福山市出身の女子プロゴルファー、田辺ひかり(23)=伊藤園=がレギュラーツアーでの活躍を誓った。16年のプロテストに一発合格も、レギュラーツアーの壁は厚く、これまで下部ツアーを主戦場に戦ってきた。プロ5年目の今季、雑誌で目にした広島カープの鈴木誠也選手(26)の言葉に大きな刺激を受けるとともに、ツアー通算7勝の佐伯三貴(35)にも弟子入り。心技両面を磨き、飛躍のシーズンを目指す。

 広島国際学院高を卒業し、16年のプロテストに一発合格を果たした田辺だが、レギュラーツアーにはなかなか定着できず、これまで下部のステップアップツアーが主戦場。それでも昨季は同ツアーで8度のトップ10入りを果たし、賞金ランクも自己最高の11位。「自分の中では成長を感じた1年だった」と満足感があったという。

 しかし、今年に入り、大きな刺激を受ける出来事あった。コロナ禍でステイホームしている時、広島・鈴木誠のインタビュー記事を掲載された雑誌を読んだ。その中で「せっかくプロの世界に入れたのに、これで努力しなかったらもったいなさ過ぎる。自分で自分をつぶしたくない。あのとき練習しておけば良かったって思いたくないから、一生懸命やっている」という言葉に目が覚めた。

 「私も自分の頑張り次第で、どんどん上にいけるし、優勝のチャンスもあるのに、どこか頑張り切れない自分がいた。でも、鈴木選手の言葉を読んで、今までなんてもったいない時間を過ごしてきたんだろうって思ったんです。私より若い選手も増えてきて、みんなすぐに賞金シードを取ったり優勝している。私も自分の可能性を捨てたくない。悔いを残さないように、やれることはすべてやろうと決めたんです」

 殻を破るために、同郷の先輩、佐伯に弟子入りし、指導を受けることも決めた。「(佐伯)三貴さんはかっこよくて、私にとってはあこがれの先輩。ツアーで何勝もされている方なので、これまでの自分にはなかったものを教われたらと思っています」。特に佐伯のショットの音が好きだという。「三貴さんは同じ音を何度も出せるんです。でも、私はヘッドの入りが厚かったり、薄かったりして同じ音が出ない。私も三貴さんのようにショットで魅せられる選手になりたいです」

 課題はチャンスホールであるパー5で、いかにバーディーを多く取れるか。昨季の田辺の下部ツアーでのデータを見ると、パー3の平均スコアはランク7位(3・01)、パー4は同2位(4・03)ながら、パー5は同31位(4・89)と大きく下がる。「パー5で伸ばすためには、やはり残り100ヤードからグリーン周りにかけてのアプローチをレベルアップしていくことが大事。パターも含めたショートゲームが強化できれば、レギュラーツアーでも予選落ちは限りなく減らせると思います」。佐伯からも重点的にアプローチの教えを請うている。

 練習の成果が見えたのは今季ツアー初戦のアース・モンダミン・カップ(6月)だった。4日間大会の初日、田辺は116位と大きく出遅れながら、2日目から尻上がりに順位を上げ、レギュラーツアーでは自己最高となる17位でフィニッシュ。賞金213万6000円を獲得した。

 今季はQTランク46位とあって、レギュラーツアーへの出場は限られるものの、コロナの影響で20年と21年が1シーズンに統合されることになった。「シーズンが長い分、私にもチャンスはあると思っています。もちろん優勝もしたいですが、まずは賞金シードを取ることを目標にやっていきたい」。27日からのニトリレディース(北海道・小樽CC)にも出場予定で、さらなる賞金加算を狙う。

 田辺ひかり(たなべ・ひかり)1997年4月13日生まれ。福山市出身。伊藤園所属。8歳からゴルフを始める。広島国際学院高時代は中国ジュニア、広島県高校総体、広島県オープンなどで優勝。同校では男子プロの関藤直熙と同級生で、1学年下に金谷拓実(東北福祉大)がいた。レギュラーツアーでの通算獲得賞金は450万5000円(23日現在)。165センチ、55キロ。