
累計発行部数400万部を超える二宮正明の同名ベストセラー・コミックを、オリジナルドラマシリーズとして実写化した、戦慄のヴィレッジ・サイコスリラー『ガンニバル』。完結編となるシーズン2が3月19日(水)からディズニープラス独占配信開始となりました。
新キャストとして『ガンニバル』の舞台、供花村(くげむら)にある来乃神(くるのかみ)神社の宮司の息子、神山正宗の若き頃を演じた倉 悠貴さんにインタビュー。『ガンニバル』への思いや役作りについてお聞きしました。
「日本にもこんなにすごいドラマがあるんだ!」と驚いた

――倉さんはもともと、『ガンニバル』がお好きだったそうですね。
倉 悠貴さん(以下、倉) はい、実写ドラマではじめて『ガンニバル』を知り、そこから大ファンになりました。
はじめにドラマを観てみようと思ったのは、片山慎三さんが監督をしていたからなんです。僕は片山監督の作品が好きで、なかでも『岬の兄妹』(2018年)という映画がすごく好きなんですが、『ガンニバル』も片山さんが監督だと知り、飛びついて観ました。
俳優のみなさんの演技力もそうですが、特殊メイクや撮影、舞台美術など、どれをとってもすごいハイクオリティで、ワンカット目からいきなりものすごい長尺で村の駐在・大悟(柳楽優弥)が猛り狂うシーン……。「日本にもこんなにすごいドラマがあるんだ!」と驚き、そこからハマって観ていました。

――そんな大好きな『ガンニバル』シーズン2のオファーを受けて、どのようなお気持ちでしたか。
倉 もちろん、すごくうれしいという気持ちはありました。でも、先ほどもお話ししたように、シーズン1のクオリティがあまりにも高かったので、「あの世界観に僕が入っていけるのだろうか……」という心配のほうが大きかったです。
正気から狂気へと変わっていく正宗を演じるのは、やりがいがあった

――今回、倉さんはかなり重要な役どころです。その重圧も大きかったのではないでしょうか。
倉 そうですね。僕は全編にわたって登場する役ではないのですが、僕が登場する第5、6話は、ほぼ僕と、後藤家前当主・後藤銀の若い頃を演じた恒松(祐里)さんがメインなんです。
全8話のうち、2話分でメインを務めるというのは、非常に大きなプレッシャーでした。撮影が終わったいまでも、果たしてちゃんとその大役を担えていたのかどうか、不安です。

――役作りも大変だったのではないでしょうか。
倉 はい、いままでやったことのないキャラクターだったので、役をつかむまでに少し時間がかかりました。これまで僕が演じてきたのは、暗くて陰のある役や、明るい髪色でチャラい役が多かったので、「なんでこの役が僕にきたんだろう……」という思いもありました。
でもせっかく選んでいただいたのだから、自分ができる「正宗」を精一杯やってみようと、役に挑みました。
僕が演じた神山正宗は、供花村にある来乃神神社の宮司の息子で、根はすごく真面目でピュアな人物です。それが後藤銀に出会って、「村を守りたい」という思いと銀への思いで徐々に狂っていく。その、正気から狂気へと変わっていく正宗を演じるのは、すごく難しくてやりがいがありました。

――倉さんが演じたのは、後藤家の過去の回想パートです。現代パートとの違いはどう意識されましたか?
倉 時代考証については、脚本にだいぶ助けていただきました。同じ方言でも、70年前と現代とでは少し表現やニュアンスが違うので、言葉遣いだけでも、かなり昔らしさは出せていると思います。
それよりも、「いいところのお坊ちゃん」の雰囲気を醸し出すことのほうが大変でした。村人から一目置かれている宮司の息子で、実際に「坊ちゃん」と呼ばれてもいるので、育ちの良さやまっすぐな人柄を表すために、立ち姿や話し方は、僕なりにかなり意識しました。
あと、大変だったのは雪道でのロケです。雪の中を歩くシーンが多かったのですが、歩き慣れていないので、滑ってNGになってしまうんです。正宗は雪道なんて歩き慣れているはずですし、雪道であっても凜として颯爽と歩かなければいけない。そこは苦労しました……。涼しい顔をして歩いていますが、裏では何回かNGを出しているので、ぜひ観ていただきたいと思います……。
現場の熱量はすさまじいものに

――アクションシーンもかなり多かったですよね。あれご苦労されたのでは。
倉 はい、僕はアクションが苦手なので、かなり苦労しました。
ただ、正宗は本来好戦的な人間ではありません。村のため、銀のために戦わざるを得ない状況に陥っていくので、「戦う」といっても泥臭く向かっていくしかない。そのへんはアドリブも含めて、「こういう動きにしたらどうか」という僕の提案を取り入れてもらいながら、現場で都度相談してやらせてもらいました。
正宗のアクションシーンがぎこちなく見えたら、「ぎこちない演技」なんだと思っていただけるとありがたいです(笑)。
――現場の雰囲気はいかがでしたか。
倉 率直に言ってハードでした。映像にも演技にも徹底的にこだわるので、毎シーン5〜6テイクは撮っていたと思います。僕は恒松さんとご一緒するシーンが多かったのですが、普段はすごく柔らかい方なのに、カメラが回ると急に圧力が上がるというか、気合いが入り、まるで別人のように近寄りがたいハードな雰囲気に変わって、喰われないようにするのに必死でした。
あっ、いま『ガンニバル』のキャッチコピーの「喰われる」と、雰囲気に「喰われない」をかけたんですけど……。伝わりました?(笑)

――すみません、流してしまうところでした(笑)。確かに俳優さん同士の演技のぶつかり合いもすごそうですね。
倉 作品自体が、明るくカラッとしたストーリーではないので、どのシーンも基本的に重いんです。そこに、俳優同士の演技のぶつかり合いみたいなものも加わって、現場の熱量はすさまじいものがありました。
恒松さんの演技を横で感じながらそんな現場に参加できたことは、僕にとってすごくありがたい経験になったと思っています。
――今回倉さんが演じたのは、橋爪功さんが演じる役の若い頃です。橋爪さんとは現場で役についてお話もされたのですか?
倉 それが、僕、橋爪さんとは、まだお会いできていないんです。
僕が演じた過去パートの正宗が、現代パートの正宗にきちんとリンクしているかどうか、自分では判断できないので、橋爪さんに伺ってみたいです。でも、ご意見を伺うのが楽しみなような、怖いような……。そんな気持ちでいます。
倉 悠貴(くら・ゆうき)
1999年12月19日生まれ。大阪府出身。19年にドラマ「トレース〜科捜研の男〜」で俳優デビュー、20年公開の池田エライザ初監督作品『夏、至るころ』では、映画デビューにして初の主演を果たす。その後も『衝動』(21年/土井笑生監督作)、『OUT』(23年/品川ヒロシ監督作)の主演作のほか、『コーポ・ア・コーポ』(23年)、『市子』(23年)などに出演。2025年には、映画『リライト』への出演も控えている。
衣装クレジット
ジャケット104,500円/オーセン ジャパン(株式会社ラフォエム 03-6786-3504)、パンツ44,000円/キミー(サカス ピーアール 03-6786-3504)、他スタイリスト私物
文=相澤洋美
写真=志水 隆
メイク=NOBUKIYO
スタイリスト=伊藤省吾 (sitor)


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