中国茶事始めを、「遊茶」の藤井真紀子さんに指南していただきました。

製法による6大分類

緑茶不発酵。長い製造の歴史を有し、今もなお生産量・消費量ともに最大。「蒸す」のではなく「釜炒り」製法。湯温目安85〜95℃。
黄茶弱後発酵。「悶黄」というあえて〝ムレさせる〟工程を経ることで、独特の風味を醸し出す。極めて生産量が少ない。湯温目安85 〜95℃。
黒茶後発酵。「渥堆」という工程における微生物の活動により、他のお茶とは異なる成分構成、味、香りに。湯温目安100℃。
白茶弱発酵。基本的に茶葉を放置するのみの「不炒不揉」というシンプルな製法で作られる。湯温目安85 〜95℃。
青茶部分発酵。茶葉に含まれるカテキンの酸化を途中で止めた茶。その度合いにより、さまざまな風味の茶葉が生まれる。湯温目安95 〜100℃。
紅茶全発酵。福建省がルーツといわれ、カテキンの酸化を存分に進めた茶。緑茶、青茶に次ぐ生産量。湯温目安100℃。

中国茶器を揃える

茶壺 チャーフー

急須。注ぎ口、つまみ、取っ手が一直線になっていて、蓋と身がぴったりしたものを選ぼう。江蘇省宜興で作られるものが有名。

蓋碗 がいわん

急須。注ぎ口、つまみ、取っ手が一直線になっていて、蓋と身がぴったりしたものを選ぼう。江蘇省宜興で作られるものが有名。

茶海 ちゃかい

茶壺や蓋碗で淹れた茶水を一旦ここに注ぎ切り、茶葉が湯に浸かりすぎないようにすると同時に、何杯か注ぎ分ける際には、濃さを均一にする役目も。

聞香杯 もんこうはい

品茗杯 ひんめいはい

淹れた茶水はまず聞香杯に注ぎ、次に品茗杯に移して飲む。空にな った聞香杯を鼻の近くに持っていき、茶水の乾きゆく香りを楽しむ。

本格的な淹れ方

【茶壺の場合】
1 茶壺、茶杯、茶海を温める。
2 空にした茶壺に茶葉を入れ、お湯を茶壺いっぱいに注ぐ。茶葉分量は100㎖のお湯に対し3 〜5g目安。
3 保温のため、茶壺の上から湯をかける。 4 抽出時間が経過したら、直前まで温めていた茶海に茶水を注ぎ切る。
5 茶海から各茶杯に茶水を注ぎ分ける。

【蓋碗の場合】
1 蓋碗、茶杯、茶海を温める。
2 空にした蓋碗に茶葉を入れ、湯を注ぐ。 茶葉分量は100㎖のお湯に対し3〜5g目安。
3 抽出時間が経過したら、蓋碗の縁を持 って蓋をわずかにずらし、隙間から茶水を茶海に注ぎ切る。
4 茶海から各茶杯に茶水を注ぎ分ける。

健康、美容のためにはこれ

体脂肪が気になるなら、 普洱散茶プーアルさんちゃ

プーアール茶の中でも微生物発酵を経た「熟茶」に分類されるのものは、減肥・降血糖・降脂血効果があるといわれている。

美肌になりたいなら、 白毫銀針はくごうぎんしん

白い産毛におおわれた茶葉が特徴的。抗酸化作用や去熱作用があり、アンチエイジングや美肌に効果的といわれている。

冷え性を改善したいなら、 武夷岩茶ぶいがんちゃ

岩山のミネラル分をたっぷり吸収したパワフルなお茶。血行をよくする効果があり、冷え性を予防するといわれている。

中国茶図鑑

君山銀針 くんざんぎんしん

湖南省洞庭湖に浮かぶ君山島でのみ生産されている、大変稀少な針形の黄茶。苔やかつおだしのような独特の香りを持つ。

碧螺春 ピロチュン

龍井と並ぶ中国二大緑茶のひとつ。果樹との混栽が特色の江蘇省太湖東山が原産地。フルーテ ィーな香りとなめらかな甘味が人気だ。

龍井 ロンジン

中国緑茶を代表する昔からの有名茶。豆をゆでたような優しい香りと、芳ばしい旨味が特徴。産地は浙江省杭州市の西湖周辺。

鉄観音 てっかんのん

青茶の中でももっともポピュラーな烏龍茶の一種。まるで蘭の花のような華やかな香りと芳醇な甘さが印象的。福建省安渓県産。

白牡丹 はくぼたん

香港でよく飲まれている、福建省産の白茶。ハーブのような香りを有するものがあり、紅茶のフ ァーストフラッシュを思わせる。

普洱茶 プーアールちゃ

ダイエット、健康効果が注目される雲南省産の黒茶。微生物発酵の工程があり、時間をかけて作る後発酵茶ならではの熟成した風味。

龍珠花茶 りゅうじゅはなちゃ

緑茶をベースに、新鮮な茉莉花の開花時に香りを移し、珠の形に仕上げたジャスミン茶。清らかな花の香りはリラックス効果大。

祁門紅茶 キーモンこうちゃ

現在の紅茶作りのルーツ。ダージリン、ウバと並び、世界三大紅茶に数えられる。安徽省祁門県産。まろやかな甘味がある。

東方美人 とうほうびじん

発酵度が非常に高い、台湾茶の女王と呼ばれる烏龍茶。あえて虫に襲われた無農薬の茶葉を使う。蜜のような香りが印象的。

藤井真紀子さん
大阪府生まれ。約11年間、北京と香港に在住。帰国後、「遊茶」代表に。 NPO CHINA 日本中国茶協会常任理事、中国国際茶文化研究会栄誉理事、中国茶葉流通協会顧問など、さまざまな役職を務めつつ、中国茶の普及に東奔西走中。

本記事は雑誌料理王国2011年4月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2011年4月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。