韓国産海苔というと“ゴマ油と塩で味付けされた海苔”を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。日本の海苔と同様に、生海苔や板海苔などさまざまな形態で楽しまれている。今回は「日本料理 佐とう」の佐藤良輔さんに韓国産の板海苔を使った一品を考案してもらった。

世界で最も海苔を消費する国は実は韓国だ。一人当たりの消費量は日本の倍以上で、世界最大の輸出国でもある。日本国内では流通する海苔の1割強が海外産でその多くを韓国産が占める。日本で韓国産海苔というと一般的には味付け海苔のイメージが強いが、味付けをしていない板海苔や青海苔の需要も高く、コンビニのおにぎりやお弁当などを筆頭に食品業界で広く用いられている。



日本の海苔との最も大きな違いは、海藻の種類が異なる点だろう。日本の海苔はスサビノリ一種を使用することがほとんどで黒々とした艶が特徴だ。緑がかった色味が美しい韓国産海苔は、日本で岩海苔と呼ばれるオニアマノリやマルバアマノリなどを主にし、複数種用いることも少なくない。海苔は和紙のように漉いてつくられるが、日本では薄いスサビノリをさらに細かく刻んで均等な厚さに仕上げるのに対し、韓国では厚みのある岩海苔の歯ごたえを楽しめるように適度な大きさを残して成形する。岩海苔そのものの厚みを生かした薄さに漉くため、濃淡のある仕上がりになり、高級品ほど薄くたくさんの穴が空いている。

今回、佐藤良輔さんは揚げだしをモチーフにしたひと皿で韓国産の板海苔を使用。日本料理のセオリーに沿った海苔料理に仕上げることで、韓国産海苔ならではの特徴を際立たせた。
 
「パリッと張り感のある日本の海苔と比べて、韓国産海苔はサクサクと歯切れよく軽いクリスプ感が楽しい。水に溶かすと日本の海苔はさらっとしたペースト状になりますが、韓国産海苔は海藻の食感が残る生海苔のようになる。

どちらも日本の海苔にはない持ち味。両方を生かした料理を考えました。板海苔でも手頃な価格でカジュアルに使える点も大きな魅力だと思いますね」。

佐藤良輔

1977年、東京都生まれ。専門学校卒
業後「新ばし金田中」に勤め、8年の
研鑽を積む。その後、都内の料亭や
日本料理店を経て2010年、大岡山
に「日本料理 佐とう」を開業。ミ
シュランガイドで6年連続ビブグ
ルマンを獲得する。

日本料理 佐とう

東京都大田区北千束1-59-12
プレミアムキューブ大岡山1F
TEL 03-6459-5464
11:30〜14:00、18:00〜22:00 
水休

本記事は雑誌料理王国2021年12月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。