古くから「佐伯の殿様、浦でもつ」といわれる大分県佐伯市。太平洋からの黒潮と瀬戸内の潮がぶつかり合う豊後水道に面し、日本有数のリアス式海岸のため浦(=入り江)が多く好漁場に恵まれ、漁業は藩財政の柱となっていたのです。今も、約400種もの魚が獲れる海鮮天国。殿様も喜んだ極上の海の幸を堪能してきました。



 佐伯市が「世界一」のキャッチフレーズでPRしているのがお寿司。寿司ネタのほとんどを地元で仕入れ、新鮮な魚で握ることができるからです。

 中でも注目は、美人女将・戸高秀世さん(48)が切り盛りする「亀八寿司」。「新鮮で肉厚なネタはもちろん、佐伯市内を流れる番匠川の伏流水と地元の米で炊きあげたこだわりの銀シャリで勝負!」と秀世女将は胸を張ります。

 人気の「おまかせ寿司」(4500円)は、ネタが普通のにぎりの倍近い大きさ。特大椀(わん)の汁物付きでボリューム満点。佐伯の海の幸の豊かさを感じる豪快な一品です。

 またイベント会場で寿司を握ったり、SNSを駆使して佐伯寿司を広くアピールしたり、アクティブに活動する女将からも目が離せません。最近のヒットは本格的パフェの提供。そのうちお寿司の後はパフェでしめるスタイルが佐伯の定番になるかもしれません。



 コスパNo.1ランチを求めるなら「海鮮の宿まつ浦」の「海鮮丼」がおすすめです。朝獲れのブリ、サワラ、アジ、サザエなど10種類の刺し身に秋の彩りに紅葉をあしらった豪華バージョン。ご飯は別に添えられ、南蛮漬け、茶碗蒸し、みそ汁、漬物に食後のコーヒーまで付いて、なんと980円。目にも舌にも美味な感動のランチでした。

 「おいしい魚をいろいろ食べてもらって、泊まりに来ていただくきっかけになれば」と代表兼料理長の三好英典さん(64)。お宿のPRを兼ねた、もうけ度外視のメニューなのです。

 「では、次はゆっくり泊まりで…」と館内を見てみると、客室は全室オーシャンビュー。時々イルカが泳ぐ姿も目撃できるとか。目の前の漁港ではのんびり釣りも楽しめます。ちなみに、三好さんは広島カープの三好匠選手の叔父にあたるそうで、カープ談議にも花が咲きました。温かく太っ腹なもてなしに再訪必至の料理宿です。

 太っ腹といえば…佐伯市では来年1月末まで「おかえりなさいきキャンペーン」を開催中。宿泊者向けに佐伯市内で使える2000円分のクーポン「おかえりなさいき券」など、お得な企画で旅人を迎えてくれますよ。



 「道の駅かまえ」では、11月から3月までの期間限定の“美人”に出合いました。佐伯市の2人のブリ養殖漁師が生み出した新ブランド魚の「美人鰤(ぶり)」です。

 名前の由来は「山口県萩市の地酒『東洋美人』の酒粕を混ぜた餌で育ったから」と同駅長の早川光樹さん(24)が教えてくれました。「東洋美人」といえば、4年前の日ロ首脳会談でプーチン大統領に振る舞った銘酒です。『なんとぜいたくブリたちよ』と驚きつつ味わってみると、酒粕がもたらす効果は絶大!全く臭みがなく、とろける脂は上品な甘み。美人の名にふさわしい味わいでした。

 この道の駅は別名「ブリラボ」と呼ばれるブリ料理の研究所でもあり「刺し身は九州の甘めのしょうゆが合います」「大分名産のカボスを絞って食べるのもおすすめ」と食べ方のアドバイスや、部位を生かした料理の開発も行っています。その日水揚げされた新鮮なものを提供するため、電話での事前予約が確実です。

 出世魚の代表格のブリに「美人」がプラスされた「美人鰤」。食べたら運気が上がりそうな気がします(笑)。



 ◆亀八寿司 佐伯市中村南町7の12(TEL0972・22・5818) 営業時間・料理の提供は11〜14時、16〜21時30分。カフェタイムは14〜23時。月曜定休。年末年始は12月29日から1月3日まで休み。

 ◆道の駅かまえ 佐伯市蒲江蒲江浦5104の1(TEL0972・42・0050) 営業時間・直売所9〜17時(冬季3月末まで)、レストラン11〜15時、年末年始は元日休業予定。

 ◆海鮮の宿まつ浦 佐伯市鶴見地松浦550の30(TEL0972・33・1191) ランチタイム11時30分〜14時。

 ◆「おかえりなさいきキャンペーン」 問い合わせは佐伯市役所観光ブランド推進部観光課(TEL0972・22・3942)。