肉へのこだわりが人一倍強い神谷英夫さんは、国産のジビエしか使わない。その理由を次のように話す。「輸入するものと比べ、輸送距離が短く、鮮度の高い状態で手に入るからです。ただし、国産といえども、技術が高く信頼できるハンターが獲ったものしか使いません」 

店内には特注の大型熟成庫が据えられ、温度0℃、湿度0%を保った状態で、多種多様な肉が熟成されている。注意しているのは、熟成過多にならないこと。ピークの一歩手前で調理するように心がけている。

青首鴨は、1シーズンに約1000羽を使用するほどの人気。国産のジビエは淡い香りと旨味が持ち味なので、調理法はいたってシンプルだ。ローストやポワレだと、油脂の余計な香りが青首鴨の香りを邪魔するため、炭火でグリエする。ソースは、骨を煮出したジュを煮詰め、国産のブドウを加えただけ。青首鴨の味わいがストレートに堪能できる。

新潟県産網採り 青首鴨のグリエブドウのソース

レアな胸肉に対して、しっかり焼いたモモ肉の味わいの違いも楽しい。とガルニチュールは、レンズ豆と赤米の焼きリゾット、ジャガイモのグラティネ。

Point!
油脂を使わない炭火焼き

青首鴨の香りを生かすため、バターなどの油脂を使わずに炭火で焼き上げる。中心まで焼き切らず、ベリーレアの状態で引き上げる。フィレ肉は、肉の中にある脂を外に引き出すような感覚で焼くように意識する。

青首鴨/コルヴェール
仏 : colvert

北半球に生息する渡り鳥。日本へは晩秋から冬に飛来し、新潟、茨城、九州などで捕獲される。イギリスやスコットランドなどの輸入ものもある。飼育鴨に比べて、身が引き締まっており、赤みが濃く血の香りが強い。同店では、生後6〜8ヵ月のものしか使用しない。1年以上生育したものは、皮が弱り身が固くなるのだという。青首鴨は店に到着したらすぐに羽をむしり、置いた状態で熟成させる。

店で使用するジビエ食材

● エゾ鹿(北海道産)
● 鹿、猪(兵庫県産)
● キジ(愛媛県産) など

神谷 英生さん

1967年新潟県生まれ。新潟のシャルキュトリーレストランで修業。泉ガーデン「住友迎賓館」、レストランコンサルタントを経
て、2004年に独立。

La Boucherie du Buppa
ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ

東京都目黒区祐天寺1-1-1 リベルタ祐天寺 B1F
☎03-3793-9090
●火〜土18:00〜翌1:00LO、日18:00〜23:00LO ●月休
●www.du-buppa.com ●予算 7000〜8000円。アラカルトのみ。

本記事は雑誌料理王国210号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は210号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。