ヨーロッパ最大級のクルーズ会社、MSCクルーズの13隻目にあたる新造船MSCメラビリアが2017年6月に誕生。イタリア、マルタ、スペイン、フランスと地中海をめぐる7泊8日のクルーズの旅を提供しています。

 さて前回に引き続き、今日は2番目の寄港地ポルトガルの首都、リスボンに到着しました。坂道だらけで起伏にとんだ地形のリスボンは、「7つの丘の街」とも呼ばれています。

Day #04
アズレージョを眺めながら
リスボンの町を散策


アズレージョ(タイル)が陽光に映えるリスボンの町並み。


小さな住宅にも古く美しいタイルが嵌めこまれています。

 多くの乗客が下船して、静かになった船上でちょっとのんびりと朝食をとった後に、町の散策を。リスボンの町には、アズレージョと呼ばれるタイルが貼られた家が並んでいます。このアズレージョの模様が、家によってさまざまで、眺めていて飽きることがありません。


左:狭い坂道をいくトラム。フォトジェニックな風景のなかを走る28番の路線が観光客には人気です。
右:28番のトラムに乗ると、壁に手が触れられるくらい窮屈なスポットも。

 港から高台に向かうアルファマ地区は、18世紀の大震災の被害から逃れたため、昔のままの入り組んだ道が残るエリア。観光客にも人気の28番のトラムは、手を伸ばせば左右の壁に触れられるほど細い坂道を上ったり下ったり。


町の小さなレストランの壁には、ポルトガルの民族歌謡ファドに欠かせないポルトガル・ギターが描かれていました。

 疲れたら、カフェでナタと呼ばれるカスタード・タルトを食べて一休みを。パリッとした食感の皮のなかの、こんがりと焦げたカスタードが散歩の疲れを癒やしてくれます。


左:本場ポルトガルのカスタード・タルト。
右:アルファマ地区は、ちょうど聖アントニオ祭の最中で、一般の住宅の外にもさまざまな飾り付けがなされていました。


港の近くには、ファド博物館もあります。

イータリーのシェフズ・テーブルで
スペシャルな食体験を

 MSCメラビリアには、前々回紹介したメイン・レストランのほかに、寿司バーや鉄板焼き、ステーキハウスなど、クオリティの高い有料のスペシャリティ・レストランも揃っています。


アメリカ発のステーキハウス「ブッチャーズカット」。アイルランド産の高品質なビーフをじっくり熟成させてから調理するステーキが人気です。


左:『ベルリッツ・クルーズ・ガイド』で、洋上最高の寿司と評価されている「海渡(カイト)寿司バー」。
右:日本人寿司職人が握る新鮮な握り寿司を楽しめます。いま世界中で注目を浴びている和食だけに、バーの周りには常に多くの人が。


海渡寿司バーの隣が「海渡鉄板焼きレストラン」。シェフが目の前で調理してくれるスタイルはエンターテインメント性も高いのです。

 クルーズ料金には、メイン・レストランとビュッフェ・レストランでの全食事が含まれてはいるのですが、せっかくの機会。トリノ発のイタリア食材専門店イータリープロデュースのリストランテ・イタリアーノの、シェフズ・テーブルを予約してみました。


スローフードを掲げるイータリーのリストランテ・イタリアーノ。厳選された食材をつかったイタリア料理を召し上がれ。

 キッチンが窓越しに見えるシェフズ・テーブルでは、7つのお料理とそれに合わせて特別に選ばれた7つのワインのセットを毎晩限定12名に提供しているのです。


左:イータリーのシェフズ・テーブルからは、窓越しに忙しく働くシェフたちを見学できます。12人限定なので、乗船したら早めにご予約を。
右:お料理が出される前に、厨房チームのダニエル・モレノさんが登場。次なる一品に関して詳しく説明してくれます。

 それでは、この日のコース料理を紹介しましょう。

イータリーで
至福のディナータイム


まだほのかに温かいパンをコールドプレス製法でつくられたオリーブオイルにひたして。シェフズ・テーブルはテーブルウェアも特製なのです。

 お料理は、スイカで包まれたカリフラワーのピューレに始まり、スープ、ナスとチーズの前菜、魚料理、肉料理、チーズ、デザートと続きます。それぞれ配膳される前に、お料理の説明とワインの解説があり、期待が高まります。


1品目は、薄切りスイカで包んだカリフラワーのピューレ。上に添えられた酢漬けのフェネルとの相性も抜群です。


左:バジルとグリーンピースのスープに、カリカリのチーズとサラミの塩気がアクセント。ミントのさわやかさも加わって、さまざまなフレーバーが感じられます。
右:まるでカボチャのような味わいのスモークしたナスが詰まったパスタ。パルメザンチーズと松の実、セージをあしらった美しい一品。


左:4品目は、ワイルドサーモンとキャビアの豪華な料理。サーモンの下にある緑色のソースには、なんと抹茶が。海外だからこそ巡り会える和食材の使い方に、抹茶の可能性を再発見。
右:リブ、そしてサーロインと異なる部位をゆっくりと調理した牛肉料理。パースニップのマッシュの甘みとの組み合わせが絶妙です。


たんなるチーズの盛り合わせも、イータリーならこんなに彩り豊かに。灰で包んで熟成したゴートチーズと、ほのかな甘さのビートは互いに引き立て合う相性。


ポーチドペアに異なる食感のビターチョコレート、アニスやシナモンの味も加わって、いろいろな味を同時に楽しめるデザート。

 3時間以上の時間をかけて、7つのお料理とワインが終わる頃には、お腹も心も大満足。

 いくつもの小さなお料理と、それに合わせたペアリングワインのセットは、最近のヨーロッパのレストランの流行でもありますが、このイータリーのシェフズ・テーブルのセット(サービス料別で100ユーロ)は、かなりお値打ち。特別な気分を味わえるおすすめのセットです。


この日に供されたワイン7種。ゆっくりたっぷり、全行程3時間のまさにスローフードでした。

 MSCメラビリアには、イータリーのレストランのほか、カジュアルにイートインや食材の購入もできるイータリーのフード・マーケットも。その日の気分によって使い分けられます。


イータリーのフード・マーケットはカジュアルな食事ができると同時に、食材を買い求めることもできる場所。イタリアの絶品生ハムは、ぜひお試しを。

文・撮影=安田和代