我が家には二匹の猫がいる。一匹は3歳になるメインクーンの桃太郎。家人が大好きな猫種で、別名「ジェントルジャイアント(穏やかな巨人)」と呼ばれる大型猫だ。ふさふさした茶色の毛並みが美しいのだが、目下の体重は7キロ弱。欲を言えば、オスなのだから10キロくらいには大きくなってほしくて、せっせとおやつを与えているのだが、なかなか思い通りにはいかない。だが、50センチ以上ある尻尾をピンと立てて、リビングを行き来する様子は威厳すら感じられる。

 もう一匹はメスの三毛猫フク。なんと今年で25歳になる超長寿猫だ。ネットで「猫と人間の年齢早見表」を調べたら、20歳で人間なら96歳くらいらしいが、それ以上は載っていない。多分120歳くらいになるのだろう。ちなみに上には上があり、ギネスブックの猫長寿記録は38歳だというから恐れ入る。

 フクは生まれてから一度も獣医さんのお世話になったことのない頑健な体の持ち主で、体重は3キロ弱。さすがに寄る年波には勝てず、爪が黒く変色したが、今でも食欲旺盛。大好物の豚肉や鳥肉、焼き魚が食卓に並ぶと匂いで分かるらしく、私のイスのそばにチョコンと座っておねだりをする。鳴くわけでもなく、じっと私を下からみつめている。本当は人間の食べ物を与えたくはないのだが、猫にはすこぶる甘い家人が「老い先短いんだから、よくかんで軟らかくして食べさせれば?」と助け舟を出す。大した量は食べないのだが、満足すると段ボール箱のねぐらに戻る。

 ここ最近、私が晩酌でほろ酔いし、リビングの床にひじ枕でうたた寝していると、いつの間にか、私に添い寝することが多くなった。猫の世話はもっぱら家人がしており、もちろん私より家人に懐いているのだが、これは一体どうしたわけか?昔はこんなことはなかったのに。まさか最期のご挨拶?いやいや、まだまだ長生きしておくれ。



 山中 秀樹(やまなか・ひでき)1958年生まれ、広島市南区出身。幟町小から修道中・高、早大第一文学部を経て、81年にフジテレビにアナウンサーとして入社。同局の看板アナウンサーの1人として幅広い分野で活躍。06年12月31日付で同局を退社。現所属は(株)タイタン。血液型はO、好きなものは芋焼酎で、苦手は変な日本語。特技はベンチプレス100キロ。美智代夫人と2人暮らし。