幸せのカタチ=“スーパーリッチ”を追い求める女社長・氷河衛(江口のりこ)のジェットコースターのような半生を描くテレビドラマ『SUPER RICH』(フジテレビ系/毎週木曜22時)。本作は、仕事一筋で生きてきた衛が、貧乏な専門学生・春野優(赤楚衛二)と出会うことで、新たな価値観を見出していく物語だ。10月14日(木)に放送された第1話では、衛の会社に史上最大の危機が訪れる。優は、そのピンチを救うことができるのだろうか…。(文=菜本かな)※本記事はネタバレを含みます。ご注意ください

■衛の人生が急降下 初回から容赦のない展開に

 「私ね、生後0日から金持ちなんですよ」――。生まれて初めてもらったのは土地で、次にもらったのは馬…。どうやら、衛はただの金持ちではない。生まれながらに、“スーパーリッチ”な人生を約束された選ばれし人間のようだ。
 
 しかし、彼女は幼少期に両親を事故で亡くし、愛に飢えた日々を過ごしてきた。よく、「お金と愛、どちらが大事?」なんていう問いかけを耳にするが、衛なら「お金!」と即答するだろう。その胸の奥には、「愛」と答えたい自分がいるのかもしれないが。

 そんな衛の唯一の“居場所”が、電子書籍を手がけるベンチャー企業“スリースターブックス”。彼女は、その代表取締役CEOを務めている。会社には仲間がいて、二人三脚で会社を成長させてきた同志・一ノ瀬亮(戸次重幸)との関係も良好…なはずだった。彼が、逃亡するまでは…。

 一ノ瀬は、反社と知っていて(?)石高興行の関連会社に投資をしてしまう。それだけでなく、会社の金も持ち逃げ。だが、そこまでされても、衛は一ノ瀬のことを憎みきれない。大手IT企業の取締役であり、衛の憧れの先輩でもある島谷聡美(松嶋菜々子)に、「(取引を続けるには)一ノ瀬をクビにすること」と言われても、その条件を断ってしまうのだ。

 「なぜ?」と思ってしまうが、衛にとって一ノ瀬は、孤独だった自分に“居場所”を作ってくれた恩人なのかもしれない。大学時代から二人三脚で大きな夢を目指してきた日々を、否定したくないという思いもあるのだろう。

 その年を代表する女性起業家に贈られる“プラチナ・ウーマン・オブ・ザ・イヤー”を受賞するなど、“成功者”としての人生を歩んできた衛が、無一文になり、「お金を貸してください」と土下座をする姿には胸が締め付けられた。信頼していた同志に裏切られ、唯一の“居場所”も失ってしまうかもしれない。そして、自分の支えとなっていた“お金”までも…。初回から容赦のない展開に、ジェットコースターに乗っているかのようなスリルを感じた。

■優(赤楚衛二)の愛くるしさに反響

 そんな衛を救う存在になりそうなのが、優だ。裕福な生活を送ってきた衛に対し、優は1円の重みを知っている。二人で10万円のディナーを軽々と食べていた彼女が、優と一緒に500円のラーメンを食べた時。もちろん、お腹が空いていたというのもあるだろうが、心の底からの笑顔を見せていた。その姿を見ると、本当の幸せはお金では買うことができないのだと思わされる。高級ディナーは誰と食べてもおいしいはずだが、安価なものでも、一緒に食べたら「幸せ」だと思える人に出会うことは、きっと奇跡なのだから。

 ただ優は、どうしても衛の会社で働きたいという願いを、現状受け入れてもらえていない。しかし、あの子犬のような目で見つめられたら、衛も敵わないだろう…。赤楚が見せるキュルルンとした上目遣いには、「赤楚くん四捨五入したら子犬じゃん」「最後の子犬感すごかった。あんなん拾ってしまうわぁ」と絶賛の声が上がっていた。

 赤楚は、前クール放送のドラマ『彼女はキレイだった』(カンテレ・フジテレビ系)では、ヒロインを支える男らしい先輩を好演していた。だからこそ、本作で見せるTHE年下男子の愛らしさには、ギャップを感じる。ネット上では、「めっちゃ安達みあるじゃん」と“チェリまほ”こと『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京)の安達清を思い出すとの声が多く上がっていたが、確かにあの守ってあげたくなる子犬感は似ている部分もあるかもしれない。“チェリまほ”ファン待望の赤楚&町田啓太の再共演は、第1話ではお預けになってしまったが、次回は二人の絡みを見られることを期待しよう。

 さて、第1話にして一文無しになってしまった元リッチウーマンの衛は、本当に大切なものを見つけることができるのだろうか。予測不能なスリリングストーリーは、毎週木曜日に喝を入れてくれる存在になりそうだ。