いつか、いつの日か
口紅を塗らなくなる日を
予感させる口紅


リップスティック 全18色。上から:S03、S01、M03、M01、C06、C05 各3,200円/イプサ(2017/8/4発売)

 口紅が今、改めてブームである。といっても、“ぺったりと口紅を塗る”ブームではない。むしろ“あんまり塗らない”ブームといってもいいかもしれない。

 数年前に、“5分の2発色”を謳う口紅がキッカからデビューして、それって何? と、首をかしげた人もいたはずだが、これは発色をあえて抑えた口紅、これが思いがけず大ヒットしたことで、口紅って実はあまり発色しないほうがいいんじゃないか? という、これまでの常識とは全く逆の概念が突然のように躍り出た。何しろ、口紅の世界では、発色の良い口紅ほど良いという、絶対の法則があったのだから。

 でもコスメ業界自体が、実は発色しないほうがいいのかも……と気づいたとたん、「本当の意味で人をキレイにするリップメイク」が改めて始まったと言ってもいい。それ以降、薄づきの新しいタイプが続々デビューしているのだ。とても単純にグロッシーな、発色を抑えた口紅はもちろん、いわゆるティントタイプ、オイルインタイプなどもその一つな訳で……。

 そんな流れの中、さらに全く新しい位置づけの口紅がデビューする。1つは、イプサの口紅新ライン。一見普通の口紅に見えるけど、 これが誰も想像し得なかった特徴を持っていた。

 まず、口紅というものに私たち女が何を求めているのか? あるいは、自分は一体どんな女になりたいのか? そういう意味での深層心理を読み取ることによって、自分の使うべき色を探し出すという、全く新しい口紅カウンセリングを提唱する口紅なのだ。これが、コスメ市場で初めて本格的な個肌対応を提唱したイプサの仕事であることも、とても大きな意味を持つ。本当の意味で自分のコスメを見つけるシステム、またそれを見つけることがキレイの大前提という哲学を持っているブランドだからこそ、ここまでやってのけたのだから。

 方法は、様々な写真を使っての心理テスト。これと肌の血色や色相を読み取る肌診断との組み合わせによって、自分が使うべき口紅が提案されるのだ。ある意味でとても客観的であり、気づかなかった自分のキレイを見つける発見でもある。いずれにしてもハッとするほど新しい口紅との出会いがあるはずなのだ。

フローフシの斬新すぎるリップアイテム


LIP38℃ リップトリートメント SPF20・PA++ 全5種。上から:〈-2℃〉、〈±0℃〉、〈+1℃〉、〈+3℃〉、〈+5℃〉、各6.5mL 各1,600円/フローフシ

 さてもう1ブランド、これは今、何を作っても大きな話題になってしまう圧倒的な注目ブランド、フローフシ。滝の600倍のマイナスイオンを発生させるというエンドミネラルを独占的に使用できることで、代謝促進、及び血行促進アイテムを、意外な形で次々デビューさせているが、ついに挑んできたのがリップアイテム。これがまた意表をつく斬新すぎる製品となったのだ。

 それは、口紅というよりも、素のままの唇を美しくするための唇改善アイテム。これを独自のエンドミネラルと、驚いたことに乳酸菌を使っての保水力アップによって行うというものなのだ。少女の唇のように血色による自然な赤みとともに、みずみずしい潤いで満たされた、うるうるした湿気をも持った唇を日々育てていくというリップなのである。

 しかもネーミングは、リップ38℃。38度? 女は微熱を持った状態が一番美しいという発想から、38度の微熱を持ったような唇を作るのがテーマなのだ。だから、見た目にも体温をプラスマイナスしてコントロールするように、+5℃、+3℃、+1℃、±0℃、−2℃の5色を作った。

 つまり+5℃なら、もうそれだけで血色が美しいコーラル色の発色。+1℃のリップは、それこそ淡い桜色、一方、−2℃は、うっすらとグリーンを帯びたリップだが、これを真っ赤な口紅などに重ねると、程よく色がクールに抑えられ、ちょうどいい発色になるという、口紅色のコントロールまでしてくれる。

 正直、あまりに新しすぎて、感覚的についていけないという人もいるかもしれない。でも、一度使ってみれば必ずわかる。唇に塗ると、わずかにジンジンしてくるような手応えがあり、ほとんどその場で血行と保水力が高まり、ほんの少しの時間で唇が一気に若返る印象。唇荒れなど本当にどこかに吹き飛ぶのである。そして紛れもなく唇本来の色も明るくなっていく。

 極端な話、いつの日か、口紅は要らないと思うようになるのかもしれない。女が口紅を塗らなくなるなんて、地球規模の歴史的革命だけれど、それが大げさではないくらい、今口紅が進化しているということなのだ。その変化、決して見逃さないでいてほしい。ちゃんと自分の唇でその変化を体感してほしいから。

文=齋藤 薫,撮影=釜谷洋史