年になり、そんな“らしくなさ”につい笑みがこぼれます。ダルミの気持ちを知りながら、ダルミの夢をそばで支えるジピョンに何度も心を打たれ、すっかりファンに...。

 ちなみに、キム・ソンホは、8月28日からNetflixで配信スタートした『海街チャチャチャ』にも、“何でもできる万能ニート”のホン・ドゥシクとして出演。都会から来た歯科医ユン・ヘジン(シン・ミナ)が海辺の町コンジンでドゥシクと出会うラブコメディとなっています。本作が、キム・ソンホふんするキャラクターに今度こそ幸せになってほしいと願う視聴者の思いを受け止めてくれるのか、期待大です。

■最後まで傷つけなかったキム・シニョク

 最後まで大切な人を傷つけない選択をした男、キム・シニョク(チェ・シウォン)は、『彼女はキレイだった』の主人公キム・ヘジン(ファン・ジョンウム)の勤務先である雑誌編集部の先輩記者。ヘジンは、幼なじみのチ・ソンジュン(パク・ソジュン)と15年ぶりの再会を約束しますが、ある事情で自分の正体を隠したまま、上司と部下として同じ職場で働くことになります。

 ソンジュンに対するもどかしい気持ちを抱き、自分に自信が持てない日々を送るヘジンを、「ジャクソン!」と呼び止め、とびきりのスマイルと全力のギャグでいつも隣で支えたのがシニョクでした。先輩でありながら、友達のように陽気で「変人」と呼ばれるやんちゃぶり。この“強引さ”が“優しさ”に感じた時、すっかりシニョクに魅了されていることに気付くことでしょう。『スタートアップ』のジピョンとは逆で、シニョクが真剣な表情をみせる時のギャップは、緊張感と切実さが倍増し、物語をより深いものにしています。

 また、日本のリメイク版では、赤楚衛二がシニョク役にあたる樋口拓也を好演。役柄のイメージに違いはありますが、“大切な人を傷つけない”姿勢は変わらず、ドラマを盛り上げているのでこちらにも注目です。

■純粋な思いが輝くヤン・ドヒョク

 『わかっていても』で、パク・ジュオン(ソン・ガン)やユン・ナビ(ハン・ソヒ)をはじめとするキャラクターたちが現代の恋愛模様を見せる中、ヤン・ドヒョク(チェ・ジョンヒョプ)の存在に癒された方もいたのではないでしょうか。

 非恋愛主義者ジュオンに恋をしても幸せになれないと“わかっていても”ジュオンを忘れられないナビ。そんな時に、幼なじみのドヒョクと再会します。ジュオンとは正反対で、ナビだけに尽くし安心補償100%の“安らぎ”を与え、気持ちを言葉で伝えてくれるドヒョク。そんな相手を選ぶ方が幸せだと“わかっていても”飛び込めないのが作品のテーマでもありますが、だからこそドヒョクの純粋な思いや行動が輝いてみえました。もう少しドヒョクを楽しみたい方は、原作のウェブトゥーンを追いかけてみるのもオススメです。

 さらに、ジョンヒョプは『シーシュポス:The Myth』でも片思いをする青年ソンを演じています。本作は、世界を救う鍵となるハン・テスル(チョ・スンウ)が、彼を守るために未来から現れたカン・ソヘ(パク・シネ)に出会って人生が変わり、ソへに特別な感情を抱くという物語。ソンは、ソへが自分に恋愛感情がないと“わかっていても”命がけで好きな人を守る選択をします。ドヒョクとソンは派手さはないですが、自分の気持ちに正直に大切な人に向かう姿は勇しくみえました。彼らが願った結末を迎えられなくても、「君ならもっといい人と出会えるはず!」と思ってしまったのは、筆者だけではなかったのではないでしょうか。