前回、「ド古いド中古車でも、メンテさえしておけばそう壊れるものでもない」ということを申し上げた。そして同時に「それ以上に大切なのが“ナイスな販売店”を探し出すことである」とも申し上げた。ということで今回は「じゃ、そのナイスな販売店はどうやって選別すりゃいいのか?」という部分についてプリサイスリー申し上げたく候。

「ナイスなお店」の見つけ方は非常にシンプル

で、「ナイスな販売店」の具体的な見極め方だが、それについて実は拙者、今しがたウン千文字の長〜い原稿を書いた。もうね、書きまくった。

が、PCのデリートボタンを押してそのすべてを消去した。なぜならば、そんなに長々と説明しないでも、次の短いひと言でおおむねすべてを表現できると気づいたからだ。

そのひと言とはこれである。

「中古車販売店では、店や車ではなく人を見ろ。特に社長や店長などの責任者を見ろ。で、その責任者が“デキる男”か否かを観察せよ」

……ひと言という割には長く、どちらかというと二言、三言ぐらいになってしまった点についてはお詫び申し上げたい。が、とにかくこれだ。これしかない。

デキる男が売る中古車は、とりあえずちゃんと動く

説明しよう。

中古車というのは「デキる男」が経営する店で買うべきである。まあ場合によっては「デキる女」になるわけだが、とにかく、デキる人間から買わねばならない。

なぜならば、デキる男(女)が経営する中古車販売店のブツは、理論上、必ずしも最高のコンディションであるとは限らないが、少なくとも「ま、フツーには動く」という可能性が極めて高いからである。

デキる男は面倒を嫌い、効率と合理性を愛する。

どうしようもないクズコンディションの中古車を安く仕入れて外側だけちょっとキレイにして、それを売り、そしてクレーム処理や2ちゃんに立ったスレッドの火消しに奔走する焼畑農業も、一つの商人人生ではあろう。

しかしデキる男は「そんなのは非効率的、非合理的である」と考える。それよりも、少なくとも1年間ぐらいは問題なく稼働するだろう状態の中古車を、程良い利幅でもって販売する商行為をスムーズに繰り返すほうが、結果として得る果実はデカく甘く、そしてより永続性が高いだろうと推論する。それゆえ、最低でも「ま、フツーには動く」という中古車だけを販売するのだ。

そんなデキる男にも、ミステイクはある。「ま、大丈夫でしょ」と思って仕入れ、そして仕上げた1台が、実は問題児だったとか。

そんな場合でもデキる男は何らかの手段で、最終的にはカスタマーに満足あるいは納得を与えてくれる。お人好しだからなわけでも、仏様のように慈愛に満ちているからでもない。そうしたほうが、己のビジネスに結局は好影響を与えるからである。「損して得取れ」とか「情けは人のためならず」の世界だ。

そしてあなた(カスタマー)の運が良ければ、「ま、フツーには動く」どころか「かなりイイ感じ!」の1台を、デキる男が経営するお店から買うことになるだろう。まぁこのあたりは申し上げたとおり運次第という部分もあるわけだが、とにかく、合言葉は「デキる男ないしはデキる女を探せ」である。

判断基準は「ビジネスパートナーとして迎えたいかどうか」

では、どうすればその者が「デキる男(女)」か否かを判別できるのか……という問題だが、これはもう簡単である。

「ビジネスパートナーを探すつもりで中古車販売店に行け」である。

仮にあなたが会社員だったとしても、中古車を買うときだけは「自分は何らかの事業を展開するオーナー社長である」とのマインドセットを作る。で、もしも自分の事業にその人(中古車販売店の社長や店長など)が社員として参加したらどうなるだろう? と想像してみるのだ。

この人は社に長期的な利益をもたらしてくれるだろうか? それとも足手まといになるか? そこまでは行かずとも、なんかビミョーな人材になっちゃうのか? あるいは、短期的にはデカい利益を叩き出してくれるんだけど、数年後に何か致命的な問題を起こすタイプの人ではないか……?

そういったモロモロをさりげなく観察しながらイメージし、「うむ、この人ならたぶんイケる!」と思えたならば商談を加速させる。「微妙かな……?」と思ったら様子見とする。「人件費分の赤字にしかならんやろ……」とか「なんか問題も多そう……」と感じたならソッコーで退散する。……それでOKだ。極端な話、現車を見ずにコレだけで判断してしまっても良いぐらいである(事実、拙者はこの手法で現車を見ずに2回購入した。結果はいずれも大勝利だった)。

オーナー社長の目線になるのが難しい場合は、「自分の部署やチームにこの人が入ってきたら、果たしてどうだろうか?」という想像の仕方でもいい。

そして「デキる男」のタイプも、いろいろあっていい。頭のいいやり手タイプ。寡黙な職人タイプ。実力も伴っているムードメーカータイプ。その他いろいろ。「デキる男」の定義はさまざまであるはずだ。

拙者がカレントライフに寄稿している原稿としては異例に短いが、話は以上である。

なぜならば、本当に「これだけ」で十分だからだ。

[ライター/伊達軍曹]