業界最高水準のアルゴリズムを駆使する “おもてなし”のデリバリーサービス

手のひらでボタンを操作するだけで、飲食店の料理が自宅へ届くフードデリバリーサービス。COVID-19をきっかけに更に身近な存在となった。そんな中、今年3月に日本上陸を果たしたフィンランド発の「Wolt」が、料理人たちの間で注目を集めている。

Wolt

企業評価額10億ユーロ以上のフィンランド発デリバリーが東京でサービス開始

ここ数年間で私たちの暮らしに浸透したフードデリバリーサービス。米国発「ウーバーイーツ」や日本発「出前館」、「チョンピー」など様々なサービスが登場する中で、フィンランド発のフードデリバリーサービス「Wolt(ウォルト)」が、10月22日から東京の一部地域でのサービスを開始した。 Woltは2014年の創業からたった6年で、世界23カ国100都市にサービスを広げた。企業評価額は現在10億ユーロ以上と評されている。人気の理由は「おもてなし」の心にある。創業地のフィンランド・ヘルシンキは人口密度が低く、悪天候で知られる。そのため業界最高水準のアルゴリズムを持つ自社システムで配達員の道順を決めるため、平均配達時間は約30分。しかも1度の配達で、3、4軒を回る。また一般ユーザーや加盟レストラン、配達パートナーに対して1分以内に返答を行なうチャットサービスなど、質の高い対応力も魅力だ。

日本では今年3月に広島でローンチされて、その後、札幌と仙台、東京へとエリアを広げていった。それにしても一体なぜ、スタートの地を広島に決めたのだろうか。Wolt日本社員第1号の新宅暁氏は「約2年かけて日本をリサーチしました。人口規模や競合他社の有無もありますが、何より、広島の持つ豊かな食文化が決め手でした」と話す。加盟飲食店の開拓では、例えば広島だと「お好み焼きみっちゃん」や「薬研堀 八昌」など、地元で愛されるお店を中心に声をかけた。またフードデリバリーサービスで唯一、地元の警察とともに交通安全の講習会を実施したり、交通安全に関する情報を共有したりなど、地域密着型を強く意識している。

料理人たちからの評判も上々。
しっかりしたアクシデントサポート体勢が魅力

9月末、東京・渋谷PARCO内のタイ料理店「チョンプー」がWoltに加盟するために料理撮影を行なうと聞いて、現場に立ち会った。同店のデリバリーサービス加盟は、日本発のチョンピーに次いで、Woltで2社目。同店のプロデュースを手がける森枝幹氏は加盟のきっかけについて、「料理人仲間からWoltを教えてもらい、評判が良かった」と話す。「チョンプーはまだ大手サービスに加盟しておらず、まず信頼度の高いサービスから始めたかったんです。店とサービス側、お客とサービス側の連絡が取りやすく、アクシデントサポートがしっかりしていると聞いています」。東京エリアでは現在、約150店舗のメニューを頼むことができ、順次エリアを拡大して、取り扱い店舗も増やしていく。今後は、2年で国内100都市のサービス展開を目指すという。

text 笹木菜々子

本記事は雑誌料理王国2020年12月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年12月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。