広島・野間峻祥外野手(24)が代走で存在感を示している。今季は39試合に出場し、4盗塁をマーク。厳しいマークをかいくぐり、思いきりのいいスタートを切っている。その姿勢を河田外野守備走塁コーチも評価。自慢の足からレギュラーへの足がかりをつかむ。

 初夏の日差しを浴びながら、野間は二塁へ滑り込む練習を繰り返していた。白いスライディングパンツは泥だらけだ。その前日の13日・オリックス戦(三次)。野間は0−0の七回、2死一塁の場面で代走出場した。エース金子のマークをかいくぐり、好スタート。二盗はセーフのタイミングだ。ところが相手選手と交錯し、足がベースから離れてアウトに。チームは勝利したものの、野間にとっては悔しい夜となった。

 「代走野間」のコールに球場は沸く。登場のシーンはいつも試合の勝負どころ。期待の視線を全身に浴び塁上に立つプレッシャーは計り知れないが、野間は覚悟を決めている。

 「絶対に走る場面で出て行くので向こうも警戒している。その中で走らないといけない難しさはある。これまでは赤(松)さんがいたので。今までは自重していた部分もありましたけど、走らないと僕がいる意味がない」

 試合前は相手投手の映像を見て、イメージを膨らませるという。8日・日本ハム戦(札幌ドーム)から3回連続で二盗にトライ。河田外野守備走塁コーチは「スタートして良かった悪かったはあるけど、スタートを切れていることがいい。時期にしては早いと思う。もう少し時間がかかると思った」と心意気を買っている。

 フィジカル、能力は申し分なし。さらに、「スタートを切るのは気持ちと頭。心と頭が一致してきた」と成長にも目を細める。野間の足は今やチームに欠かせない武器なのだ。

 並行してレベルアップに励む打撃は進化の途中だ。試合前練習では何種類ものティー打撃で「バットが素直に出るように」とスイングの軌道を体に染みこませる。フリー打撃でもセンター返しを徹底。外野守備は一級品だけに、打撃を磨き、代走からレギュラーをうかがいたい。野間がスタメンを張れば、守備固め、代走の手を借りる必要はないが「まず自分が与えられた場所でしっかりできないと、自分の力になってこない」とキッパリ。存在価値を示し、無我夢中で駆け抜ける。

 野間峻祥(のま・たかよし)1993年1月28日生まれ、24歳。兵庫県出身。180センチ、83キロ。右投げ左打ち。外野手。背番号37。今季推定年俸1400万円。村野工高から中部学院大を経て14年ドラフト1位で広島に入団。今季は主に代走、守備固めなどで出場。俊足と強肩がアピールポイント。